雑談力はビジネスマンの必須の能力だ!!

雑談力がビジネスシーンで必要なワケ

「自分に雑談する能力はあると思いますか?」と質問されて、あなたはどう答えますか?20代、30代のビジネスパーソン1,000人に対して日立ソリューションズが行ったアンケートによると、「はい」と答えたのが30.5%、「いいえ」と答えたのが69.5%でした。つまり「雑談ができる」というだけで、7割近くのビジネスパーソンにはないスキルがあることになるのです。ここでは雑談力をつけるために知っておきたい10のポイントを紹介します。これを読んで、ライバルに差をつけてしまいましょう。

自分は「しゃべらなくていい」

雑談が苦手な人の犯しがちな間違いが「自分がしゃべらなくちゃ!」と思い込むこと。雑談で重要なのは「いかに相手に話してもらうか」です。「いかに自分の話で楽しませるか」ではありません。このように考えるだけでも、雑談へのプレッシャーが格段に軽くなるのではないでしょうか。「面白い話」をしなくてもいいのです。相手に気持ち良く話してもらうために、質問をしたり、相槌を打ったり、話題を振ったりするのが雑談の大前提。まずはこの認識から肝に銘じましょう。

雑談は「内容がなくてナンボ」の世界

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男性は概して女性よりも雑談が苦手な傾向にあります。「女性がおしゃべり」なのは、雑談力が高いからこそなのです。男性からすると女性の雑談は「中身がない」「それがどうしたの?」と感じられるものばかりかもしれません。しかしこれが雑談の真髄なのです。当たり障りのない話題を意図的にチョイスして、「場の空気」を作る、これが雑談の役割。

例えばそこに意見や結論、正解が発生してしまうと、議論になってしまいます。議論になれば反対意見も生まれるでしょう。これでは親密度を深めるどころではありません。もし議論になってしまうようなら、早々にその話題は切り上げて別の話題にへと移りましょう。内容がない、当たり障りがない。これが雑談では必要不可欠な要素です。

雑談のための「準備」をしよう

重要な商談に挑むときには必ず資料やプレゼンテーションの準備をするはず。だからこそ本番でも成功できるのです。対して雑談となると準備をする人はほとんどいないのではないでしょうか。これでは商談のように上手く話せるわけがありません。雑談の準備とは「面白いと思ったことをメモすること」です。

FacebookやTwitterでも、自分用のノートでも構いません。「渋谷の○○ラーメンはとんこつより味噌がうまい」などと書くだけでもOK。文章にすることで自分の記憶に残りやすくなり、雑談の「引き出し」になってくれます。

相手の名前を呼びまくれ

We're a great team!
「人は名前を呼ばれると嬉しい」というのはよく聞く話だと思います。しかしそもそも相手の名前を覚えていなければ、とっさの時に名前を呼ぶことができません。そこで相手の名前を覚えるまで、何度も呼んでみましょう。「今おっしゃったように」と言うのなら「今○○さんがおっしゃったように」、「おはようございます」なら「おはようございます、○○さん」。

何かと名前を呼ぶ癖をつけることで、名前を覚えると同時に相手の好感度もどんどんあげることができます。好感度が上がれば相手も話したくなるので雑談が盛り上がり、相乗的に親密度があがっていきます。

一期一会を大事にしない

「雑談力」は何度も回数を重ねることで相手との親密度を上げていくためのスキルです。1回の雑談で親密度が一気に上がるわけではありません。そのためこの出会いを一生に一度のものと考えて大切にする「一期一会」の考え方は雑談には不要。

むしろ「完璧な雑談をしなければ!」と萎縮してしまって、上手く話せない危険すらあります。雑談においては「一期一会を大事にしない」。押さえておきたいポイントです。

体の波長をアゴの動きで合わせる

心理学では相手との共通点を作って波長を合わせることを「ペーシング」と言います。雑談をスムーズに進めるためにはこのペーシングが必要不可欠。相手が高いトーンの声で話しているのであれば、こちらの声のトーンを上げる。相手の言葉を同意するように繰り返す(おうむ返し)。

他にも相手のアゴの動きに合わせて、自分のアゴを動かすことで体のペーシングを行う方法も。アゴを動かす回数や、スピード、深さなどに注意するだけで、無意識レベルでの親密度がアップするとされています。

「相手限定鉄板ネタ」で雑談をオート化する

Aさんにはゴルフネタ、Bさんには登山ネタ、Cさんには……というように「相手限定鉄板ネタ」を持っておけば、会うたびに雑談のネタに思いを巡らせることなく、自動的に雑談を始められます。初対面の場合にも事前に会うことがわかっていれば、相手の趣味をリサーチすることで「相手限定鉄板ネタ」の準備も可能です。

鉄板ネタを基本として持っておけば、不安感もないので他の話題を思いつけばそちらを話題に選んでも構いません。磐石な雑談のためにも「相手限定鉄板ネタ」は有効なのです。

1つ聞かれたら2つ以上の答えで返す

「イエス・ノーで答えられる質問はするな」というのは雑談の鉄則の1つ。「お酒は飲まれますか?」「はい」というように会話が一瞬で終わってしまうからです。しかし雑談の相手が「イエス・ノーで答えられる質問」を投げかけてくるケースも、もちろんあります。この時に「はい」と答えてしまえば、会話を終わらせたのは自分自身。

これでは雑談上手とは言えません。そんな時に有効なのが「1つ聞かれたら2つ以上の答えで返す」方法。「お酒は飲まれますか?」と聞かれたら「はい、特に焼酎が好きですね(さらに銘柄や飲み方を答えてもOK)」というようにすれば、そこから会話が広がっていきます。

「困ったらアメちゃん」戦法

どんなに雑談に慣れてきても、会話のネタに困る瞬間はやってきます。そんな時に有効なのが「困ったらアメちゃん」戦法です。例えば「共通の知人がやってくるまでに初対面の人とのちょっとした時間を埋めたい」といった場面にこの戦法は絶大な効果を発揮します。

「アメ、どうですか?」「あ、どうも」という会話がきかっけになれば雑談の糸口もつかめるはず。もちろんこれはアメでなくても、フリスクやグミなどでも構いません。ただしガムは処理に困るのでこのような時には使わないのが無難です。

雑談に必要な小道具は「コーヒーカップ」と「机」

「修学旅行の夜」「銭湯(裸の付き合い)」など、多くの人が「話したくなる環境」があります。しかし商談のたびに銭湯に行くわけにはいきません。そこで簡単に「話したくなる環境」を作ってくれる小道具を紹介しましょう。

それがコーヒーカップと机です。机による適度な距離感と、会話の間が生まれた時に「今はコーヒーを飲んでいるから」という言い訳ができるコーヒーカップ。なぜ喫茶店では雑談に花が咲くのかを考えてみれば、この2つの小道具の効果も想像できるはずです。

雑談は成功へ通ず

雑談力は直接営業成績などに数値として表れるものではありません。しかし組織における評価や人望など、数値にならない部分の多くはこの雑談力によって決まります。いくら能力があっても、周囲から「とっつきにくい人」「あまり話さない暗い人」と思われていてはリーダーにはなれないのです。雑談は回り回って成功に通じています。「たかが雑談」と侮らないで、雑談力を磨いていきましょう。

参考文献
『雑談力が上がる話し方: 30秒でうちとける会話のルール』
『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』
Career Supli
営業時代はさも今思いついたような感じで準備していたネタを出していました。アイスブレイクになるような雑談が心がけましょう。
[文]鈴木 直人 [編集] サムライト編集部