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なぜトライアスロンなのか?
最近運動したのはいつですか?昨今経営者や著名人たちの間ではトライアスロンが流行しています。「走る」「泳ぐ」「自転車を漕ぐ」という3つの競技をまとめて行うタフなトライアスロンという競技が、なぜ「デキる」人たちの間で流行っているのでしょうか?ここでは彼らがこのスポーツにのめり込む理由と、それによって得られるメリットについて考えていきます。
運動してない奴はね、やっぱり駄目。
GMOインターネット株式会社 熊谷正寿氏
出典:http://logmi.jp/35037
セルフマネジメントスキルが向上する

ご存知の通りトライアスロンは体力的にタフなスポーツです。そのためこれを競技として楽しむためには、トレーニングの時間が必要です。「いやいや、そんな時間なんて作れるわけないよ。仕事が忙しいんだもん」という人も多いのではないでしょうか。しかしもっと忙しいはずの原田泳幸氏は、「時間の確保が大変なのでは」という質問に対して、このように答えています。
それは簡単ですよ。まず残業をしない。飲み歩かない。早く寝る。4時に起きる。これだけですから
株式会社ベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長 原田泳幸氏
出典:http://www.yomiuri.co.jp/running/kataru/20130807-OYT8T00605.html
原田氏は朝4時に起きてから体が目覚めるまでの間に朝のメールチェックを済ませ、それから早朝ランに出かけるそうです。「トライアスロンの練習をしよう」と決めることによって、その時間を作るために残業や飲み会に夜更かしといった「無駄な時間の使い方」が改善されていきます。
時間の使い方を洗練させることで、仕事の仕方・人付き合いの仕方まで洗練されていく。このスポーツを本気で始めれば、ビジネスに必須のセルフマネジメントスキルがアップするのです。
戦略的なマインドが身につく

戦略的であることも、レースのおもしろさです。
レバレッジコンサルティング株式会社 本田直之氏
出典:http://tabi-labo.com/27301/specialized01/
トライアスロン競技の面白さとして、「戦略性」が挙げられます。例えば泳ぎが苦手なのなら、その後の自転車で勝負をかける。あるいはランニングが苦手なのであれば前の競技でリードを奪うか、体力を温存する。自分の得意分野と苦手分野をしっかり理解して、それに応じた戦い方を組み立てることができるのです。こういった戦略性はマラソンなどにはない面白さです。
弱みと強みを理解し、それに応じて戦略を立てるというのは、そのままビジネスの世界にも応用できるマインドです。それを体を動かしながら学ぶことで、無意識のうちに思考を戦略的に組み立てられるようになっていく。これもまたトライアスロン競技をはじめることの大きなメリットです。
新しい「仲間」ができる

SNSなどを通じコミュニティーを広げ、練習はそこそこに交友関係を深める人も少なくない(笑)
トライアスロン専門店「アスロニア」店長
出典:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120130/1039529/?P=3
「1つ1つのレース規模がマラソンなどのように大きくないため、競技者同士の距離が近い」「そして何より同じ苦しみを共有している」こういった特性があるため、トライアスロンでは新しいコミュニティーが生まれやすいという特徴もあります。
有名経営者や著名人と知り合えるのもメリットですが、現在トライアスロン人口は一般のビジネスパーソンにも広がりつつあり、アスロニア店長によれば特に女性の増加率の伸びが著しいのだそうです。大会によっては参加者の4割が女性という場合もあるのだとか。
大会で生まれる人間関係にビジネスチャンスを求めるもよし、あるいは同じ趣味を持った素敵な異性との出会いを求めるもよし。トライアスロンは人付き合いに新たな風を吹き込んでくれるスポーツでもあるのです。
※アスロニアはアスリート白戸太郎氏を中心とし、経営陣に井上英明氏、稲本健一氏、高島郁夫氏、本田直之氏、そしてローソンの玉塚元一氏らが名を連ねる。
ストレス耐性が向上する
運動やってる、レースやってる時は辛いんですけど、仕事やってる時の辛さは段々慣れてきまして、そんなことを1つのアホな習慣としてやっています。
株式会社USEN 宇野康秀氏
出典:http://logmi.jp/35037
USENの宇野氏はトライアスロンや山道を走るトレイルランニングなどのタフなスポーツを好んでやっているのだそうです。その理由とは「仕事が毎日辛かったから」。仕事よりも辛いことを習慣化すれば、仕事が辛くなくなるのではないか、そう考えているのだそうです。
これは少し意外な発言ではないでしょうか。有線放送サービスを展開する大手企業のトップなら、仕事が楽しくて仕方がないと感じているイメージが強いと思います。しかしそんな人でも仕事をするのが辛い時もある。
そういったストレスをはねのけるために、宇野氏は「トライアスロン」というスポーツを選んでいるのです。日々の仕事ですぐに心が挫けてしまうような人には、トライアスロンはいいブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。
「戦うための心」が手に入る
アイアンマンになるのに、強靱な肉体はいらない。けれど、強靱な精神力がいる。
株式会社バルス 高島郁夫氏
出典:http://www.faust-ag.jp/road/road_to_ironman/vol12.php
アイアンマンとは、水泳3.8km、自転車180km、ランニング42.195kmを移動するトライアスロンでも最も過酷なレースを走破した者にだけ与えられる称号です。
この称号を56歳で初めて手に入れた株式会社バルス(フランフランなどを運営)の実質創業者の高島郁夫氏。彼がアイアンマンになったあと、株式会社ゼットンの稲本健一氏に漏らしたのは「アイアンマンに必要なのは強靭な精神力」という言葉でした。
トライアスロンにのめり込んでいる経営者は、このスポーツを語る際に「体力」「肉体」について触れることはあまりありません。もちろん大前提として体力は必要なのですが、それよりもこのスポーツで鍛えられるのは「心」だという認識が強いのでしょう。「精神力」はすぐに役立つビジネスツールではないかもしれません。しかしビジネスマンとして、重要な素養の一つなのは間違いないでしょう。
「自分を磨くクセ」がつく
「負けてもいい。最初から”できること”には興味がなくて、常に”できないこと”にチャレンジしていたいんです。」
株式会社パーク・コーポレーション 井上英明氏
出典:http://www.interliteracy.com/philosophy/inoue_h.html
青山フラワーマーケットを経営する井上英明氏もまた、趣味をトライアスロンとして公言している経営者の1人です。同氏は小さい頃から「やってみないとどうなるかわからないこと」に挑戦するクセがあるのだそうです。これは現在の会社経営にも生かされていて、「常に自己研鑽をせよ」と井上氏は言います。
トライアスロンでは大前提として強靭な体力が必要です。これを維持するためには常に自分の体を鍛えていなければなりません。井上氏の目標は「80歳までトライアスロンができる体を維持すること」。達成するには相当な自己研鑽が必須です。
しかしこれは井上氏にとっておそらく苦ではないのです。「自分を磨くこと」、それがすでにクセになってしまっているから。トライアスロンを通じてこのクセを手に入れられれば、ビジネス面のスキルアップも格段にスピードアップするはずです。
新しい世界が開ける

そうだよな。サハラで、終わりじゃないんだよな。
まだまだ、僕らは、僕らの足で、新たなチャレンジを生み出して、
あらたな物語を創って、未来を創って行けるんだよな。
インフィニティベンチャーズLLP 小野裕史氏
出典:http://hiro-ono.jp/archives/299
中高は吹奏楽部、趣味は読書・ネット・ゲームという超インドア派だった小野氏は、35歳の時にダイエットで始めたランニングをきっかけに、トライアスロンにのめりこみます。そしてそのまま「ラン」の楽しさに目覚め、ゴビ砂漠250km、サハラ砂漠250km、北極点でのフルマラソン、南極アイスマラソン100km、アタカマ砂漠250kmと次々と超人的なレースに挑戦、走破してしまいます。
ここで引用した言葉は、彼の1つのマイルストーンとなったサハラ砂漠250kmレースを完走した際に記したブログからのもの。一見すれば到底無理な挑戦も、自分の足で切り拓いていける。それこそがトライアスロンや砂漠ランといった超人的スポーツの醍醐味なのです。
そしてそれが病みつきになる頃には、「新しい世界」に飛び込まなくてはいられない体になっていることでしょう。その時にはあなたもきっと、トップビジネスパーソンのうちの1人になっているはずです。
まとめ
「そうは言ってもなにから始めればいいんだ?」と思うかもしれません。この疑問に関して、ここで挙げた多くの経営者は一様にこう言います。
なにをすべきかとは例えば「体力をつけなきゃダメ」「自転車が必要」「ウェアが必要」などです。でもそういった準備から始めていては途中で「やっぱりやめよう」となってしまう可能性もあります。だから「まずはエントリー」。そこから始めてみませんか?
[文・編集] サムライト編集部