スキルアップとは? 目的や何から取り組むべきかを解説

スキルアップすることで、仕事面において大きく成長できます。社内での評価も高まり、同期や仲間から一歩リードできるため、自信がつきます。とはいえ、スキルアップしたくとも何からはじめればよいのかわからない人も多いでしょう。スキルアップの方法や成功のポイントを解説します。

スキルアップとは?

スキルアップとは、具体的にどういったことを指すのでしょうか。スキルアップの定義や意味について解説します。

スキルアップとは

スキルは「技能」と訳せますが、先天的な能力というよりはトレーニングや経験によって身についた力を意味します。技術や技能をはじめ、経験や資格、コミュニケーション能力等、幅広い力がスキルに含まれることを押さえておきましょう。

スキルアップとは、自分のスキルを向上させることを指します。つまり自分にとって必要な知識や技術を得ることです。

仕事をするうえで、スキルアップすることはとても重要です。スキルアップの範囲には、現在持っているスキルを磨くことだけでなく、新しく資格を取得することなども広く含まれます。

スキルアップとキャリアアップの違い

キャリアアップはよく耳にするワードです。キャリアとは「経歴」「職業上の経験」「役職」などを指す言葉であり、キャリアアップとは、職業経験を積み、自分のキャリアを向上させることを意味します。

スキルアップとキャリアアップには、客観的評価や市場価値において明確な違いがあります。キャリアアップでは現在の地位や経歴、収入などが上がりますが、スキルアップには待遇や地位が必ず含まれるわけではありません。

キャリアアップの例としては、昇進して重要なポジションを任される、非正規雇用者が正規雇用者になる等が挙げられ、これは自分の客観的な市場価値が向上することを示します。

スキルアップの例として、難しい仕事をこなす、今まで行っていた仕事が効率よくできるようになる等が挙げられます。しかし、自分のスキルが向上したとしても、周囲からの評価を受けられず、客観的な市場価値が上がらない場合もあります。

とはいえ、キャリアアップのためにはスキルアップが必要であり、スキルアップがキャリアアップに結びつくなど、両者は深く関わりあっていると言えるでしょう。

スキルアップのメリット

よりよい仕事をするためには、スキルアップはとても重要です。個人がスキルアップを実現すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

仕事の幅を広げられる

スキルアップをすれば、仕事の幅を広げられます。現在のスキルを磨いたり、新しいスキルを習得したりすることで、任される仕事の種類も増えます。より重要な仕事を任されるようにもなるでしょう。

仕事の幅だけでなく職業の選択肢も増えます。資格を持っていないと就けない職業は多くあり、医療や建築関係の仕事、税理士などさまざまです。資格を取得することで、現在の職種から希望する職種への転職も可能になるかもしれません。

スキルアップすれば、ビジネスにおける自分の可能性を大きく広げられます。

評価が上がり、昇進や給与アップにつながる

スキルアップすることにより、周囲からの評価や待遇が上がることも期待できます。

スキルアップをして業績を上げる、資格を取得するなどがあれば上司や同僚などからの評価も高まるでしょう。評価が上がることにより、社内での発言力が増したり、保有するスキルや資格が必要とされる仕事を任されるといった展開もあるかもしれません。

待遇面の改善にもつながります。社内で高い評価を得られれば、昇進して給与が上がる可能性があります。資格手当を設定している企業もあるため、自分のスキルに合った収入を得ることも可能です。

自己実現により仕事に関する満足感が高くなる

スキルアップは職場環境や客観的評価へのプラスの影響だけでなく、個人の内面にもプラスの影響を与えます。

努力してスキルアップし、自分の仕事が評価されることは大きな充実感や満足感をもたらすでしょう。自分の能力・スキルの向上を実感できれば自信がつき、自己実現や精神的な安定にもつながります。

スキルアップすることで処理能力も向上し、これまでよりも効率的に仕事を進められるようになるでしょう。結果的に残業も少なくなり、プライベートの時間を確保できるなどして、ワーク・ライフ・バランスのとれた生活を送れるようになります。心に余裕が生まれ、さらなるスキルアップへの意欲を持つことにつながる可能性もあります。

このように、スキルアップは好循環を生み出す可能性があるのです。

スキルアップの方法


スキルアップのためには、何からはじめればよいのでしょうか。また、どうすれば効率的にスキルアップできるのでしょうか。スキルアップするための方法や取り組みを正しく理解して行動に移すことが大切です。

業務の専門性を高める

専門性を高めることは、スキルアップするための有効な手段です。ただ毎日同じ仕事を漫然とこなすだけでは、スキルアップは望めません。まずは、現在自分が取り組んでいる業務について、より深く学ぶことが大切です。

本を読んだり、先輩から詳しい話を聞いたりして知識を得ましょう。企業内部で実施している研修やセミナーに積極的に参加するのもよいかもしれません。

業務の専門性を高めるために、まずは自分の興味がある分野について学習し、徐々に学習範囲を広げて学ぶという方法もあります。自分に合った学習方法を見つけましょう。

資格を取得する

効率的にスキルアップをしたいならば、資格の取得をオススメします。資格を取得するために学ぶことにより、特定の専門的な分野について体系的かつ網羅的な知識を得られます。

資格取得という明確な目標があることで、計画を立てて集中して取り組むことができ、知識が身につきやすくなるでしょう。

ただし、資格の取得を最終的な目標にするのではなく、資格を取得したうえでどのような職業に就きたいのか、どのような仕事をしたいのかという点を明確にすることが重要です。

さまざまな資格がありますが、業務に関わる資格や、自分の希望する仕事に関連する資格を取得するとよいでしょう。

難易度や専門性が高い資格を取得することで、社内での評価が高まるだけでなく、転職する際にアピールできるポイントにもなります。

各種スクールを受講する

スクールに通って知識や技術を身につけるのも、スキルアップの方法として有用です。

スクールに通ったり講座を受けたりするメリットは、現時点での自分の力量を客観的に把握できることです。

スクールに通うことで必要な情報を得やすくなり、独学よりも効果的かつ効率的に学習できます。さらに、同じ目標を持つ受講者と出会うことで刺激を受けたり、新たな人脈を築いたりできるかもしれません。

まとまった時間をとることが難しいのであれば、通信教育やオンラインの講座を受ける方法もあります。近年はオンラインの講座内容も充実しており、中には無料のものもあります。

講座の形態もマンツーマン式や動画配信式などさまざまな種類があるので、試しながら自分に合ったものを見つけましょう。複数の講座を組み合わせて受講することも検討するとよいでしょう。

副業・複業を始める

資格の取得や学習以外にも、スキルアップの方法として、副業や複業を始めることが挙げられます。副業はメインの本業の他にサブとして持っている仕事であり、複業は複数の本業を持つことを指します。

まずは、勤め先が副業・複業を許可しているかを確認することが必要です。問題がなければ、空いている時間を活用して仕事を始めましょう。近年はインターネットの発達により、副業・複業をしやすい環境が整っています。

副業・複業をすることで、未知の分野やジャンルに触れ、新たな知識を得られます。収入という目に見える形で成果を得られる点もモチベーションにつながるでしょう。

しかし、副業・複業に集中するあまり、本業である仕事がおろそかになったり、プライベートな時間がなくなったりするのでは本末転倒です。無理なく続けられる、本業と両立できるスケジュールを組んで副業・複業を行い、スキルを向上させましょう。

優先的にスキルアップしたい能力

スキルといってもさまざまなものがあり、習得や向上には時間がかかります。スキルアップを目標に掲げるのであれば、優先順位を決めて順番に向上させましょう。

ロジカルスキル

ロジカルスキルとは、論理的に思考して物事を進めるスキルを指します。仕事で課題や問題に直面した場合、現状を把握し、原因を分析して合理的な判断を下す必要があります。

事象を論理的にとらえて問題を解決する力、業務を遂行する力を発揮することで迅速な問題解決が期待できます。

客観的なデータや数値から物事を筋道立てて考え、結論を導き出すスキルは、さまざまな仕事において求められます。論理的思考により組み立てた意見を、相手にわかりやすくプレゼンテーションをする力が必要になることも押さえておきましょう。

リーダーシップスキル

重要なポジションを任された場合、チームやグループをまとめることが求められます。そこで必要になるのがリーダーシップスキルです。

リーダーは、目的の達成のためにメンバーの能力を把握し、指示を出したり指導したりしなければなりません。時にはメンバー間の対立を解消したり、調整したりすることも求められるでしょう。

リーダーシップを発揮するには広い視野を持つ必要があります。メンバーとは異なる、より高い視点から物事を俯瞰的に見つめ、把握することが必要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルを向上させることも大切です。人とまったく関わらない仕事は、ほとんどないと言えるでしょう。コミュニケーションスキルを磨くことは、どのような仕事においてもとても重要なことです。

取引先と交渉したり、相手の相談に乗ったりする場合にも高いコミュニケーションスキルが必要です。

とくに、自分の考えや気持ちをまとめて相手に正しく伝える力、相手の考えを受け止める力、お互いの意見をすり合わせ、双方が納得できる結論を導く力が必要になるでしょう。

相手の気持ちを汲み取り、共感を示して仕事を進めることで、信頼関係を築けます。他者と対立せず、相互理解を深めて円滑なコミュニケーションをとることは、人間関係の構築においても重要な役割を果たします。

マーケティングスキル

自社が提供する商品を売るためには、どうすればよいでしょうか。マーケティングは商品が売れるシステムを構築する活動を指します。マーケティングスキルは、マーケティングのために必要なスキルです。

マーケティングでは、市場調査をしてニーズを把握し、商品の企画や開発をする、出来上がった商品やサービスを効果的に宣伝する等の活動を行います。そのためにはさまざまな分野についての知識を身につけなければなりません。

市場について入念に調べ把握したうえで自社の製品やサービスを正しく理解し、相手に売り込んでいく必要があります。

集客のためには何をすればよいのか、クライアントにどのように宣伝すればよいのかを調査・分析・企画するスキルはマーケティング活動に不可欠です。

スキルアップを成功させる方法


スキルアップを成功させるには、どうすればよいのでしょうか。やみくもに取り組んで挫折しないために、以下の点を意識しましょう。

目的と期間を明確にする

スキルアップを成功させるために、まずは自分の目的とスキルアップの期間を明確に定めましょう。何のためにスキルアップをしたいのか、スキルアップすることで何ができるようになるのかを書き出すのもよいでしょう。

スキルアップするための活動には時間や労力、場合によってはコストもかかるため、延々と続けられるわけではありません。あらかじめ期間を決めることで、メリハリのついた活動ができます。限られた時間をどのように有効に活用すればよいのか、取り組みにも優先順位をつけられるでしょう。

モチベーションを一定に保つようにする

一定のモチベーションを維持しつつ、スキルアップのための活動に取り組むことが重要です。モチベーションを維持するために、長期的な目標に加えて短期的な目標を設定するとよいでしょう。

目標を達成するごとに、小さなご褒美などを自分に用意することにより、達成感とともにモチベーションも高まります。

スキルアップする過程で知り合った同じ目標を持つ人と情報交換をしたり、勉強したりすることもよい刺激になるでしょう。

まとめ

ビジネス、キャリアにおいてスキルアップはとても重要であり、高評価を受けたり仕事の幅が広がったりする等のメリットがあります。スキルアップするには、スクールに通う、資格を取得するなどして積極的に取り組むことが必要です。

スキルアップのためには転職して成長しやすい環境に身を置くことも重要です。その際には転職エージェントを利用するとよいでしょう。転職エージェントを活用すれば、多く求人情報から最適な求人を紹介してもらえること、また応募先で評価されるスキルに関する情報を得たり、面接対策など転職のプロがあなたの転職活動を全面的にサポートしています。

[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部