仕事の「無駄」を撲滅せよ!仕事の効率を4倍にする思考術

その仕事には無駄が多すぎる

無駄な仕事に追われて1日が終わり、重要な仕事には手をつけられないまま。そんな状態ではいつまで経っても成功を手にすることはできません。しかしそんなことは言われなくてもわかっているはず。問題は「無駄な仕事」と「重要な仕事」をどうすれば見分けられるのかです。

ここでは「パレートの法則」「80対20の法則」「ニハチの法則」などと呼ばれるルールについて紹介するとともに、重要な仕事を見極める具体的な方法をお教えします。

世界は2割で回ってる

iStock_000023548050_Small
「パレートの法則」「80対20の法則」「ニハチの法則」はどれも同じ法則を意味しています。全体を構成するもののうち重要なものは全体の2割であり、残りの8割は重要ではないという法則です。

・1日のタスクを10個書き出した場合、そのうち2個を処理すれば後の8個は大して時間のかからないものであることが多い。
・顧客のうち重要なのは上位2割で、その顧客の売上が売上全体の8割を占める。
・ハチの群れのうち働き者は8割、怠け者は2割。

この法則が示すのは「本質は常に2割(圧倒的少数)にある」ということです。本質的ではない8割に時間を費やすよりも本質である2割に同じ時間を費やすことで、仕事の能率は4倍に跳ね上がります。

この法則を念頭に置いて、日常的に「2割の本質はどこだ?」と意識するだけでも仕事の能率はアップするでしょう。しかしよりこの法則を使いこなすには、確実に「2割」を見つけ出す方法を身につける必要があります。

書類・資料の「2割」を見つけ出す方法

iStock_000021906193_Small

この法則について書かれている『「超」集中法 成功するのは2割を制する人』(野口悠紀雄著)には、書類と資料の「2割」を見つけ出す方法が紹介されています。著者の野口氏はこれを「超」整理法と呼んでいます。

方法は簡単。書類を最低限の単位に分類したら、それをクリアファイルなどに入れていきます。ファイルには日付とタイトルを見えやすい位置に記入し、棚の左(右でも可)から時系列順に並べておきます。あとは新しい書類と資料、使ったファイルを時系列の新しい方向から順に棚に戻していくだけです。

こうすると棚の左(右)側には常に重要な「2割」のファイルが集中し、棚の右(左)側からは重要性の低いファイルが押し出されていくようになります。

野口氏いわく実際に仕事に使う書類・資料(=ワーキングファイル)は全体の2割程度。したがって使用頻度の高い書類・資料を見つけ出せれば、それだけで無駄なファイル整理の時間がなくなり、仕事の能率がアップするというわけ。「超」整理法を使えばこの2割を自動的に抽出することができるのです。

「2割」のネット情報は検索できる!

iStock_000062269358_Small

情報化社会となって久しい日本のビジネスシーンにおいて、「ネット情報」は便利であると同時に扱いに困るものでもあります。あまりにも情報量が多く、重要な2割の情報を見つけ出すことが難しいからです。

この2割を見つけ出せるかはいかに「共通項」を探すかにかかっています。仮に新しいネット広告を出そうと考える際に、ネット広告においてどこに最も重点を置くべきなのかをネットで調べるとしましょう。

すると多くのサイトで「見出しの文章が重要だ」と書かれているとします。このような場合、「重要な2割の情報」とは「見出しの文章についての情報」である可能性が高くなります。

ここでさらに「見出しの文章で重要なことは何か」と深掘りしていけば、ネット広告における最も本質的な情報にリーチできるはずです。それがわかればどこにコストをかけてどこにコストをかけないのかという意思決定もしやすくなり、仕事の能率は飛躍的に向上するでしょう。

ビジネスにおける「2割」はどこにある?

iPhoneなどの特定の製品に集中してリソースを投下するAppleや受注生産に特化することで大幅なコストカットを実現したDELLなど、近年成功した企業の多くは重要なポイントをしっかり見定め、それに集中したからこそ結果を出しています。

この「重要なポイント」は得てして超一流のビジネスパーソンにしか見つけ出せないもののように思えますし、大いに運も影響しているでしょう。しかし現代に生きる私たちには大きな武器があります。

それは「転職するならビッグデータ業界でしょ!今更聞けない「ビックデータ」の可能性とは」で紹介したビッグデータです。

あらゆる事象を従来とは比べ物にならない量・速度・多様性・正確性でデータ化する技術を駆使すれば、特殊な才能がなくても「重要なポイント」へのリーチは十分可能なのです。

もちろんビジネスパーソンとしてのスキルは必要です。しかしその中でもビッグデータを扱うスキルは、今後のビジネスにおいて「2割」の重要な要素となるでしょう。

「8割」はすべて無駄なのか?

「重要なことは重要でないことよりも圧倒的に少ない」これは誰もがどこかで理解していることです。

にもかかわらず重要なことを「2割」と定め、残りの8割を重要でないと割り切ることができないのはなぜでしょうか。そこには「自分の判断が間違っているかも」「そうは言っても8割も必要だろう」という「感情」があるからです。

しかしここで述べてきた「2割を重視せよ」という法則は、なにも「8割を切り捨てよ」という意味ではありません。重要なのは「2割を探す」という意識と行動、そして「優先順位をつけた対応」なのです。重要な2割をおろそかにしたまま、重要でない8割のことに時間や労力・費用を割くことがあってはいけません。

「パレートの法則」「80対20の法則」「ニハチの法則」を「当たり前」と切り捨てることは簡単です。しかしその「当たり前」を突き詰め、自分の仕事における「2割」を追求することが、仕事の能率を飛躍的にアップさせるためには必要不可欠なのです。

参考文献『「超」集中法 成功するのは2割を制する人』
Career Supli
組織の中で重要でない8割に時間を割かないためには、結果を出すことに集中して、人の目を気にしないことも重要です。自分が重要だと思ったことに自信をもって集中しましょう。
[文・編集] サムライト編集部