知ってる?最高のパフォーマンスを生み出すウルトラディアンリズム

集中力と体内リズム

集中して片付けなければならない仕事があるのに、どうしても気が散ってしまう時、あなたはどうしてますか?なかなかコレといった解決法が見つからない人も多いのではないでしょうか。

「集中力」については様々な研究がされており、「時間生物学」の分野では集中力は体内時計と結びつけて考えられています。

社会的なリズムと肉体的なリズム

人間の生活にはリズムがあります。多くの会社の出社時間が朝の9時に設定されていたり、電車の時刻表が決まっているなど、社会的な要因によって作られるリズムもありますが、人間の体は複雑に絡み合った様々な周期の肉体的なリズムで律されているのです。

これらのリズムは血圧や免疫力、糖分バランスの変化などで表れ、私たちに適切なタイミングで食事や睡眠をとらせようとします。

しかし、体が訴えかけてくる本能のままに生きられる人ばかりではありません。現代人には、この体内リズムと社会的なリズムが合わなくて生産性が上がらない、という事態が多々起こっています。

体内リズムを意識して、仕事のリズムを合わせられる範囲で合わせるだけでも、生産性はきっと上がるはずです。

90分刻みの「ウルトラディアンリズム」

90分程度の刻みの体内リズム「ウルトラディアンリズム」といいます。日中の眠気もこのリズムで訪れるもので、そこまで強い眠気ではなくとも集中力が切れてしまうことは確かなようです。

逆に言えば人の集中できる時間は90分間もあるということになります。90分間で仕事に集中し、休憩をとって、また新たな90分に備える、というサイクルを作れば、体内リズムと仕事のリズムは合うことになります。

休憩はどう取ればいい?

「休憩」と「仕事をしない」事はイコールにはなりません。休憩は次の90分に備えるための準備期間と考えましょう。

新たな気持ちで次の仕事に挑める気持ちになれるよう、一度心と体をリセットしなくてはなりません。リセットするには何が効率的なのでしょうか?

散歩

少しだけ外を歩いてみることは効率的な休憩方法です。日光を浴びることでストレス解消作用を持つ脳内物質「セロトニン」が出やすくなる上に、体を動かすことで血流が良くなり頭がスッキリします。

座りっぱなしになりがちなデスクワークでは足の血流が悪くなるため、体を動かすことは血の巡りを改善し、それは脳の働きにも良い影響を与えます。

パズル

休憩中にわざわざ頭を使うことをするの?と感じるかもしれませんが、90分サイクルでの休憩はただ単に休む時間ではなく、切り替える時間なのです。

数独やクロスワードパズルなど、仕事とは別の方向で頭を使う行動は頭の体操になり、つぎの90分の仕事に新しい発想をもたらすかもしれません。

また、手元にパズルがないという人には3ワードパズルをオススメします。「頭に浮かんだ関連性のない単語を3つ並べ、それをひとつの文章にする」というだけの簡単なパズルです。

例えば、3つの単語が「梅干し」「ビニール袋」「歯医者」なら、「梅干しの種を噛んで歯が欠けたのでビニール袋に歯を入れて歯医者に行った」など、ひとつの文章にまとめるのです。

3つの単語に関連性がなければないほど難しく面白いので、3人の人に1つずつ単語を言ってもらっても良いでしょう。パズルが「出来た」という達成感が次の90分間の仕事のモチベーションにつながるのです。

おしゃべり

同僚とおしゃべりの時間を持つことも頭を切り替えることに一役買います。一人で作業する時に使う脳の領域と、会話に使う脳の領域は違うため、次の90分間の仕事に新たな気持ちで取り組むことができます。

パソコンの画面から離れて、会話を楽しむことで職場内で良好な関係を作ることに繋がったり、新たな情報が得られるという点も休憩中のおしゃべりの持つ大きな利点です。

おやつ

脳のエネルギーは糖なので、休憩中にちょっとしたおやつをつまむ事は次の90分間の仕事でのエネルギーを作ることになります。

チョコレートなどの甘いものをつまむと同時に、目覚まし効果のあるコーヒーや、脳をリラックスさせるテアニンの含まれている緑茶を一緒に飲むと、さらに効果が出るでしょう。

昼寝

20分未満の昼寝、パワーナップをとることは仕事を効率化するのに抜群の効果を持ちます。実験では、昼寝をとったグループと撮っていないグループで記憶力に5倍ほどの違いが出ることが分かっています。

たった5分間でもリフレッシュできて、次の90分間の仕事に意欲が出るため、眠い時には我慢をせず少しだけ眠ってみましょう。

「集中できない時間」も効率的に使おう

90分サイクルの間に挟む休憩は15分ほどが効率が良いと言われています。また、仕事を完了させてから休憩をとるのではなく、あえて仕事をやり残したままの休憩の方が義務感によって仕事と休憩のメリハリが付きます。

集中している時間は誰にも邪魔されずに仕事に取り組みたいですが、どうしても集中できない時間はあります。そんな時間を無理に仕事に充てないで、次の仕事を効率化するための時間と考えれば、あなたの生産性はもっと上がるかもしれません。

自分の体内時計と向き合って、仕事を効率化しましょう。

[文・編集] サムライト編集部