職場におけるストレスは、人間関係によるものが多く見られます。この記事では、人間関係で悩むのはなぜかを整理し、悩みを改善するための方法をくわしく解説します。
また、古今東西の偉人による名言や、悩みに効く書籍も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
職場の人間関係がめんどくさいと感じる理由
会社員として日々仕事をする中で、職場の人間関係で疲れてしまったというのはよくある話です。しかし、それでは生産性が上がらないどころか、心身の不調につながってしまいます。
ここでは職場の人間関係でめんどくさいと思ってしまうのはなぜなのか、主な理由を解説します。
相手の機嫌を取らなければいけない
チームでプロジェクトに取り組んだり、関係部署とのやり取りをしたり、仕事は基本的に一人で完結できません。
逐次、相手の意向を確認し、議論しながら方向性を決めることは日常茶飯事です。また、仕事先で出会う相手にはさまざまなタイプがあり、十人十色だと感じている方も多いはずです。
そのような環境の中でコミュニケーションを円滑に進めるため、相手の機嫌を取ったり、自分の意見を押し殺したりすることが続くと、人間関係に悩みが出てきます。
上司や取引先とのやり取りはとくに気を遣うため、自分でも気付かないうちに多くのストレスを抱えてしまい、最悪の場合、体調を崩す原因になってしまいます。
同僚との業績争いに疲れた
報酬を左右するのは、基本的に業績における評価です。つまり、より多くの報酬を得るためには、人よりも高い評価を勝ち取ることが重要なため、ときには同僚と争うこともあるはずです。
人よりも成果を上げようと、健全に切磋琢磨しているような状況であれば問題ありません。しかし、極度に自己中心的な業績争いがヒートアップすると、人間関係が苦痛になる原因になってしまいます。
たとえば、あからさまに敵意を向けられたり、責任を押しつけられて足を引っ張られたりといったことも考えられます。
仕事とプライベートを割り切れない
仕事とプライベートの関係性も、人それぞれ価値観が異なります。
たとえば、仕事とプライベートとをしっかり分けていれば、あくまで職場は仕事をする場であるため、そもそも、雑談に入れない、友達ができないなどの悩みはないはずです。職場に気が合わない相手がいても、仕事だと割り切れば人間関係で悩む必要もありません。
しかし逆に、その境目をしっかり分けられていなければ、仕事にプライベートな感情を持ち込みがちになり、人間関係に影響を与える場合があります。
【関連記事】選択理論心理学とは? 人間関係の悩みを減らすコツ
職場の人間関係で大切なこと
人間関係の基本となるのは、やはりコミュニケーションです。
コミュニケーションがなければ、相手はこちらが何を考えているのかがわからず、不信感を抱いてしまったり、協調性がないとみなしたりするかもしれません。
また、コミュニケーションを図る際には、自分の視点を優先させるのではなく、相手の立場に立って物事を考えることが大切です。相手はそうした気遣いに好印象を抱くことから、よりよい人間関係を作れるはずです。
さらに、自分はこのような人間だと表す「自己開示」によって、自他ともに自分のことをより深く知れるようにため、ぜひ活用するようにしましょう。
【関連記事】人間関係は負けるが勝ち!コミュニケーションに効く『自己開示』の威力
職場の人間関係の悩みを改善する方法

職場の人間関係を構築しようとしても、うまくいかないことはよくあります。しかし、そのまま放置していると職場にいることが苦痛になり、心身の不調につながってしまうかもしれません。
そこで、人間関係の悩みを少しでも改善できるように、どのようなことができるかを解説します。
コミュニケーションの取り方を変える
これまでのコミュニケーションの取り方を見直し、改善することで、相手から「話していて気持ちがよい相手」だと思ってもらえる可能性が高まります。たわいもない雑談でも、自然に盛り上がれるかもしれません。
ここでは、よいコミュニケーションを取るためのポイントを紹介します。
まず、会話をする際には、相手の目を見ながら傾聴する姿勢が大切です。また、うなずきながら話を聞くと、「きちんと聞いてくれている」と相手も納得し、気持ちよく話せます。
大切なのは、真顔ではなく、これまでよりも笑顔を増やしていくことです。すると相手は、「自分の話に興味を持ってくれている」と安心感を持てるはずです。
会話のキャッチボールが少し苦手な場合は、リアクションを大きめにとってみましょう。「さすがですね!」「すごい!」「そうなんですね!」などを会話の中に適度にちりばめることで、会話が一気に盛り上がります。
逆に、相手の話の腰を折るようなネガティブな発言をしてしまうと、会話が途中で止まってしまったり、相手からの信頼を失ってしまったりする可能性があるため、注意が必要です。
こまめに感謝を伝える
どのような仕事でも、周囲の協力や支えがあってこそ成功できます。しかし、日々の仕事に忙殺されていると、心では思っていても、ついお礼を口にする機会を逃してしまっているかもしれません。
そこで、仕事で関わりのある方には、ぜひこまめに感謝の気持ちを伝えてみましょう。
ささいなことで、相手が「とくにお礼を言われるほどではない」と思っていたとしても、自分に対して感謝の気持ちを持っていてくれているとわかれば、誰しも少なからずよい印象を受けます。
日頃の感謝の気持ちとして「ありがとう」と言葉にすれば、職場に限らず、人間関係はこれまで以上にスムーズに築けるようになります。
リラックスできる時間を作る
職場での人間関係に悩んでいると、仕事が手につかなくなり、何もかも辛い気持ちになってしまうことがあります。しかし、毎日そのような悩みを抱えたまま鬱々と過ごすのは、とてももったいないことです。
そこで、ストレスを完全にゼロにできないとしても、できるだけためないように、工夫してみましょう。工夫の仕方は人それぞれで異なりますが、自分が心地よい、リラックスできると感じる方法を選ぶことが大切です。
毎日、仕事の合間に休息を取ったり、軽くストレッチをしてこり固まった体をほぐしたり、気分が上がるような趣味を見つけたりすれば、心身ともにリフレッシュできます。少しお休みが取れれば、行きたかった場所へ出かけてみるのもおすすめです。
リラックスできる時間を積極的に持つようにすることで、ストレスが発散され、人間関係の悩みも抱え込みにくくなります。
職場の人間関係に疲れたときに効く名言・格言
さまざまな偉人や哲人たちが残してきた名言や格言の中には、人付き合いに悩んだとき、助けとなりそうなものが多くあります。
ここでは有名なニーチェ、プラトン、勝海舟の3名が残した言葉について紹介します。
「フリードリヒ・ニーチェ」による名言
ニーチェはドイツの実存主義哲学者の先駆けとして知られています。
中でも有名な著書の中で、「ひとを罰しようという衝動の強い人間たちには、なべて信頼を置くな!」という名言があります。
ひとを罰しようという衝動の強い人間たちには、なべて信頼を置くな!
フリードリヒ・ニーチェ
他人を罰することばかり考えているような人は、自分の存在が脅かされるのを不安に思っているからであり、気に入らないものを隠蔽する可能性が高いため、信頼してはいけない、といった意味です。
また、「軽蔑すべき者を敵として選ぶな。汝の敵について誇りを感じなければならない。」といった名言も参考にすると、人付き合いが気楽になれるとともに自己の成長にもつながっていきます。
軽蔑すべき者を敵として選ぶな。
汝の敵について誇りを感じなければならない。
フリードリヒ・ニーチェ
「プラトン」による名言
プラトンは、古代ギリシャにおける哲学者で、ソクラテスの弟子としても有名です。
人間関係に悩んだときは、次のような名言を読むことで気持ちが晴れるかもしれません。
親切にしなさい。
あなたが会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから。
プラトン
もしも周囲に困っている人がいれば、手を差し伸べることが大切であると説いた言葉です。
人は窮地に立ったとき、自分だけが辛い環境にあると思いがちですが、相手も同じように大変なのだと思いをはせることで、気持ちが通じ合います。
プラトンはこのほか、「賢者は、話すべきことがあるから口を開く。愚者は、話さずにはいられないから口を開く。」といった名言も残しています。会話は相手の貴重な時間を費やすことになるため、熟考もせずに、むやみにおしゃべりをしないほうがよいという忠告です。
賢者は、話すべきことがあるから口を開く。
愚者は、話さずにはいられないから口を開く。
プラトン
「勝海舟」による名言
言わずと知れた日本の偉人「勝海舟」も、人間関係に疲れたときに効く名言を残しています。
自分の価値は自分で決めることさ。
つらくて貧乏でも自分で自分を殺すことだけはしちゃいけねぇよ。
勝海舟
出処と進退は自分が決めること、悪口と称賛は他人の主張で、私には関係のないこと。
勝海舟
たとえどのような環境に置かれたとしても、自分で自分の価値を認め、生きる道を決めることが大切だという言葉です。むやみに人の顔色をうかがったり、意見に振り回されたりする必要はありません。
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職場の人間関係がうまくいかないときの人間関係術

職場では、助け、助けられるシーンも日常的にあります。ここでは、自分が困ったときに助けてもらえるような、円満な人間関係を築くために、おすすめのポイントを3つ挙げます。
まず、「助けてもらえる人」になるために、「先に助ける側になる」ことです。自分が先に助けられると、その恩返しをするのに必死になってしまい、結局は助ける側から脱却できません。
また、ぜひ恩は「買う」ようにしましょう。人は他人から頼られることで自己承認欲求が満たされやすくなります。見栄を張って貸しを作ろうとせず、あえて借りを作ることで、仕事においても助けてもらえるシーンが増えるはずです。
お世辞をうまく使うこともおすすめです。お世辞を言った後、相手が「そのようなことはない」と否定したとしても、「いや、本当にそうですよ」と、言い切ってしまうことが重要です。
相手は根拠など気にしていないため、お世辞を真実にすることで、よい印象を持ってもらえる可能性が高まります。
【関連記事】助けてもらって心を掴め!メンタリストに学ぶ人間関係術
職場の人間関係にストレスを感じたら読みたい本
ここからは職場の人付き合いに疲弊してしまったとき、ぜひ読みたい本について紹介します。
パフォーマンス・マネジメント
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「パフォーマンス・マネジメント」は、企業の組織で働く人間が抱えやすいさまざまな課題を解決するための、実践的な方法を紹介した本です。
そもそもパフォーマンス・マネジメントとは、管理職と部下が共に目標を定め、成果を基に定期的にフィードバックを行い、次の目標達成に向け、フォローしていくマネジメント手法を指します。
部下や同僚の仕事上のミスを責めたり、思い通りにチームが動かないと嘆いたりする日々を送っている方は、この本でマネジメントからの解決を導けるかもしれません。
問題解決大全
画像出典:Amazon
「問題解決大全」は、困難と感じるさまざまな問題を取り上げ、それぞれの解決方法をステップ順にわかりやすく紹介した本です。
これまで何となく問題解決を進めてきた方にとっては、理論的に捉え直せるきっかけになります。
今自分が抱えている人間関係のストレスも、どうすれば解決できるのか、最善の方法が見つかるはずです。
影響力の法則——現代組織を生き抜くバイブル
著:アラン・R.コーエン、デビッド・L.ブラッドフォード 訳:高嶋 成豪、高嶋 薫
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「影響力の法則——現代組織を生き抜くバイブル」は、組織で働く方にとって大切なビジネススキルを説いたバイブル的な本で、世界各国で幅広く読まれています。
組織内のコミュニケーションは、どうすれば活性化できるのかに焦点を当て、具体的かつ実践的な事例や解決策を提示されているのが特長です。
【関連記事】人間関係のストレスを減らしたい人に本気でオススメな書籍15選
職場の人間関係をリセットしたいなら転職も1つの方法
職場の人間関係に気を遣いすぎ、ストレス発散もできない、一度リセットしたい、という状態であれば、働く環境を変えることも一案です。
ただし安易に転職してしまうと、想像していた職場と違うなど、また新たな悩みが生まれる可能性があります。転職を成功させるためには、2つのポイントをしっかり押さえるようにしましょう。
まずひとつは、自分が今後どんな働き方をして、どのようにキャリアを重ねたいのか、キャリアのイメージを描くことです。
人間関係のリセットのみを目的に転職しても、転職先でも同じように人間関係の悩みを抱えることになりかねません。転職はあくまでも仕事を軸に考えることが大切です。
もうひとつは、新しい職場が本当に自分に合った職場なのか、事前にホームページやヒアリング、職場見学などを通じて確認することです。
このようなポイントを実行すれば、ぴったりの職場にめぐり会える可能性が高まります。
まとめ
気を遣いすぎたり、過度な業績争いになったりと、職場での人間関係には悩みがつきものです。しかし、ストレスがたまり、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうと、ますます負のスパイラルに陥ってしまいます。
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[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部