Contents
絶対に負けられない戦いがそこにある
確かにそこにあるのに、いつの間にか忘れてしまうもの。とても大切なことなのに、毎日に追われているうちに邪険に扱ってしまうもの。それは「定時」。
そんな大切な「定時」を死んでも守りきり、退社して自分の時間をたっぷりととりたい人は、数え切れないほど多いでしょう。では、なぜそうしないのですか?周りの目が厳しい?
わかりました。今回は、定時帰りを死守する定時ディフェンダーになるための仕事術を紹介します。
「自分、夜はセミナーとかに参加するんで退社します」
定時に仕事が終わっていても、上司がまだ帰らないから時間を潰さなくちゃならない……そんな経験がある人は少なくないはずです。そういうときのために退社後は社外セミナーや自分磨きに時間を割いている、というキャラクターを日頃から作っておきましょう。
これはたまにでもいいので実際にセミナーに行ってFacebookなどにアップしておく必要もありますが、同時に朝の出社を早くすることも必要です。
「自分、朝早く来てある程度仕事の準備をしているので、なんとか定時に終われるのです」、というセリフを吐ければ定時ディフェンダーとして一流です。
実際、朝早く出勤して、その日の予定を立てたり、電話や周りの邪魔に対応しなくてもいい環境でメール返信などをするのは、非常に効率がいい仕事術です。
「あの人、いつも帰るの早いけど、やることはやって帰るんだよね」

定時ディフェンダーが守るべきは、定時だけではありません。仕事のクオリティもしっかり守らなくてはいけないのです。「帰るのが早い=仕事が雑い」なんて思われていれば定時ディフェンダーは務まりません。
仕事をテキトーにこなして早く帰りたがる人、というレッテルを貼られれば、定時に帰るどころか「もうこなくていい」と言われかねません。心穏やかに定時に帰るためにも、仕事のスピードと同時に質も維持しなくてはならないのです。
これを実現するには自分の仕事をシステム化してしまうことです。書類をチェックするときのチェック項目を自分なりに一覧にしておく。あるいは1日のスケジュールはすべてメモ帳に書き出しておいて、処理したら二重線で消す。
1日の終わりにはすべての項目が消えている状態にする、など。「仕事の抜け」がないように自分だけの「仕事スタイル」を作り上げるのです。
「この会議、あと5分で終わらせます」

「会議」はとかく無駄な時間の多い業務です。時間を1時間と決めていても、結局「まだ結論が出ていないから」で何十分も延長したり、あるいは「結論が出そうにないから」という理由でそこまでの時間が全くの無に帰す場合もあります。
これでは到底定時ディフェンダーにはなれません。定時を守るには、無駄な時間は一切カット!です。そのためにもできるかぎり会議を素早く終わらせるスキルが定時ディフェンダーには必須なのです。
こういった原因で会議が長引いている場合は、まず「話し合って解決するのか」を考えましょう。意見が出なかったり、まとまらなかったり、というのは一度時間をおけば簡単に解決することが多いものです。
データが揃っていないのは完全な準備不足ですから、すぐさま会議は終了です。不確定な議論をいくら続けても、データが出てきてそれが覆れば、また一からやり直しです。問題が大きすぎてメンバーでは決められないのなら、その会議はそもそもメンバー構成から間違っています。
ある程度既存のメンバーで案を固めてから上司に判断を仰ぐしかありません。権限がない人間が何人集まってうんうん唸っていても、時間の無駄です。
重要なのは「準備」です。データの準備はもちろんですが、各々がそのデータにあらかじめ目を通しておけば、会議になればすぐに意見交換ができます。
分析力が鋭い人ならデータを見て「上司の判断が必要だ」と思う場合もありますし、データ不足かどうかも判断がつきます。会議に至るまでにしっかりと「お膳立て」をしておけば、会議は本当に濃密な、かつ短いものになるでしょう。
「その書類はあそこの棚、その書類はあっちの棚」
整理・整頓・清掃・清潔・規律という言葉があります。それぞれの意味は次の通り。
整頓:戻す場所と、その場所に保管する期限を決める
清掃:身の回りや職場をきれいにすること
清潔:きれいな状態を維持すること
規律(しつけ):整理整頓・清潔清掃にルールを決め、徹底すること
これは5Sと呼ばれるビジネス用語ですが、これを自分個人に当てはめると、定時ディフェンダーとしてのスキルが格段にアップします。「いるもの」「いらないもの」を常に選別して、いらないものを捨てていれば、必然的にいるものしか机の周りには残りません。
いらないものの山からいるものを探す時間がカットできるのです。さらにそのいるものの場所を決めていれば、「あれ、どこにいったかな?」という時間もカットできます。身の回りや職場をきれいに保っていれば、気分良く仕事ができるので、能率があります。
これらをたまにやるのではなくて、習慣(規律)化してしまえば、まとめて整理した場合にかかる長い時間もかかりません。毎日正味5分程度です。
サラリーマンが年間で探し物をしている時間はなんと平均で150時間だと言います。これをなくすだけで定時に帰れる可能性が上がるのは言うまでもありません。
「頼みたいこと?今定時1分前だけど、それ1分でできる?」

「時間外労働を断る覚悟」!これが定時ディフェンダーにとって最大の難関ではないでしょうか。特に残業が常識になっている企業の中では、残業しない自分は異端なので、なかなかこの覚悟を貫くのは難しいのです。
「頼みたいこと?今定時1分前だけど、それ1分でできる?」を言うには、ここまで挙げた「夜はセミナーに参加している」「やることはきっちりとやる」「無駄な仕事はしていない」という自負と、周りからの評価が必要です。でなければ単に「えー、もう帰りたいんですけど、明日じゃダメ?」と言っているのと同じになってしまうでしょう。
「定時に帰れる人って、仕事できる人らしいよ」
どうでしょうか。定時ディフェンダーとして必要なものが把握できたでしょうか。
薄々感じているかとは思いますが、定時ディフェンダーになるということは「仕事ができる人になる」ということです。早く帰って自分の時間を確保するために、「できる人」になりましょう!
[文・編集] サムライト編集部