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人脈が人生のステージを上げてくれる
人生において自分の力だけで何とかできることは、たかが知れています。もちろんそれだけでも十分人生は楽しめますが、より上のステージに行くためには誰かの手助けが必要不可欠です。
その手助けをしてくれる人、自分が困ったときに手を差し伸べてくれる人、それが人脈です。これを手に入れるためには相応の努力と時間が必要となります。
ここではその際に知っておくべきポイントを、保有資産50億円以上、年収5億円以上という大富豪ばかりに仕える執事サービス専門会社「日本バトラー&コンシェルジェ」のトップを務め、自身も一流の執事である新井直之氏の人脈術から紹介します。
執事流人脈術の基本3か条

人脈は「ギブアンドギブ」で作る
人脈を損得勘定で考えようとする人も多いかもしれませんが、それは大きな間違いです。人脈作りの大原則は「ギブアンドギブ」。相手に対してとにかく貢献し続けることでしか本物の人脈は作れません。損得勘定を持って接すれば必ず相手はそれを察知します。そうなれば相手から遠ざけられてしまうでしょう。
一緒にいて楽しい気分にさせてくれたり、面白い話題を提供してくれたりする人ほど、もっと会いたいと思われ、信頼を深めたいと思われるのです。確かに時間はかかりますが、だからこそその人脈は「本物」になっていきます。
人脈は自分と同等か立場の下の人としか生まれない
「人脈を作る」となるとついつい自分よりレベルの高い人とつながって、自分を引き上げてもらいたくなります。しかしレベルの高い人に対して、自分が貢献できることはあまりありません。
美味しいものや高価な洋服も、間違いなく相手の方が知っていますし、ビジネス上の問題に関しても自分が力になれることはないでしょう。
これが自分の同僚や後輩であれば、貢献できることがいくつも思い浮かぶはずです。人は自分が未熟な頃に受けた恩義は忘れないもの。食事をご馳走したり、困った時に手助けをしてあげた同僚や後輩は、将来必ず自分を助けてくれる人脈になってくれるのです。
立場が上の人との人脈は「自分のフィールド」で作る
とはいえ立場が上の人と人脈が作れないというわけではありません。そうした人と人脈を構築するには「自分のフィールド」を持つのが一番です。
新井氏の会社のゴルフ好きの社員は、名門ゴルフコースに趣味で1人で通っていたところ、ある時大富豪と同じペアになり、それが仕事につながったことがあるのだとか。
このように趣味やスポーツなどをきっかけにすれば、仕事とは別のところでつながりが生まれます。立場が上の人にこちらが何かを教える、つまり貢献できる場合もあるでしょう。そうすればそこから徐々に人脈を築くことができるのです。
「次に会う理由」を作る3つのセリフ
人脈を築くには何度も直接会うことが重要です。そのためには「次に会う理由」を毎回作る習慣をつけなくてはなりません。そのために有効な3つのセリフを紹介しましょう。
「この続きは明日、もう少しお話ししませんか」
日々時間に追われているレベルの高い人にとっては、時間は何よりも貴重です。そのような相手に対して効果的なセリフが「この続きは明日、もう少しお話ししませんか」です。
何かの偶然で立ち話になったり、パーティなどで少し話す機会を得た時に長話をするのは得策ではありません。このセリフを使って話を途中で切り上げ、次の機会につなげるようにします。
この時の基本は「相手の都合のいい日で、直近の約束をとりつけること」。よく言う「いつか飲みましょう」は決して実現しないと肝に銘じておきましょう。
「次回までに確認しておきます」
相手から宿題をもらう、もしくは宿題として引き受ける。これも次に会う理由を作る方法です。その場ではわからないことや記憶があやふやなことを持ち帰り、きちんと対応すれば印象も良くなるうえに、直接会う回数を増やすこともできます。
時には本当はわかっていても、あえてわからないふりをして会う理由を作るのもアリです。
「先ほどのお話をもう少し詳しくお伺いしたいのですが」
社会的にレベルの高い人には、誰かに何かを教えたりするのが好きな人がたくさんいます。そのため「もっと教えて下さい」「もっと聞かせてください」などのセリフは、次の約束を取り付けるのに効果的です。
またパーティーや勉強会、相手の趣味に合わせた誘いなども次に会う理由になります。その場合も「ぜひゴルフを教えて下さい」など相手の得意分野に飛び込めば、相手の「教えたい欲」を満たすことができます。
本物の価値ある人脈作りのためにやってはいけない3つのこと
人脈作りにはタブーもいくつかあります。ここではその中でもついついやってしまいがちな間違いをピックアップしました。
人脈自慢はするな
周囲に「○○さんを知っています」「○○さんと友達なんです」などと人脈自慢をしたことはないでしょうか。社会的に立場がある人ほど自分を利用する人間も多いので、不用意に名前を出されるのを嫌います。もちろんその人としっかりした信頼関係が築けていれば問題はありません。
しかし大した間柄でもないのにそのように言ってしまうと、「こいつに関わると、知らないところで名前を使われるかもしれない」と警戒されてしまいます。仮に誰かから「○○さんをご存知ですか?」と聞かれても、「ご挨拶だけはさせていただいたことがあります」など自慢に聞こえないように控えめに答えるようにしましょう。
同じレベルのビジネス交流会には行くな
「人脈を作る」という目的のために、同じレベルの人間が集まるビジネス交流会に行ってはいけません。単なる傷の舐め合いで終わる可能性が高いからです。新井氏は「2ランク上の会か、2ランク下か、どちらかを選びましょう」と言います。
2ランクも上の会に行くと少しの背伸びでは話を合わせることすらできないはずです。そうなると執事流人脈術の基本3か条の1つ「立場が上の人との人脈は『自分のフィールド』で作る」を実践するしかありません。
妙に見栄を張らなくていいので、きちんと人脈につなげることができるのです。一方2ランク下の会に行くと、自分が貢献できることが多いので人脈はより作りやすくなります。
名刺に小細工はするな
「人脈作りは第一印象が大事だ」と言って、名刺にキャッチフレーズや信条を印刷したり、名刺の形やデザインにまでこだわったりしていないでしょうか。確かに名刺は自分を伝える大切なツールです。
しかし自分をアピールするためにこうした小細工をするのは、全くの逆効果。自分について自分で延々とアピールする人に説得力がないように、名刺でやたらと自己アピールをする人にも説得力がありません。
何もかもを盛り込むのではなく、「この人のことをもっと知りたいけど、名刺だけじゃわからないからもう一度会おう」と思わせる程度のシンプルさが大切です。
人脈は「広げる」より「深める」
人脈はいくら広くなっても、深掘りされていなければ意味がありません。広いだけの人脈は「自分が次のステージに上がる手助けをしてくれる人」「困った時に助けてくれる人」にはなってくれないからです。
一度手に入れた人脈は、手間と時間をかけてじっくり深めること。これが本物の人脈を構築する、唯一の方法なのです。そのためにもまず「執事流人脈術の基本3か条」を意識することから始めてみましょう。
参考文献
『執事に学ぶ極上の人脈』
