今年の目標、それで大丈夫?
「今年こそは目標を立てて頑張るぞ!」と意気込んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし「去年も同じこと言っていた気がする」と思っている人も同じくらい多いはず。どんなに立派な目標を新年に立てたところで、実現できなければ意味がありません。
ここではついつい計画倒れに終わってしまう人のために、「失敗しない目標の立て方」をご提案します。今から目標を考える人はもちろん、すでに立派な目標を立ててしまった人も今一度計画を「実現性」という観点から見直してみましょう。
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年始に目標は立てない
女性のためのキャリアコンサルを行うタブタカヒロさんは「お正月に目標や計画を立てている」のは目標を達成できない典型的なパターンだと言います。タブさんに言わせれば「1年の計は元旦にあり」は大ウソ。1年間でやれることはあまりにも多すぎるため、元旦や正月休みではきちんと練られた目標を立てるのは難しいからです。
そこで提案したいのが「4月初めの目標を立てること」。1月に「目標を立てよう!」と思い立ったら、3月末までに計画をしっかり練って、4月から実行できるように準備しておくのです。
ケリー・マクゴニカルさんは『スタンフォードの自分を変える教室』の中で、私たちが計画を立てる時に未来の自分に対して、「まるで他人のように」過酷な目標を与える傾向があると書いています。年が明け、まるで自分が生まれ変わったように感じても、それは錯覚です。
意気込んで決めた目標は多くの場合分不相応になりがち。冷静な頭で目標を立てるためには、ある程度の冷却期間が必要なのです。
目標はスキマ時間で立てる!

ビズアーク時間管理研究所の代表取締役・水口和彦さんは仕事の計画の立て方として「ちょい書き」を提案しています。新しいアポイントメントやタスクが発生した時は時間を作ってまとめて書くのではなく、その場で仕事の手を止めて書く。これがちょい書きです。
これをプライベートでも活用してみましょう。例えば通勤電車の中でふと「今年はアウトドアを始めようかな」と思いついたとします。それをスマホやノートに書き留めておくのです。
そしてちょっとした時間にそれらを見直し、「単に思いついただけ」なのか「見直してもやっぱりやりたいと思う」のかを見極めていきます。
これを繰り返しておくと、いざ目標を立てる時には本当にやりたいと思うことだけが残っているはず。単なる思いつきでアウトドアグッズを衝動買いして、1年間で1回しか使わなかった……なんて失敗とはおさらばです。
また、「よし!目標を立てるぞ!」と変に気負わないので、分不相応な目標を立てる危険も回避できます。
目標はワクワク感が最重要ポイント!

メンタルトレーナーの清水利生さんは「目標のポイントはワクワク感!」と断言します。真面目な人ほど1年の目標に「苦手なこと」や「避けてきたこと」を掲げがちですが、これは結局実現できない目標になってしまいます。
そうならないためには目標にワクワク感がなくてはなりません。だからこそ「ちょい書き」で自分が本当にやりたい目標を厳選しておく必要があるのです。
とはいえ「それだけでは進歩がない!」と思う人も多いはず。どうしても「苦手なこと」や「避けてきたこと」を目標にする場合には、よりワクワクを感じられるように目標を再設定してみましょう。
例えば運動嫌いな人が「今年は体力をつける!」という目標を立てる場合は、体力がついたら「どんなことができるのか」「どんな自分になれるのか」を思い描きます。
そこで「旅行先でもバテずにあちこち歩き回れる自分」を想像してワクワクしたら、それを目標にするのです。そして「その目標を達成するために体力をつける」と考える。こうすれば「何のために体力作りをしているのかわからない」とやる気を無くすことも防げます。
その数値はどうせ達成できない

数字などを使ってできるだけ具体的にするのは、目標を決める場合の常識です。しかしだからといって数字にすればそれでいいわけではありません。コンサルティング企業を経営する横田尚哉さんは「仕事量の見積もりは想定の1.4倍」でするべきだと言います。
「100時間で終わりそうだ」と思うタスクを計画に盛り込む場合には140時間を想定してスケジュールを組め、というわけ。
プライベートな目標でもこの考え方は重要です。体力作りのために筋力トレーニングをするなら、「毎日腹筋100回、腕立て伏せ100回!」などではなく10回程度で設定しておく。
人脈作りを目標にするなら、「100人の他業界のビジネスパーソンと知り合いになる!」ではなく「1ヶ月に1人と知り合いになる」程度にしておく。
そうすれば途中で息切れすることなく、目標を着実に実現していくことができるはずです。
目標を立てるときの基本中の基本
・スキマ時間で目標を立てる。
・ワクワクしない目標は立てない。
・低めの数値目標を設定する。
年始や元旦の勢いで目標を立てるのではなく、肩の力を抜いて身の丈にあった目標を決めるのが「失敗しない目標の立て方」です。
しかしこのユルめの目標の立て方においても、世間一般で言われる目標設定の基本は同じ。数字による具体化はもちろん、「短期目標・中期目標・長期目標」というふうに目標を細分化するのも大切です。
大きな目標だけを決めても、達成の喜びをなかなか味わえないので長続きしません。小刻みに達成感を味わえるように中期・短期目標を設定する必要があります。
また目標に期限を設けることも忘れてはいけません。いくらユルめの目標でも「いつか達成しよう」ではダメ。きちんと日付を入れて、それに向かって行動できるようにしましょう。
