仕事は生活を支える重要な要素であり、やりがいや生きがいにもつながります。しかし、仕事をするうえでストレスを感じない人はいないのではないでしょうか。今回は、ストレスが溜まる原因や、溜まったストレスの発散・解消方法、そもそもストレスを溜め込まない予防について紹介します。
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仕事で感じるストレスの主な原因
日々仕事をする中で、私たちはさまざまなストレスを感じています。ストレスの主な原因について説明します。
人間関係が良くない
仕事で感じるストレスの中で、人間関係によるストレスはかなりのウェイトを占めていると言えるでしょう。プライベートとは異なり、職場での人間関係は、気が合わないから、嫌いだから、という理由で切り離すわけにはいかず、また不満を露わにすることも難しいため、人間関係の悪化は精神的に相当な負担となります。
同僚との競争や取引先の担当者との付き合いがストレスになる場合もありますが、とくに上司といった逆らえない立場の人から受けるパワハラやセクハラは、強烈なストレスとなります。立場上、言い返すことも難しく、周囲の人からの助けも期待しにくいものです。ひたすら我慢して受け流すことになりますが、ハラスメントは積み重なるほどに心身に悪影響を及ぼすようになります。
仕事内容が面白くない
単純に仕事内容が面白くない、といったこともストレスになります。ルーティンワークをこなすことに対して何の面白みも感じなくなる場合がありますが、割り振られる仕事とのミスマッチも考えられます。
自分で選んだ職場のはずが、仕事をしていくうちに本来自分が希望する仕事とのギャップを感じ、「思っていた仕事と違う」という感想を持つ人は少なくありません。また、部署異動や転職によって仕事内容が変わり、自分に合わない仕事をすることになる場合もあります。
やりたくない仕事を仕方なくこなしたとしても、やりがいは得られず、ただ給料のためだけに働くことになります。「なぜこんな仕事をしているのか」、「やりたくないが生活のために仕事をするしかない」といった状況には何のモチベーションも湧かず、ストレスを感じるでしょう。
仕事量が多く労働時間が長い
その他、仕事の条件や、労働環境によるストレスもあります。IT化が進む社会において仕事内容は多様化し、これまでにないタスクも生じます。
就業時間内でさばききれないほどの仕事が割り振られている場合は残業することになり、体力的にも大きな負担がかかります。ストレスを抱えたままの仕事は効率も悪く、いつまでも仕事が終わらないといった負のスパイラルに陥ってしまいます。
厳しいノルマが課されたり、自分だけ多く仕事をさせられたりすることもあるかもしれません。職場によっては、不当に仕事が多く割り振られ、残業に加えて休日も働かざるを得ない状況に追い込まれることも考えられます。
仕事のストレスを発散・解消するには
仕事でのストレスを発散・解消するにはどうすればよいか、いくつかの方法を紹介します。自分に合った解消法を試してみて、少しずつストレスを軽減させていきましょう。
十分な睡眠をとる
まずは、十分な睡眠をとることをおすすめします。睡眠時間を確保できないと、正常な思考が働かず判断が鈍ったり、またミスも多くなったりと翌日のパフォーマンスに影響が出ます。
睡眠は、食事や運動とともに、健康な生活の要です。良質な睡眠をとることにより、自律神経も整うため、ストレスも軽減されます。少なくとも一日6時間は睡眠時間を確保することを心がけましょう。
ただ横になるだけでなく、ストレスがかかっている時はなかなか眠りに入れないこともあるため、スマートフォンやテレビのような強い光は、脳に強い刺激を与え睡眠の妨げとなります。眠る直前は出来るだけ見ないようにしましょう。
また、自分にあった枕などよい寝具を揃えたり、リラックスできる環境を用意することも大切です。
体を動かす
職場と家の往復を繰り返すだけの生活では生活リズムがマンネリ化してしまいますし、デスクワーク中心の人はとくに身体が凝り固まってしまいます。適度に運動をすることで体がほぐされてリラックスし、ストレス解消が期待できます。
ジムに通ったりジョギングといった運動に対してハードルが高いようなら、まずはウォーキングからはじめてみるとよいでしょう。自宅でできるヨガやストレッチもオススメです。
一度の運動量を増やすのではなく、少しずつでも継続して体を動かしていくことが大切です。
趣味を楽しむ
趣味を楽しむことはストレスの解消・発散に非常に効果的です。仕事のことを忘れて思い切り趣味に打ち込むことはとてもよい気分転換になり、嫌な気分をリセットできるでしょう。完全にストレスと切り離された生活を送ることはほぼ不可能ですが、趣味を持つことによって、生活に張りや潤いが生じ、充実感も得られます。
趣味はさまざまなものがあり、複数の趣味を持つ人もいます。今の時点でとくに趣味がない人は、何も考えずに過ごすだけでも、リラックスにつながります。まとまった時間をとることが難しいのであれば、一日の中で数分でも好きなことをする時間を確保しましょう。
好きなものを食べたり飲んだりする
好きなものを食べたり飲んだりすることも、有効なストレスの解消方法と言えるでしょう。おいしいものを食べることが嫌いな人はまずいませんし、ストレスフルな生活では食事を楽しむというゆとりも失われ、適当に済ませることも多くなります。
甘いものを食べたり、好きなお茶を淹れて飲んだりするだけでもリラックスできるので、ストレスの解消につながります。買い物に行くゆとりがなければ、通販などで好きなものを取り寄せてみるのもよいでしょう。
ただし、好きなものを飲食するといっても、食べ過ぎないように注意しましょう。栄養バランスに気を付けて、健康に悪影響を及ぼさない範囲で食事を楽しみ、ストレスを減らしていきましょう。
仕事のストレスを予防するには

これまでにストレスを解消する方法を紹介しましたが、一番の理想はストレスを溜めないことです。どのようにすればストレスを溜めずに過ごしていけるのか、いくつかの方法を試してみましょう。
ストレスの原因を洗い出す
まず、自分が何にストレスを感じているのか、その原因を洗い出してみましょう。ただ漠然とストレスを感じているというだけでは、問題は解決できません。そのストレスは業務内容が関係しているのか、それとも人間関係なのか。
考えてもなかなか出てこない場合は、とりあえず紙に書き出してみるという方法があります。現在、自分がどういう状況に置かれているのか、仕事にどのくらい満足しているのかなどを、一つずつ書き出していくことによって、自分の抱えているストレスが明確になるのです。書き出すことによって思考も整理され、解決に向けて行動できるようになるでしょう。
タスクリストをつくる
仕事やするべきことを抱えすぎている場合は、タスクリストをつくることをオススメします。ストレスを感じることで判断力や処理能力が落ちて、仕事の効率が悪くなっていることも考えられます。
タスクリストを作成すれば、必要な仕事と不必要な仕事を整理することができます。必要な仕事についても、すぐに処理しなければならないのか、長期的な対応が可能なのかといった優先順位をつけられ、一日の仕事の配分を決めることができます。
さらに、絶対に自分がこなさなければならない重要な仕事、他の人への割り振りが可能な仕事、というように分類を明確にすることができるでしょう。
環境を変える
現在の職場でストレスを感じ続けているのであれば、思い切って環境を変えることも考えてみましょう。人間関係や仕事内容によるストレスであれば、部署を異動することで改善するかもしれません。
有給休暇を取ることや、休職するなどの選択肢もあります。現在自分が置かれている環境を少しの間だけでも変えられれば、気持ちのリセットにつながり、新しい視点から考えることができるようになるでしょう。
それでもストレスが解消しない、やりがいのある仕事ができないという場合は、職場を変えることを考えてみましょう。他にやりたい仕事のジャンルがあるならば、新たな職業を目指すのもよいでしょう。キャリアは一から積み上げることになりますが、これまでに培ったノウハウや人脈が役立つかもしれません。
職場は多くの人にとって社会生活の大半の時間を費やす場所になるため、ストレスを感じない、やりがいを得られる仕事ができるような自分にあった環境を選ぶことは非常に大切です。
ストレスサインを見逃さないように
ストレスが溜まっていると自覚している場合は自分で対処することが可能ですが、ストレスを溜め込んでいることに自分で気づかないケースは要注意です。
夜、横になってもなかなか寝付けなかったり、十分な睡眠をとったはずなのにまったく疲れがとれていないと感じたりすることはあるでしょうか。とくに原因が思い当たらないのに、常に苛立ちを感じていたり、焦燥感を覚えたりすることはないでしょうか。それはあなたから出ているストレスサインです。
解消されないストレスは蓄積していき、心身の健康を損ね、やがて精神的な、あるいは肉体的な不調を招くことにつながります。うつ病など深刻な状態に陥ってしまうことも珍しくありません。
いつもの自分ではない、と感じたらストレスが溜まっている可能性があります。自分でわからなければ、信頼できる周囲の人に尋ねるのもよいでしょう。
小さなストレスサインを見逃さず、早急に解消したり誰かに相談したりするといった対応をとっていきましょう。
仕事のストレスが限界なら早めに相談しよう

上記のストレス解消法を試しても、ストレスの原因が解消されない限り、根本的な解決にはなりません。限界を超える前に、その原因を遠ざける方法を模索し、なんらかのアクションを起こすことが大切です。
仕事でストレスを感じることは決しておかしなことではありません。とくに人に気をつかう繊細な人や責任感が強い人、真面目な人はストレスを感じやすく、抱え込む傾向にあります。自分で解決できないからといって自分を責めず、周囲に助けを求めましょう。
周囲にSOSを出すことは恥ではなく、むしろ必要なことなのです。自分のつらい部分を相談することで、現在のポジションを失ってしまうのではないか、またその後の生活に影響が出てしまうのではないか心配になってしまうかもしれませんが、まずは信頼できる相手に現状について相談してみましょう。
同僚、次に先輩、最後に上司と、解決できないならば徐々に相談する人の立場を上げていくことをおすすめします。もし、相談しても状況が改善しない場合は、現在の部署からの異動や、会社そのものを変える転職も視野に入れましょう。
身近に相談する人がいなければ、転職エージェントを利用してみるのもよいでしょう。現状について相談することで、今後についての提案や転職へ向けての働きかけをしてくれます。また、新たな職種、職場で給与面・待遇面でよりよい条件を得るために必要なスキルを磨くことで、キャリアアップも望めるでしょう。
最終的に転職に至らない場合も、現在の職場を変えるという選択肢を得ることにより、何があっても逃げられないという強迫観念がなくなり、精神的に余裕を持てるようになります。
まとめ
ストレスを感じずに生きられる人はほとんどいないでしょうが、なかでも仕事上のストレスはなるべく減らしたいところです。今回紹介したストレスの解消・発散法や、予防の仕方をしっかり理解して、小まめに対処することをおすすめします。
もし、自力での解消が難しい場合は、無理をせずに周囲の人や専門家に頼り、相談することが大切です。自分の身体とメンタルをいたわりながら、仕事をしていきましょう。
[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部