Contents
リーダー経験、ありますか?
転職サイトなどを見ていると募集要項に「メンバー5人以上のプロジェクトリーダー経験者」「○年以上のマネジメント経験者」といった言葉があるのを見たことがあるはずです。
しかしいくらリーダーやマネージャーの経験があっても、実際は「ロクにチームをまとめられなかった」というものでは、面接の時に語りようがありません。チームをまとめられるリーダーに必要なスキルの1つは「影響力」です。
ここではリーダーが効果的に影響力を発揮するためのテクニックを4つ紹介します。これらを身につけて、面接でも自信を持ってリーダー経験を語れるようになりましょう。
自信が溢れ出る3つのポーズ
「自信」は影響力を発揮するための前提となるもので、これを身につけるのはリーダーにとって必須と言えます。自信は「過去の実績」や「現在の地位」などから生まれるものだと思っている人も多いかもしれません。
しかし自慢できるような実績や地位がなくても簡単に自信が溢れてくる方法があります。それが「ポーズをとる」です。TEDで「ボディランゲージが人を作る」というタイトルでスピーチを行った社会心理学者のエイミー・カディ氏によれば、あるポーズを2分間とるだけで自信ホルモンである「テステロン」が20%増加し、ストレスホルモンの「コルチゾール」が25%減少するのだそうです。彼女が紹介したポーズのうちの3つがこちら。
・足を開いて立ち、手は腰に当て、胸をしっかりと張る。
・肩幅よりやや広めに腕を広げて机に手をついて前を見る。
・頭の後ろで手を組んで肘を張り、椅子の背もたれにもたれかかる。さらに足を組む。
これらのポーズはプロジェクトのミーティングの最中はもちろん、ミーティング前にトイレなどで行っても効果を発揮するとされています。これらのポーズはややジェスチャーが大きすぎると思う人もいるかもしれません。
そういう場合は指を緩く組んで前腕と自分の体でちょうど三角形を作るようにするだけでも、自信を演出することができます。
連帯感を生み出すためのたった1つの言葉

チームビルディングで最も重要な要素が「チームの連帯感」です。どんなにリーダーが優秀でもチームをまとめることができなければ、プロジェクトの成功はあり得ません。
「リーダーとしての経験には苦い思い出しかない」という人の中には、この連帯感をメンバーで共有できなかったことが原因という人も多いのではないでしょうか。
しかし実は連帯感を生み出すために必要なのはたった1つの言葉なのです。それは「私たち」「僕たち」です。「このプレゼンは絶対に成功する」と言うよりも「私たちのプレゼンは必ず成功する」、「この問題はプロジェクトにどんな影響がある?」と言うよりも「この問題は僕たちにどんな影響がある?」と言う方が、それを言われた側が感じる連帯感は大きくなります。
もちろんこの言葉だけで連帯感を確立することはできないかもしれません。しかし少なくとも「私たち」「僕たち」を口癖にするだけで、チームの連帯感を底上げすることは可能です。
1枚の付箋で自分の要求を通す

マネジメントをする立場にあれば、ちょっとした資料作りや調べ物などよりも、よりクリエイティブな仕事をしなくてはならない場面が多々あります。だからといって「これはリーダーの仕事じゃない。君がやってくれ」などと言ってしまえば、あっという間にリーダーとしての影響力は破綻してしまいます。
自分の頼みごとを円滑に人に頼むときのポイントは相手に「自分が大切にされている」と思ってもらうことです。その際に効果的なアイテムが「付箋」。資料にまとめてほしいデータや調べてほしいことリストに1枚だけを付箋を貼り、「いつもありがとう。本当に助かってます。○○より」とコメント+署名を添えるだけです。
ある調査では付箋をつけずに渡したアンケートの回答率が35%だったのに対し、付箋を付けると75%以上の回答率になったのだとか。ここに「ありがとう」と「署名」を付け加えると、アンケート内容は詳細かつ分量も多くなり、期限内の回答者も増加したのだそうです。
人は付箋に手書きのメッセージと相手の名前が書かれているだけで「自分は大切にされている」と感じ、要求に答えてしまう生き物なのです。
相手が一番大切にしていることを知る

「自分は大切にされている」と感じてもらうためにもっと効果的な方法があります。それは「相手が一番大切にしていることを、大切にする」ことです。しかし一番大切にしていることを相手から聞き出すのは、よほど親しい関係でなければ難しいように思えます。
ところがたった1つの質問でこれを聞き出す方法があるのです。その質問とは「自分の墓石に何か書くとしたら、どんな言葉を書く?」というもの。日本ではあまり墓碑を刻むのは一般的ではありませんが、「アメリカのドラマとかでさ、墓石に言葉を書くだろ?」という前置きを入れれば自然にこの質問ができるでしょう。
もともとこの質問は自分自身が人生で一番何を大切にしているのか、その大切にしているものと現状がどれだけ離れているのかを知るための心理セラピーの一種です。これを他者に応用することで、相手の最も重要視する価値観を聞き出すことができるのです。
あとは相手の価値観を尊重する言葉を日常的にかけるだけ。例えば相手が「誰からも頼られた男」と墓碑に刻むと答えれば、何か頼みごとを引き受けてくれるたびに「本当に頼りになるな、君は」と言ってあげます。何よりも大事にしているポイントで褒められれば、「この人は自分を大切にしてくれている」と実感してくれるはずです。
ただし墓碑の質問をしたことを覚えているうちにその内容を使うとあざとくなってしまうので、相手が墓碑の話題を忘れた頃に使うようにしましょう。
影響力は「みんなで楽しく働く」ためのもの
大きな声で怒鳴ったり、ガミガミと説教をすることでチームビルディングをしようとする人もいますが、それではそのリーダーのチームでの影響力は日に日に衰えていきます。
ここで見たように本当の影響力とは、自分もメンバーも気持ち良く働くためのものです。転職サイトで「リーダー経験必須」の文字を見ても自信を持ってその企業に応募できるように、リーダーとしての正しい影響力を身につけましょう。
参考文献『影響力の心理』
