話題を生み、結果を残すPR企画をつくるには?
スタートアップやベンチャー企業において、成功のための重要なファクターである広報活動。様々な企業やサービスが乱立する現代社会で、いかに効率良く情報やイメージを伝播させるかによって、市場で生き残れるか否かが決定すると言っても過言ではないでしょう。
今回は、そんなベンチャー企業のPR企画成功事例を7つお届けしていきます。広報担当者の方は、ぜひアイデアのヒントとして参考にしてみてくださいね。
1. ウェディングパーク
「涙活」とのコラボレーションイベント(2015年6月)

出典:http://www.weddingpark.net/diary/314/
年に数回読者を招待したイベントイベントを結婚式場で開催しているウェディングパーク社。中でも、「涙活」とコラボレーションした「泣けるジューンブライド」イベントは特に好評だったそうです。
このイベントは企画立案からコラボ先への提案、イベント運用、プレスリリース配信までを同社のコーポレートコミュニケーション室が担当し、テレビ3本、ヤフーニュース4本、ウェブメディア約50本に取り上げられ、大きな話題となりました。
担当者によると、トレンドや季節ネタ、面白い「画」が撮れるイベントになるよう意識し、メッセージやストーリーが世の中に伝わりやすいように工夫した結果、「涙活」という意外性のある切り口がテレビ取材などにつながったと言います。
2. エニタイムズ
世田谷おしごとづくりファーム(2015年9月26日〜)

出典:https://anytimes.co.jp/town/setagaya
家事代行サービスを運営するエニタイムズ社は、IID世田谷ものづくり学校とのコラボレーションで、参加者がお互いのスキルを教え合い、伝え合うプラットフォーム「世田谷おしごとづくりファーム」を運営しています。
同社では宣伝の際、関係性のあるメディアには電話での説明フォローを行ったり、長期的な視点で紹介してもらうために、何かニュースとして取り上げられそうな時に優先的に紹介を行っているそうです。
またこの企画は行政からも注目を集めており、「同様の取り組みを一緒にできないか」という問い合わせにもつながるなどの成果もあげています。
3. オウチーノ
オウチーノダンスコンテスト(2014年11月4日)

出典:http://www.o-uccino.jp/campaign/dance/result/
マンション・一戸建て等の住宅・不動産関連ポータルサイトや全国の医療施設検索・口コミを閲覧できる医療系ポータルサイトを企画・運営するオウチーノ社。同社ではPR企画としてダンスコンテストを開催しました。
本企画はオウチーノソングに合わせてダンスを踊る動画を募集し、優勝者には賞金と同社のテレビCM出演権を贈呈するというもので、当初プレス発表のタレントを誰にするかで苦労していたそうです。
「オウチーノらしさ」を追求して社員からタレントを募った結果、当時まだ認知度の低かった「日本エレキテル連合」が選ばれ、これが大ヒット。新語・流行語大賞候補として話題を集めたタイミングも重なり、数多くのメディアに取り上げられました。
4. クラウドワークス
STOP痴漢バッジプロジェクト(2015年11月11日〜2016年2月3日)

出典:http://scb.jpn.org/
日本最大級のクラウドソーシングサイトを運営するクラウドワークス社では、痴漢被害者の高校生と母親が考案した「痴漢抑止バッジ」のデザインを自社サイトにて公募し、クラウドファウンディングで支援者を募るプロジェクトを実施しました。
PR効果を最大化するため、記者発表の際には考案者の思いを最大限伝えることに注力し、掲載記事の反響からデザイン募集開始を早めるなどの緊急対応もしたそうです。
結果として、個人のアイデアを共感によって社会に広めることに成功し、掲載記事は18000ものシェアを獲得、ヤフートピックスにも掲載され広告換算額は3億円を超えました。
5. アソビュー
「自治体×ITベンチャー企業」のオリジナル企画(2015年8月8日)

出典:http://www.asoview.com/
レジャー・体験・遊びの予約サイトを運営するアソビュー社では、地方創生に向けたベンチャー企業各社と自治体との取り組みを時代背景とともにまとめてメディアに提案したところ、共同通信社から配信され、その企画書が全国20社以上の新聞紙面に掲載されました。
本企画は「地方での交流人口の増加・定住へのきっかけづくり・雇用創出」というソフト面の発展に貢献するサービスが持続的な地域活性への足がかりとして注目されているという切り口になっています。
広報担当者は「無名ベンチャー企業のプレスリリースが記事化されるためには、世の中の時流をつかみ、記者目線に立った報道価値のあるストーリーを提案することが重要」とPRで成果をあげるためのポイントを述べています。
6. メドピア
グローバルカンファレンス「Health2.0」(2015年9月〜11月)

出典:https://health2.medpeer.co.jp/
医療コンサルタント事業を展開するメドピア社は、米国のヘルステックのグローバルカンファレンス「Health2.0」を日本に誘致しました。
広報活動のゴールをイベントへの集客および「Health2.0」「ヘルステック」の認知向上とし、カンファレンス開催中にFacebookページから配信した実況レポートで合計16000以上ものリーチを集めました。
ヘルステックは日本ではまだ認知度が低いにも関わらず、イベント当日の来場者数は540名を超え、メディアパートナー21媒体のほか、日経新聞、朝日新聞、NHKなど44媒体が参加。結果22の媒体で30以上の記事掲載につながったとのことです。
7. リノベる
IoTショールーム、スマートハウス事業広報(2015年9月)

出典:https://www.renoveru.jp/
管理状態のよいお得な中古住宅・マンションを購入し、自分好みの間取りや内装デザインに作りかえる「リノベーション」の専門サービスを運営するリノベる社では、新規事業であるスマートハウス事業の立ち上げと、IoTショールーム「コネクトリーラボ」オープンの露出拡大を目指し、2つのトピックスを連携させた広報活動を行いました。
ポイントは広報目線で最大限のパブリシティの獲得ができるように企画・構成からPR担当者が関わったことと、新規事業に関する発表の期待感をつくるために、小さいIT関連のニュースをイベント開催3カ月前から出し始めたことです。
結果、ウェブ媒体への掲載数は約2倍まで伸び、Facebookでの拡散数が998、Twitterシェア数は178を記録。イベント終了後3カ月間、取材・問い合わせが続き、二次的なパブリシティの獲得につながったそうです。
