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質疑応答でモヤモヤしたことないですか?
近年、増えているプレゼン形式のイベント。参加すると刺激がもらえるものばかりなのですが、講演会に参加するたびに、どうしても気になることがあります。
それは観客の質疑応答タイム。講演を聞いて、気持ちが大きくなるためなのか、質問より自己主張が目立つケースも見られます。
かつてnanapiの代表である古川健介さんは、「質疑応答は事前に紙に書いたほうが日本人にあっている」という旨のコメントをされていましたが、質疑応答の場で、参加者の自己主張に不快な思いをしないために、そろそろ講演会での質疑応答のルールを決める提案をしたいと思います。
質疑応答のルールその1. 挨拶や感想は禁止

質疑応答の時間はだいたい講演の最後にやってきます。講演が延びて、質疑応答の時間は、わずかしか残されていないということも珍しくありません。
残り時間が少ないと伝えても、質問者の口から出てくるのは「◯◯申します。貴重な講演ありがとうございました」という定番の挨拶。
質問者が変わるたびに毎回同じ言葉から始まるので、質問の順番待ちをしている時に、つい苛立ってしまった経験はありませんか?
「自己紹介と挨拶さえなければ、聞きたいことが聞けたのに」と、悔しい想いをしているかたも会場のどこかにいるかもしれません。これからは、挨拶や感想は禁止で統一しませんか。
質疑応答のルールその2. 質問は1人1つ、なるべく短く

マイクを持つと気持ちが高鳴って、余計なことを話してしまいがちです。基本的には質問は1つなのですが、「まず、次に、そして…」などと接続詞を使った長い文章を作り、複数の質問をしてしまう人も中にはいます。
さらにひどい場合は、登壇者の回答をもらった後、畳みかけるように質問攻勢を仕掛けたり、会が終わった後も、登壇者を楽屋まで追い掛け回すという非常識な質問者に遭遇することもあります。
会の最後に行われる質疑応答は限られた時間しかありません。順番を待っている参加者の気持ちを考えて、質問は1人1つ、なるべく短くで、統一しませんか。
質疑応答のルールその3. アナタの見解はどうでもいい

質問者の中には自分の意見や主張をぶつけて、登壇者を戸惑わせてしまう人もいますよね。「◯◯だと思いますが、そのあたりはいかがでしょう?」という形式で終わることの多い自己主張系の質問。
だれもあなたの見解や、意見を聞きにきている訳ではありません。前段階の説明は全部カットして質問事項のみ、投げかけてください。情報が足りずにもう少し必要な場合は、登壇者が聞きますので、その場合には「最低限の前提条件のみ」返答しましょう。
実際、阿川佐和子さんも、「インタビューをするうえで一番大切なのは、自分の意見を伝えようという欲を捨てて、ただひたすら親身になって話を聞くこと」だとコメントしていました。
質問をするときは、自分の見解や意見を述べるのは止めて、質問部分のみを伝えるで、統一しませんか。
質疑応答のルールその4. 自己PRは一切禁止

質問者の中には、よほど負けず嫌いなのか、質問の時間に自分の実績をぶつけて、スピーカーを戸惑わせてしまう人もいます。「私は、◯◯をやってきたんですけど…」から始まることが自己PR系の質問。
ひどいものだと、誰もわからない専門用語を交えて質問し、戸惑わせるマナーの悪い方もいます。優秀なあなたの能力や実績をアピールしたい気持ちはわかりますが、会場にあなたの実績を聞きに来ている方は誰もいません。質問する際に、自己PRは一切禁止で統一しませんか。
質疑応答のルールその5. 終わった後の名刺交換の列禁止

質問者たちの積極性は留まるところを知りません。講演会が終わったら、意識の高い参加者の皆様は、盛大な名刺交換会を始めます。
浅い共通点を見つけて喜んでみたり、「今度食事でもいかがでしょう?」と、実現しない約束をしてみたり、その演技力たるや見事なもの。
そして、もし有名人が講演を聞きにきていたら、それはもう大変です。会を終えた途端、有名人と名刺交換をしたい人たちの大行列がすぐにできるでしょう。
名刺交換だけならまだいいですが、「写真撮影してもらってもいいですか?」「私もお願いします」などといったやりとりが始まり、「すぐに会場を出てください」という退出のアナウンスが聞こえないほど盛り上がること必至です。
最終的に何の講演だったか忘れてしまうくらい盛り上がる名刺交換。講演会がメインだということを、改めて認識するために、思い切って名刺交換の列は廃止で統一しませんか。
みんなでいいイベントをつくろう
SNSで簡単に告知ができるようになったので、近年、講演会やセミナーに参加して、登壇者として話をしたり、お客さんとして見学する機会が増えている方も多いと思います。
登壇者はもちろんですが、質問者もモラルと常識を持って、一緒にいいイベントを作り上げていくという姿勢が不可欠ですが、最後の質疑応答の時間で残念な気分になることが多いため、あえて断定的に提案させていただきました。これをキッカケに質疑応答のルールについて話題にする人が増えると嬉しいです。
[文・編集] サムライト編集部