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幹事はチャンス
歓送迎会や仕事の打ち上げ、はたまた先輩に頼まれた合コンなどサラリーマンは仕事だけでなく飲み会の幹事でも忙しいもの。「はあ、面倒だなあ」と思う人も多いでしょう。
しかし飲み会の幹事が回ってきたら、社内での評価を高めるチャンスです。なぜなら幹事の仕事には日程調整や店選びなどの段取り、参加者への配慮など普段の仕事でも必要な能力が求められるから。
今それらができない人も、この記事を読んでワンランク上の幹事を目指しましょう。
1. 飲み会にも「コンセプト」が重要

プロジェクトや商品開発にコンセプトが必要なように、飲み会にもコンセプトが不可欠です。例えば送迎会なら新しく迎えられる人が笑って去っていくのか、感動で泣いて去っていくのか。
プロジェクトの祝勝会なのであれば誰を主役に立てるのか、一番重視すべき人物は誰なのか(部長?課長?それとも新入社員?)ということを、事前に決めておくのです。
会場選びに会費の設定、余興の有無や誰に余興をしてもらうのか、あるいは日程調整の際に誰の都合を一番に優先させるのかなど、飲み会の始まりから終わりに至るまで、このコンセプトによって決められます。「何をする飲み会なのか」をよく考えて、まずはコンセプトの決定をしましょう。
2. 備えあれば憂いなし
飲み会幹事としての準備は数多くありますが、以下で述べるポイントは決して外してはいけません。
・無料の日程調整ツールを把握しておく
飲み会で最も難しいのが日程調整。声をかける人全員が全く同じ日が空いている場合を除いては、「誰の予定を優先するか」という問題に必ず直面します。
そのときにできるだけ手早く効率的に日程を調整するためにも無料ツールの活用は必ず押さえておきたいところ。リクルートが提供する調整さんや、伝助がおすすめです。
男性と女性の比率はどれくらいかを把握する
男性ばかりの飲み会、女性ばかりの飲み会、男女比が同じくらいの飲み会、それぞれに応じてするべき配慮が変わってきます。
特に女性のいる飲み会の場合はお手洗いや座敷席かテーブル席かなどへの心遣いが必要です。自分がどこまでするべきなのかを知るためにも男女比の把握は必須です。
・声をかける人数が何人になるのかを把握する
人数がわからなければ会場の想定ができません。会場選びはもちろん日程が決まってからですが、ある程度「この人数なら会場規模はこれくらい」という想定をしておいた方が後の流れがスムーズになります。
・過去の大きな飲み会などのデータを収集しておく
「これまではどうやってきたのか」という情報は仕事でも大事ですが、飲み会でも大事です。雰囲気や場所、料理のほか、「酔うと暴れる」などの情報も飲み会のマネジメントには大切な情報です。
3. 気配り目配り心配りを忘れない

幹事がするべき仕事は数多くあれど、なにより大切なのは「気配り目配り心配り」です。場を仕切ったり、盛り上げたりするのも重要ですが、それもこの「3つの配り」ができてこそのもの。
とはいえ参加者が多くなるほど全員への配慮は行き届かなくなるものです。そこでまだ慣れないうちは次の4者への配慮を意識するようにしましょう。
・上司
あなたが幹事の仕事を通じて社内での評価を上げたいのであれば上司への配慮は忘れてはいけません。特に会計時に多めに出してもらった場合などには細心の注意が必要です。
・女性
「お手洗いは男女別」「座敷席かテーブル席かは要事前連絡」「清潔感のあるお店がマスト」など女性への配慮は欠かせません。お手洗いからでて男性社員と鉢合わせしたり、予期せぬ座敷席でスカートの裾が気になって楽しめなかったりということがないように注意する必要があります。
・嫌煙者
喫煙者と嫌煙者はまさに水と油。事前に席が近くならないように席次などにも調整が必要です。双方が同僚であればまだしも、上下関係があるような場合はお互いに気まずい思いをしかねません。
・お酒が飲めない人
いくらお酒のメニューが充実していても飲めない人にとってはまるでメリットがありません。ソフトドリンクの飲み放題があるような会場選びが必要になります。
4. ここまでできれば日程調整も難しくない
コンセプトを決め、準備や「気配り目配り心配り」の心構えをぬかりなくやっていればいわゆる「山場」である日程調整も難しくはありません。
主役や上司といった優先順位もはっきりと決定しており、それ以外の人との調整のためのツールも用意できているからです。
ここで新たに注意をするべきなのは日程調整の「期間」。あまりに長い期間を設けると最後の人の予定が確認できた頃には、早くに予定を提出してくれていた人の予定が埋まっている……なんてグダグダの事態になりかねません。
手順としては、「優先順位の高い人に候補日を複数ヒアリング→それをもとに提出期限を3日間程度に絞って参加者に通達」というのがベストです。手早くスケジュール調整をする。まさにデキる人のなせる技です。
5. 当日の采配が「腕」の見せどころ

日程調整が終わり、「気配り目配り心配り」で見たことを基準にお店を決めたら、いよいよ本番です。当日に幹事がすべきことは以下の通り。
・幹事の挨拶で場を温める
もちろん飲み会のコンセプトにもよりますが、「それでは……解散!」「いやはや宴もたけなわ…」など使い古されたものでもいいのでわかりやすいボケをかますのが一般的です。「あ、幹事が場を温めようとしている」と参加者に理解してもらうのが大切です。
・常に「気配り目配り心配り」を忘れない
いくら準備をしていても、当日になっての不測の事態は必ず起こり得ます。日中の仕事がうまくいかなくて落ち込んでいる人や、なんだかお酒が進んでいない人などへは積極的な配慮が必要です。
宴会の場では一人が盛り下がるとなんとなく場がしらけてしまうもの。幹事は会を楽しむというよりは、会が盛り上がるのを楽しむ意識でいましょう。
・酔った人の介抱
ついつい酔いすぎた人には適切な対処を。男性には男性、女性には女性というふうに同性の介抱が健全な場の空気を保つには必須の配慮です。
・二次会誘導への時間配分
意外と難しいのが二次会への誘導。注文したコースのラストオーダーになるくらいには出欠をとりはじめ、閉会の挨拶の時にはお店まで決まっている必要があります。酔いすぎて動けない人への対処や、泥酔しているのにもかかわらず「二次会に行く!」と言い張る人への対処はあらかじめ考えておく必要があります。
6. 気持ちよく終わるための金銭管理
お金の管理は気持ちのいい飲み会にするために必要不可欠な要素です。一次会の会費はかならずお店に入る前、あるいは席に着く前に徴収しておくこと。
ここを明確にしておかないと、後で「誰が払っていて、誰が払ったか」がうやむやになってモヤモヤが残ってしまいます。あらかじめ出欠確認の用紙に支払い確認のチェック欄も作っておき、きっちりと管理するようにしましょう。
二次会の会計などで上司に支払いを打診する場合は、必ず立場が一番上の人から。その次の立場の人には「課長からはいくら頂いたのですが…」と断りを入れて回るようにします。
7. 日頃のリサーチも効いてくると心得る
デキるサラリーマンは飲み会に使えそうな店を見つけたら、下見をしておいたり、ランチ営業などを利用して、トイレの環境やテーブルや座敷の有無、食事の質やサービスなどを日常的にチェックしているのだとか。
いくらインターネットを駆使して探していても、細かな部分は行ってみないとわかりません。日頃から有事の際の準備を怠らない。これも名幹事になるためのコツです。
こうしてみてみるとなかなかに大変そうですね。しかし初めから完璧にできる幹事というのも稀です。初めての、あるいは不慣れな幹事に意気込む気持ちも大切ですが、だからと言って会の最中終始しかめっ面をしていては本末転倒です。
飲み会でのハプニングや失敗も、仕事でのトラブルと同じで「次に活かす」というマインドが大事。「幹事を楽しむ」という意識で、取り組んでみてください。
