2015年成功したクラウドファウンディング成功事例10選

クラウドファウンティングとは?

現在、世界中で注目を集めているクラウドファウンティングですが、そもそもどういった場面で活用するのでしょうか?そもそもクラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。クリエイターや起業家が製品・サービスの開発、もしくはアイデアの実現などのために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ることが主な目的としてあります。

クラウドファウンティングを上手く活用することで、製品やサービスの開発に必要な資金調達ができるだけでなく、自社の製品をより多くの人へ認知してもらうことが可能となるのです。これが起業者のメリットとすると、支援者にとっては、今後成長していく可能性がある製品やサービスにインターネットから気軽に寄付や出資ができる点や、支援額に応じたリターンを得られることが大きなメリットになります。それでは、2015年に成功したクラウドファウンティングの事例を見て、実際にどういった活用方法があるのか見ていきましょう。

2015年に成功したクラウドファウンティング事例10選

1. 耳に付けられる新型トランシーバー「BONX」

出典:BONX

出典:BONX

「BONX」は、Bluetoothイヤフォンと専用のスマートフォンアプリから構成されるグループ通話システムです。携帯電波のデータ通信を使って音声をやりとりするため、混信の心配は無用。それに加えて、お互いの距離は関係なく、最大10人との同時通話が可能です。

さらに、激しい運動やアウトドアにもにも耐えるようにタフな構造になっています。イヤフォンは水や衝撃に強くなっており、この独自のプロダクトデザインは、激しく転んでも耳から離れないうえにずっと着けていても痛くなりません。

<クラウドファウンティング活用内容>
「BONX」は、日本発のグローバルギア開発を目指すハードウェアスタートアップ、チケイ株式会社の第1弾プロダクトです。クラウドファウンティングの活用により、「BONX」をいち早く使ってフィードバックをして下さる支援者を募集したところ、2015年の10月21日時点で780万円の支援を達成し、サポーターは480人を突破しました。立ち上がりから5日で750万円を突破したのは、日本国内のIoTハードウェア分野においての最速ペースとなっています。

2. 自転車の進行方向をシグナルで知らせるグローブ「Zackees Turn Signal Gloves」

出典:ZACKEES

「Zackees Turn Signal Gloves」は、混雑する危険な路上において、自転車に乗る人の進行ルートをライトの点滅で周囲に知らせるシグナルグローブです。グローブの親指と人差し指の部分に、起動スイッチの役割になっている特殊なセンサーと金属プレートが設置されています。親指を曲げてプレートをクリックするとライトセンサーが起動するので、左折したいときは左手のライトを、右折したいときには右手のライトを作動させ、車のドライバーの目に留まるようにするのです。

<クラウドファウンティング活用内容>
クラウドファンディングで出資を募り、目標額に達したアイデアが次々と製品化されているKickstarterが資金調達に成功し、「Zackees Turn Signal Gloves」の製品化にまで至りました。

3. 満月そっくりの神秘的ランプ 「Luna Lamp」

出典:LUNA

一家に一つ、月が手に入る時代がきました。「Luna Lamp」は、グラスファイバーと無害性のゴム素材を使用し、耐衝撃性などに優れた満月にそっくりなランプです。どこに置いても目を引く素敵な球形ランプは、サイズも何通かあり、それぞれインテリアに合わせて選ぶことができます。輝度も5段階に調節が可能で、家の暗い場所も「月明かり」が照らしてくれます。

<クラウドファウンティング活用内容>
「Luna Lamp」は、4名で構成している台湾のチームAcorn Studioが企画したプロダクトです。その資金調達のためにクラウドファウンティングを活用したところ、まだ期限まで1週間を残しながら目標額の16倍を超える資金を得ることに成功したのです。

4. 世界で最も先進的な睡眠時のパートナー「neuro:on」

出典:rakunew

「neuro:on」 は、睡眠と休息の管理を行うアイマスクです。起床時の爽快な目覚めと、日中のくつろいだ気分を味わうことができます。搭載されているライトセラピーを用いることで、人工的な夜明けの演出を行うことができ、より自然な睡眠の環境を作ってくれます。さらに、脳波・眼球運動・筋肉の緊張・心拍数・血液循環の監視を業務用機器レベルの正確さで行うこともできるのです。

<クラウドファウンティング活用内容>
この「neuro:on」は、アメリカのクラウドファンディング最大手kickstarterで43万ドル(日本円で約5,200万円)以上の出資を受けることに成功し、商品化を実現したプロダクトなのです。

5. 子供の眠りをモニター&サポートする「REMI」

出典:INDIEGOGO

「REMI」は、子供の眠りのパターンを追跡して学習し、親のモバイル端末にアラートを送ってくれるツールです。子供の就寝や起床をサポートしてくれるうえに、それぞれの子供に合わせてカスタマイズ設定ができます。アプリを用いて「REMI」を操作することで、子供が好きな音楽が流せるので、子守唄代わりにもなるのです。追跡機能により、子供睡眠状況のデータを集積することで、どの時間に1番よく眠っているのか、何時に目を覚ましているのかなどを把握することも可能となっています。

<クラウドファウンティング活用内容>
「REMI」は、クラウドファウンティングINDIEGOGOで出資を受け付け、11日間で目標金額を大きく上回る成果を上げることに成功したプロダクトです。

6. 電池切れの心配なし!体温で発電できるエコな懐中電灯「Lumen」

出典:KICKSTARTER

停電や災害において真っ暗な環境に立たされた時、「懐中電灯がない」「スマホの充電がない」といった非常事態に陥ることがあるかもしれません。そういった場面で活躍するのが、電池切れの心配がない懐中電灯「Lumen」です。この製品は体温で点灯する仕組みで、電池を入れる必要は一切なく、永続使用ができるスグレモノなのです。今や、地震や水害といった自然災害が多い時代。「Lumen」のような防災商品を常時身に付けていることで、必ず非常事態から脱却する道標となってくれるでしょう。

<クラウドファウンティング活用内容>
クラウドファンディングサービスKickstarterで支援を募集し、支援受付期間が2015年11月14日までの中、10月23日時点ですでに目標金額5000ドル(日本円で約62万ドル)の10倍を優に超える約6万7000ドル(日本円で約827万円)の資金を集めています。

7. 目で通知してくれるフクロウ型監視カメラ「Ulo」

出典:KICKSTARTER

「Ulo」は、あまりのキュートさに目がくぎ付けになってしまいそうですが、多機能で優秀なフクロウ型の家庭用監視カメラです。2つある目が丸いLCDで作られており、ここに表示する目の形で様々な情報を伝えます。くちばしはマジックミラーで作られ、その内部にカメラが隠されているのです。監視中に動きを検出すると、撮影した様子をGIFアニメーションに変換し、メールで送信して警告してくれるという仕組みになっています。それに加えて、マイクも備えているので音も聞くことも可能です。

<クラウドファウンティング活用内容>
クラウドファウンティングサービス「Kickstarter」で12月4日まで支援を受付けており、目標金額の19万9000ユーロ(日本円で約2628万円)に対し、2015年の10月6日時点で約7000ユーロ(日本円で約92万円)と、順調に資金を集めています。

8. 型破りな電子楽器デジタルハンドパン「Oval」

出典:rakunew

これまでにない新しい楽器で音楽を作りたいと考える人には、世界初のデジタル・ハンドパン「Oval」がオススメです。ハンドパンとは、2000 年にスイスで生まれたハングドラム (手で叩く太鼓) 「the hang」 が原型の比較的新しい楽器です。スマートフォンやタブレットと接続しながら、想像しうる限りどんな音でも演奏でき、限界のないサウンドを生み出すことが可能です。また、他のオンラインコミュニティのユーザーと、作曲した作品を共有出来るツールでもあるので、仲間たちと新しく、オリジナリティー溢れる楽曲を楽しみながら作っていくことができます。

<クラウドファウンティング活用内容>
「Oval」は、スタジオを仕事場にするプロからアマチュアの作曲家にいたるまで幅広く支援され、総額163,000ドル(日本円で約2,200万円)の資金調達に成功し、音楽の新たな側面を見出しています。

9. 渋谷・道玄坂に時間無制限の日本酒飲み放題店「KURAND SAKE MARKET」ついにオープン!

出典:KURAND

出典:KURAND

「日本酒をもっと楽しく、自由に」をコンセプトに、国内各地の蔵元が造る日本酒100種類以上を時間無制限で提供する「KURAND SAKE MARKET(クランドサケマーケット)」が、西池袋、浅草に続いて渋谷・道玄坂に3号店が12月1日ついにオープンします。スタンディングで50席ほどを用意する予定で、日本酒を自由に冷蔵庫から取り出して好きな量をグラスに注いで飲むセルフスタイルになり、料理やつまみの持ち込みも自由です。利用料は3,240円で、時間無制限となっています。

<クラウドファウンティング活用内容>
「KURAND SAKE MARKET」は現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」で支援を募っています。池袋店オープン時にも同サイトを活用しており、飲食店が同サイトを活用する事例が少ないことなどから、情報拡散にも期待が大きいです。支援者には、オープニング期間の招待や石川・数馬酒造との共同企画商品「KAZMA」の進呈などのリターンを用意しています。目標金額60万円に対し、11月10日時点で既に292人から183万1,500円の支援が集まっており、目標金額の60万を優に超える結果となっています。

10. 蔵書は3,000タイトル!お酒を飲みながら漫画について語り合う、マンガサロン「トリガー」

出典:マンガサロン『トリガー』

マンガサロン「トリガー」は、“食事ができて、お酒が飲めて、読書しながら楽しめる空間”です。一人で楽しむことも、お客同士でも楽しく話し合うこともでき、既存のマンガ喫茶と一味違うスタイルとなっています。通常のマンガ喫茶などでは1タイトル全巻を揃えていますが、同店にある蔵書は、特に心を打ち抜くシーンなどが描かれた巻数をピックアップしたマンガを3,000タイトル以上取り揃えているのです。マンガ喫茶には絶対に置いていない様なコアでディープな作品も沢山揃っているので、マンが通なお客にはたまらない空間ですね。

<クラウドファウンティング活用内容>
「トリガー」は、店をオープンする際、マンガ好きが集まる場所を作りたいと考えていました。そして、マンが好きの人たちと一緒に夢の場所を作っていいくために、クラウドファウンティングを活用したプロダクトをスタートさせたのです。何故なら、これが成立しない程度のニーズではオープンしても意味がないからです。結果としては、目標金額800万円を大き飛び越えて12,638,000円の資金調達に成功し、多くのマンが好きの仲間に支援してもらいながら店をオープンすることができました。

Career Supli
クラウドファンディングは、まだまだこれからも伸びていく市場であり、世界では今でも様々なプロダクトがスタートしています。紹介した事例のように、近未来のアイテム開発や、店舗のオープンに必要な資金を調達するなど、特定のジャンルに特化したり、明確なコンセプトを設定することで、そこに関心があるユーザーから多くの支援を受けることができます。もし今の時点で何か果たしたい目的があるならば、クラウドファウンティングを取り入れたプロジェクトを起案してみてはいかがでしょうか?
[文・編集] サムライト編集部