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ボディビルダー並みの肉体美を持つリオ五輪金メダリスト・内村航平
リオデジャネイロ五輪で団体総合・個人総合で金メダルを獲得した、日本体操界の絶対的エースである内村航平選手。
あらゆるスポーツ競技の中でも、体操選手は特筆してボディビルダーのような美しい筋肉を作り上げていますが、内村選手いわく「特別な筋トレはしていない」と言います。
誰もがあの肉体に見惚れ、「自分も手に入れたい!」と憧れを抱くところですが、筋トレせずに一体どのようにしてあの美ボディにまで仕上げているのでしょうか?
そこで今回は、内村選手が行っている「特異性の原則」という理論に基づいたトレーニング方法を解説します。
内村航平が筋トレをしないワケ
内村選手の美しい演技は、世界中の選手やメディアから喝采を浴びるほど認められ、隆々とした筋肉には日本中の女性の目が釘付けにされています。
あれだけたくましい肉体にはどれだけのトレーニングをすれば辿り着くのだろう・・・と考えただけで身震いしてしまいますが、冒頭で言ったように、内村選手はほとんど筋トレをすることはありません。
何故なら、“体操競技において不要な筋肉はマイナス”だからです。
では、具体的に説明していきましょう。
種目には、あん馬や吊り輪、鉄棒といった自分の体重を支える演技が多いのが体操の特徴としてありますが、ならば「体重を支えるために筋トレをした方がいいのでは?」と、思ってしまうのが普通です。しかし、それは逆効果。
ほとんどの種目で“手を支点にして体を回転させる”演技が多いため、そこに発生する遠心力に握力で逆らわなければいけません。したがって、もし自重を支えるために筋肉を1kgでも増やそうものなら、これまで同様に自在にコントロールして綺麗な演技に繋げることは難しいでしょう。
しかも、内村選手の握力はなんと35Kg!70代後半男性の平均ほどしかないのです。つまり、体操競技にパワーや握力は関係ないということ。無駄な筋力トレーニングは必要ないのです。
内村航平を作り上げた「特異性の原則」とは
では、筋トレをせずに何故あれだけの肉体美を維持することができるのでしょうか。そこには、「特異性の原則」というトレーニングにおいて最も重視するべき理論が存在するのです。
<特異性の原則>
ある動作を改善したければ、その動作を繰り返し練習するのが効率が良い。または、目的に適したトレーニングを行う。引用元:http://tech-sports.jp/strength-and-conditioning/860.html
つまり、強化したい、あるいは向上させたい能力や筋力に見合ったトレーニング負荷を生体にかける必要性があるということ。その競技のパフォーマンスを向上させるための究極のトレーニングとは、その競技の練習そのものである、ということなのです。
内村選手で言うならば、鉄棒ならば鉄棒の練習を、あん馬ならあん馬の練習をひたすら行うことで、その種目に必要な自重を支えためだけの筋力が自然に身に付いてくるのです。
生体に一定のトレーニング負荷をかけると、生体はそれに見合った適応現象を起こす。
引用元:http://noguchiseys.seesaa.net/article/38962274.html
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、これこそ生物が環境に適応するために進化する過程そのもの。
例えば、水泳選手は小さい頃からずっとプールで泳いでいるので、明らかに常人より水かき部分が発達していますよね?いわば、各プロアスリートたちはその分野に特化した“人類の進化系”と言ってもいいでしょう。
もちろん、個々の身体特性によっては持久力や柔軟性といった弱点があるため、その要素を強化するためのトレーニングを行う必要性はあります。したがって、その競技分析を十分に行ったうえで「特異性の原則」に基づいたプログラムに移行するのが正しいと言えます。
内村航平に近づける!「特異性の原則」に沿ったトレーニング
特異性の原則に則ると結局のところ、「内村選手のような肉体を手に入れるには、体操の練習をしなければいけないのでは」と思ってしまいますが、実はそうではありません。
たしかに内村選手の”運動能力”を手に入れたいのなら体操の練習をしなければいけませんが、肉体美に憧れたのなら、その肉体に近づくために鍛えるべき筋力トレーニングや体脂肪のカットを持続して行うことで、誰でも手に入れることができるのです。
では、少しでも内村選手に近づくために、腕や胸などの各部位を鍛えることに特化した、自宅で簡単にできるトレーニングを「特異性の原則」に沿って動画で紹介します。
自宅で簡単握力トレーニング!前腕を鍛え、太い腕と握力を手に入れよう!
自重で胸と肩のトレーニング。自宅で簡単、大きな胸と肩の筋肉を手に入れろ!
おまけに、ビジネスパーソンの悩みとしてありがちなぽっこりお腹の解消に導く簡単トレーニング動画もどうぞ!
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自分にとって最適なトレーニングを見極める
「特異性の原則」は筋力トレーニングはもちろんですが、ビジネスにも通ずるところがあります。例えば、営業なら毎日繰り返し外を回り、企画なら何度も試行錯誤して作り上げることで、それぞれの仕事の中で成功に導く自分なりの道筋が立てられるようになります。
「特異性の原則」に沿ったプランを考えるならば、まず、今の自分にとって今後目指すべき目的はなんなのかをハッキリと見極めてから、そこに向かうまでに何が最適な方法であり、要領の得たトレーニングメニューなのかを選択してください。
その正しい選定こそが、遠回りをせずに“最短距離”でゴールへ向かう滑走路となるのですから。
