価値観を見直すならいま!30代が考えておきたい、3つの「価値」

人生観・仕事観と向き合うならwithコロナのいまがチャンス

30代はキャリアにおける大きな岐路に立っています。これまでの経験と努力が実を結び、できることややりたことの幅が広がってくるタイミングだからです。一方で、仕事が忙しくなり、人生観や仕事観と向き合う時間がとれない時期でもあります。

しかし将来をより充実させたいと考えるのなら、忙しさを言い訳にせず人生観や仕事観を深める時間をもちたいところです。なぜなら生き方・働き方のコンセプトが固まっているかどうかが、体力や成長速度が鈍化する40代以降の人生を充実させられるかどうかの鍵になるからです。

新型コロナウイルスの蔓延による自粛ムードは世の中に大きな影響を与えていますが、リモートワークで通勤時間がなくなったり、そもそも仕事量が減ったりと、人生観や仕事観と向き合うという意味ではむしろチャンス。このチャンスを利用して、30代が見つめ直すべき3つの「価値」について考えてみましょう。

1.衣・食・住の価値

新型コロナウイルスが世の中に蔓延してから、自分の衣食住が変わったと感じている人は多いのではないでしょうか。

●衣生活の基準は「誰かのため」から「自分のため」へ

家にいる時間が長くなり、衣服を選ぶ基準は「誰かに見せるためのもの」から「自分がより心地よいもの」に大きく変わりました。たとえばいままでは「会社で白い目で見られたくないから」「異性にモテたいから」という理由で服を選び、家の中や休日過ごす服は楽であればなんでもいい、と考えていた人も多いでしょう。

しかし家での時間が長くなれば誰かのための服などどうでもよくなり、「楽だけど、同時に自分の気分が上がる程度のオシャレな服がいい」といった自分中心の価値観に変わってきている人も増えてきているはずです。

●食生活の変化は「いままでの不健康さ」を浮き彫りに

これまではお酒や脂っこいもの、味の濃いものばかりを食べていた人は、自粛生活で自分や家族の作った料理を食べるようになり、これまでの食生活がいかに不健康だったかに気づいているのではないでしょうか。食生活が改善され、体調がよくなっていると感じている人もいるかもしれません。

●住生活の価値は「便利さ」よりも「心地よさ」に

今までは「家は帰って寝るだけの場所」と考えていた人の中には、リモートワークが当たり前になり、自宅の居心地の悪さを痛感している人もいるでしょう。

都心部に住んでいたものの、コロナ禍を機に地方移住やワーケーションをした人が増えていることからも、住生活の価値観が変わってきていることがわかります。

みなさんの衣食住は、コロナを通じてどのように変化したでしょうか。改めて振り返ってみましょう。

2.お金の価値

コロナはお金の価値も大きく変えました。これまでのお金は「あればあるほどいいもの」「ないと困るもの」でした。だからこそ一生懸命働き、時には私生活を犠牲にしてまで仕事に打ち込むことが当たり前だと考えてきた人も多いはずです。

もちろんいまでも、お金はあって困るものではありません。でもSTAY HOME期間中で「あれ?お金ってそんなにたくさんいらないのでは?」と気づいた人もいるのではないでしょうか。

なぜならそもそもお金を使う場面が激減したからです。衣食住の価値観が変わるなかで一時的に消費が増えたことはあっても、「前よりもお金を使うようになった」という人は珍しいでしょう。もしそうなら、景気は悪化していません。

使うお金が減れば、稼ぐお金が減っても生活水準は変わりません。すると「なんでいままであんなに必死になってお金を稼ごうとしていたんだろう?」「なんであんなにストレスを感じてまで、この仕事を続けてきたんだろう?」という話になります。

コロナ禍以降、転職をしたい、独立をしたいと考える人が増えてきているのは、こうしたお金の価値の変化が原因の一つなのかもしれません。みなさんにとってのお金の価値はどう変わってきたのか、考えてみてください。

3.人間関係の価値

コロナ禍を通じて人間関係が変わった、という実感をもっている人は多いでしょう。気軽に飲みに行ったり、遊んだりできなくなって、最初は寂しいと感じたり、不自由を感じたりした人もいるかもしれません。

しかし自粛ムードが続くうちに、「別に会わなくても気にならない人」と「それでもやっぱり会いたい人」がいることに気づいたのではないでしょうか。

ネットやテレビのニュースでは「コロナ破局」というワードも注目を集めました。これは大切だと思っていた恋人が、外出自粛で会わなくなることで「別に会わなくても気にならない人」だと気づいてしまったのが原因です。

「コロナ破局」以外にも「コロナ離婚」「コロナ絶交」といった言葉もあります。コロナ離婚の場合は、一緒にいる時間が長くなることで逆に「この人とはずっと一緒にはいられないんだ」という気づきが生まれ、離婚に至るケースもあるようです。

これらは一見悲しいことのように思えるかもしれません。しかし「別に会わなくても気にならない人」との人間関係がなくなり、「それでもやっぱり会いたい人」としか付き合わなくなれば、確実に人生は豊かになります。

日本を代表する経営コンサルタント大前研一氏は、人が変わるための方法として「付き合う人を変えること」を挙げています。この言葉が正しければ、コロナ禍を通じて自分にとって価値のある人間関係だけに整理していった人は、少なからず人生が変わり始めているはずなのです。

みなさんはコロナを通じて誰が「別に会わなくても気にならない人」で、誰が「それでもやっぱり会いたい人」だと考えるようになったでしょうか。これまで考えたことがなかった人は、この機会に考えてみましょう。

自分にとっての「価値」と向き合う

「新型コロナウイルスはいずれ、インフルエンザのようになる」と言う人もいます。要は「かかると大変だけど、治る病気になる」というわけです。

そうしてwithコロナの時代からafterコロナの時代になったときに、「もう大丈夫だから」と何も考えずに以前の生活に戻ってしまうのだとしたら、それはあまりにもったいないことです。

もちろん以前の生活こそがベストだと考えるのなら、それでも問題はありません。しかし必ずしもそうとは言えないのなら、withコロナのいまのうちにじっくりの自分にとって本当に価値があるものは何かという問いに向き合うことをおすすめします。

なぜなら、コロナ禍が「これまでの価値」の奇妙さを浮き彫りにしてくれているからです。人間は他人の影響を受けやすい生き物です。仮に以前の生活に戻り、他人と接触する時間が長くなれば、現在感じることができている違和感はあっという間にうやむやになってしまうでしょう。

そのような事態に陥らないためにも、いまのうちに人生観や仕事観と向き合う時間を設けましょう。きっとそれが、40代以降の人生を充実させてくれるはずです。

[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部