忙しい毎日、疲れて帰った後にリビングのテレビをつけると海外の華やかな街の風景が……、そんなときふと「旅に出たいなぁ」なんて思ったことありませんか? 本日はそんな観ているとついつい「旅に出たくなる」映画をご紹介いたします。
旅と旅行の違い、受け取り方は人それぞれですが、旅は人を成長させてくれるというもの。ロードムービーの主人公は、様々な人たちとの出会いや経験を得て少しずつ成長をしていきます。ワクワクするような映画を観て旅に出てみませんか?
Contents
- 旅に出たくなる映画15選
- ●旅が人を変える。旅によって後の運命が変わった
- 1.若き日の革命家の冒険譚『モーター・サイクル・ダイアリーズ』
- 2.狂気にまで憧れたアラスカで彼が見たものとは?『イントゥ・ザ・ワイルド』
- 3.運命の出会い『ビフォア・サンライズ恋人までの距離(ディスタンス)』
- ●青春の旅の思い出は永遠
- 4.美しすぎる青春の日々『グッバイ、サマー』
- 5.青春こじらせ系映画といえば『色即ぜねれいしょん』
- 6.青春映画といえば『スタンド・バイ・ミー』
- ●旅は自分を見つめなおすいい機会
- 7.迷える蒼井優、旅に出る『百万円と苦虫女』
- 8.自分を見つめなおそう『私にあうまでの1600キロ』
- 9.『僕たちは世界を変えることができない』
- ●ついつい観たら行きたくなる異国の魅力
- 10.美しいキューバの市街地『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
- 11.北欧に行きたくなる『かもめ食堂』
- ●旅の恥はかき捨てとはよく言ったもの、あるあるの若気の至り
- 12.やりすぎ笑 『ハング・オーバー』
- 13.異国での男女、若気の至り『スパニッシュ・アパートメント』
- ●他にもこんな旅はいかがでしょうか?
- 14.お爺ちゃんの一人旅⁉『ストレイト・ストーリー』
- 15.『八十日間世界一周』
- 旅に出よう!
旅に出たくなる映画15選
●旅が人を変える。旅によって後の運命が変わった
旅先での運命の出会いや経験によってその後の運命が決まった、旅の魔法の一つです。
1.若き日の革命家の冒険譚『モーター・サイクル・ダイアリーズ』

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キューバ革命の英雄と言えば、もちろんエルネスト・チェ・ゲバラを思い浮かぶはずです。歴史が苦手な人でも革命のシンボルとしてTシャツやアートワークに多く使われている世界でも有名な革命家の一人です。
こちらの作品はまだアルゼンチンで医大生をしていたゲバラが友人アルベルト・ゴンザレスとともに南米大陸をバイクで旅をするロードムービーとなります。
途中、愛車であるポデローサ2号は大破してしまうのですが、南米大陸の現状を知り、この旅が彼を革命家へと転身させるのです。荒く言うなら「バイクに2ケツで男二人旅」、こんな青春の旅をしてみたいものです。
2.狂気にまで憧れたアラスカで彼が見たものとは?『イントゥ・ザ・ワイルド』

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裕福な家庭に育ち、優秀な成績を修めた主人公クリスは将来を約束されていた。しかし、なんでもカネでものを言わす両親に嫌気がさし、生活のすべてを(身分証明さえも破り捨て)捨てて「世界の真理」を求めてアラスカへと旅にでます。
これが実話というのは驚きですよね。クリスは旅の道中、ヒッピーや、少女、身寄りのない老人、様々な人たちとふれあい、ようやくたどり着いたアラスカ。果たして彼が見つけたかった「世界の真理」とはなんだったのでしょうか?
北アメリカ大陸を縦断する彼の姿を丁寧に、そして、人種のるつぼと呼ばれる北アメリカ大陸の広大な風景は圧巻です。すべてを捨てて旅にでる、というのはなかなかできることではありませんが、ワイルドに旅に出てみたくなるはずです。
3.運命の出会い『ビフォア・サンライズ恋人までの距離(ディスタンス)』

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ブタペストからパリへ向かう長距離列車の車内で偶然に出会った二人は、意気投合しオーストリア・ウィーンの街を朝までデートします。美しいウィーンの街並みをこの映画で初めて知った人も多いのではないでしょうか。
この映画が好きでカップルで聖地巡礼をしている人も多いようですよ。また、この作品は、ただ二人の男女が歩きながら話すだけ、それだけの話なのですが、この作品の秀逸な点は二人の話す軽快なトークにあります。
脚本力、とはまさにこのことです。無駄な演出のない作品は一見の価値ありです。この作品が好評を博し、シリーズとしてその後の二人を描いた『ビフォア・サンセット』、『ビフォア・ミッドナイト』が製作されました。こちらもぜひチェックしてみてください。
●青春の旅の思い出は永遠
あの時若いからできた冒険、あの頃のことを思い出すと少し恥ずかしいけどキラキラと輝いていたはず。青春の旅の思い出は永遠です。
4.美しすぎる青春の日々『グッバイ、サマー』

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映像美で世界的に有名な映像ディレクター、ミシェル・ゴンドリーの青春時代の自伝的ストーリーそれがこちらの作品となります。学校でも少し浮いた存在の中学生のダニエルは友達もおらず、家族でも理解されない存在。
そんな時、生まれて初めて意気投合できる親友ができます。大人も学校にも嫌気がさした二人は、なんとスクラップを集めて車を作って旅に出るのであった。子供の頃なら感じる大人への反発や偏ったものが好きになりがちな青春の日々、この映画を観ていると、あのころだからできたあんなことを思い出しますよ。
たまには子供の頃に仲が良かった友達に連絡をとってみて、旧交を温める小旅行の計画などをしてみてはいかがでしょうか?
5.青春こじらせ系映画といえば『色即ぜねれいしょん』

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邦画からも紹介します。青春こじらせ系といえば、やはりみうらじゅんですね。こちらの作品はみうらじゅんが原作、監督は田口トモロヲが務めた青春映画となります。グレる理由も親に反抗する理由も見当たらない高校一年生の主人公は「フリーセックス」の島がある、という噂を聞きつけて友人たちと旅にでます。
着いてみると、「フリーセックス」なんてあるわけもなかったのだが……。少年が旅によって少しずつ成長していく姿が丁寧にそしてコミカルに描かれた青春ストーリーです。みうらじゅんはこの手の青春ものを作らせたら天才ですね。
6.青春映画といえば『スタンド・バイ・ミー』

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永遠の青春映画の金字塔といえばやはりこの作品です。スティーブン・キングが原作、若き日のリバー・フェニックスに、誰もが聴いたことがある主題歌、ベン・E・キングの『スタンド・バイ・ミー』。子供の頃はどんなものでも新しく見えて、冒険に出てみたくなりませんでしたか?
少年たちの冒険譚はきっとあなたの旅へ出る意欲が増すはずです。何日も旅に出ることは時間的に難しいかもしれませんが、ふらっとデイトリップで行ったことのないところに行ってみるのも楽しいですよね。意外と自分の住んでいる街で知らない場所も多いはずですよ。
●旅は自分を見つめなおすいい機会
ふらっと旅に出てみると、普段の生活では気づかなかったことが多く見えてくるはず。そんなとき自分を見つめなおすことができるはずです。
7.迷える蒼井優、旅に出る『百万円と苦虫女』

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ひょんなことから前科がついてしまった蒼井優演じる主人公・鈴子は実家でも居場所がなくなり、誰も自分を知らない街へ全国を転々とします。
ルールはひとつ「その街で100万円を貯めたら次の街に引っ越す」ということ。自分探しの旅、と聞くと「あるある」になってしまいますが、鈴子は地元の様々な人とのふれあいにより少しずつ心境が変化していく姿に注目です。やはり旅は人にとってなんらかの影響がある、ということを理解できると思います。
8.自分を見つめなおそう『私にあうまでの1600キロ』

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母親の死をきっかけにクスリと男にのめりこみ結婚生活は破綻、今一度自分の人生を思いなおそうと主人公は旅に出ます。広大な北アメリカ大陸の大自然は時に厳しく彼女へ試練を与えます。
旅を通してさまざまなことを学んだ彼女の旅の終わりには? 果たして何が待っているのでしょうか。それは観てのお楽しみです。自分探しの旅に出る、という言葉はありふれていてチープに聞こえてしまうかもしれませんが、旅は改めて自分を振り返るいい機会になりますよね。
9.『僕たちは世界を変えることができない』

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すごいタイトルですが、ストーリーは心温まるハートフルな内容となっています。主人公の田中甲太は医大生2年、バイトと飲み会の退屈な日々を送っていることを実感していた。
ある日、ボランティア募金のパンフレットみて、150万円を集めればカンボジアに学校が建てられることを発見します。普通の大学生がチャリティーに奮闘する姿を描いています。カンボジアは「恵まれない子供たち」と呼ばれていますが、彼らの笑顔はそんなことを微塵も感じさせない笑顔が印象的です。
アメリカやイギリスなどの先進国への旅ももちろん面白いですが、こういった発展途上国への旅もたくさん学ぶことが出てくるはずです。カンボジアに一度は行ってみたくなりますよ。
●ついつい観たら行きたくなる異国の魅力
異国の魅力が詰まった映画を観れば、きっとあなたはインターネットでその国について調べたくなるはず、そして気づけば旅に出ていた、なんてことも?
10.美しいキューバの市街地『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

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音楽と美しい海に囲まれる南国キューバ。こちらの作品は、伝説となったキューバのサルサ・バンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のドキュメンタリー映画となります。ロードムービーではないのですが、美しいキューバの街並み、陽気なキューバ人、そしてサルサ、この作品にはキューバの魅力がたっぷりと詰まっています。
なかなか行く機会もないかもしれませんが、私がかつて行ったキューバはまさに「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の世界そのものでした。映画を観て、夢の南国キューバへぜひ行ってみてください。
11.北欧に行きたくなる『かもめ食堂』

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もう一つ邦画から。こちらの作品はロードムービーではないですが、フィンランド・ヘルシンキが舞台となります。フィンランドの魅力が詰まっています。昨今の北欧ブーム(家具や食器などのインテリア)の先駆けとなった作品でもあります。
フィンランドで食堂を開いた主人公が日本人や現地のフィンランド人たちとの交流を描くハートフルなゆったりとした作品となります。北欧の文化や習慣の魅力が詰まった作品となります。
●旅の恥はかき捨てとはよく言ったもの、あるあるの若気の至り
旅先では解放感余ってか、ついついやりすぎてしまうことも。若気の至りは誰にでもあるものです。
12.やりすぎ笑 『ハング・オーバー』

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記憶を無くすほど酔いつぶれてしまった(ハングオーバーしてしまった)中年男性たちが酔っぱらっている最中に何が起きたかを紐解いていくというコメディ映画のシリーズになります。
どのシリーズも世界のあちこちでトラブルを起こす彼ら。命の危険にまでさらされるほど酒に溺れてしまうのですが、仲の良い友達たちと結婚式を目的に旅行に出かけ羽目を外す姿は少し羨ましくうつり、自分もやってみたくなるはずです。(さすがに命の危険にさらされるまで羽目を外したくはないですが笑)爆笑必至の痛快コメディです。ぜひご覧になってみてください。
13.異国での男女、若気の至り『スパニッシュ・アパートメント』

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国籍も性別もバラバラの若者7人が暮らすスペインのアパートでの群像劇となります。主人公は母国に恋人を残し、1年間の留学としてこの地を訪れます。若い7人が若さならではの事件や衝突もあり、「若いっていいなあ」と思ってしまいます。
また、多くの国を旅してみるのも面白いですが、文化も習慣も違う一つの国に長期間滞在する、生活をしてみる、ことは経験になりますよね。
●他にもこんな旅はいかがでしょうか?
14.お爺ちゃんの一人旅⁉『ストレイト・ストーリー』

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お爺ちゃんが時速8キロの芝刈り機に乗って350マイルの一人旅に出る映画、と聞くとどう思いますか? 面白そうですよね。なんと実話が元となっています。
年を老いても、なお旅に出ようとする行動力は、若い自分がいかに腰が重いかよくわかります。旅への意欲が湧く平和なロードムービーとなっています。また、公開翌年に主演のリチャード・ファーンズワースは亡くなっています。最後に名作を残したその雄姿をぜひご覧になってください。
15.『八十日間世界一周』

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旅に出る映画の元祖といえば、やはりこの作品ではないでしょうか。旅人のバイブル的な作品です。この作品を観て世界一周の旅にでたファンも多いと聞きます。製作されたのは1956円、原作はなんと今から130年以上前の1872年のフランスの小説となります。
旅程はイギリス→フランス→イタリア→スペイン→エジプト→インド→香港→日本(横浜)→アメリカ→ロンドン、この旅程をわずか八十日間で一周する、という冒険活劇です。日本、横浜も入っている点は嬉しいですよね。誰もが憧れる世界一周の旅、生きてるうちに一度でいいからやってみたいですよね。
旅に出よう!
以上15作品を紹介しました。これらの作品に限らず、旅にはなんらかの影響を与える不思議な魔法があります。映画に影響を受けて自分もなにか行動に出る、というのも映画の魅力の一つ、海外旅行は時間的に難しいという人でも、旅の映画を観て、行ったことがない場所へショートトリップなどをされてみてはいかがでしょうか? 思わぬ発見があるかもしれませんよ。

映画を中心に執筆活動中。得意なジャンルはB級〜Z級映画。勝手にその年の受賞作品を決める「輝け!ぬかデミー賞」を主宰。バンド活動、ウェブメディアの運営やイベント製作など、マルチに活動中。
[編集] サムライト編集部