スマートフォン保有率が7割を超える現在、「文字を手書きする習慣を大切にしたい」と考える人が9割以上(平成26年度「国語に関する世論調査」より)と、手書きの需要が増加しています。
電話を受けた時のメモや書類の記入時、お礼文を綴る時など、字が綺麗だと周囲から一目置かれます。また、「文字(書)は人なり」と言い、文字はその人の人柄や教養を表すものだと言われることをご存知でしょうか。
文字は一生の宝です。意識を変えるだけでも文字は美しく、読みやすく変化します。今回はたった3つの美文字の心得をお届けします。
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【STEP1】美文字の第1歩はしっかりとした線を書くことから
しっかりとした線を引けないと、綺麗な文字にはなりません。まずは線に着目してみましょう。
日本語は漢字・ひらがな・カタカナで表されます。漢字、カタカナは直線的な文字、ひらがなは曲線的な文字なので、直線と曲線を澱みなく引くことができれば、それだけで美文字への第1歩となります。ひょろひょろとした線ではうまく文字を構成していくことが難しいのです。
ですので、文字の練習の前に、まずは線の練習をしましょう。縦線、横線、ぐるぐる(左右どちらのまわり方も)、ギザギザ……。さほど難しくはありません。ここで注意してほしいのは、なめらかに線を引くこと。縦・横の線は、傾かずに真下、真横に引けているかが重要です。いらない紙で構わないので、まずはスムーズに手を動かすウォームアップをしてみましょう。
【STEP2】ひらがなをマスターし、漢字のバランスを学ぼう
日本語の文章は、漢字、ひらがなが大半を占めています。まずはひらがな48字をマスターしましょう。その際、市販の書籍やダウンロード素材などで、お手本を用意しましょう。
まずはお手本を見ず、自分の普段の文字を書いてみましょう。お手本を比べてみて、欠点が見えてくれば、少しずつ直していくのみです。お手本と比べてどうするべきかは次のポイントで詳しく見ていきます。
見るポイントは「交わり方」と「白の部分」
いざ、文字の練習です。まずは道具を準備します。お勧めはえんぴつ(使い慣れたペンでも構いません)と補助線入りの15マスノートに練習を進める方法です。この時、お手本を、書いているすぐ隣においてしっかりと見ながら書き進めていきます。
「これまで書写の時間で、同じような練習を繰り返したのに成果が出なかった……。」そんなあなたは、きっと見る場所を変えるだけで、見違えるほど綺麗な文字を書けるようになりますよ。
まず見るべきところは「線と線の交わるところ」です。交わる位置と角度をしっかりとみて、そっくり同じものを書けるように練習してください。そしてもう1つ、「白の部分」にも意識しましょう。文字の余白部分の形を意識することで、字形を整えやすくなります。
偏(へん)と旁(つくり)のバランス
ひらがなをマスターすれば万事解決!……なんて、そんなに甘くはありません。今度は漢字の字形について触れていきましょう。
漢字の多くは偏と旁で構成されています。バランスの良い文字を書くためには、それぞれの部分が1文字としてしっかりと支え合う必要があります。偏と旁の互いが近付きすぎてしまって窮屈になってもいけないし、離れすぎても1文字として認識しにくくなってしまいます。偏と旁の関係もつかず、離れずの距離を保つことが大切です。
【STEP3】文章を書くときは大きさと中心に注目
漢字、ひらがなとそれぞれのポイントを確認してきました。文字を単体で書くことは日常生活では稀です。ここでは文章として書くときのポイント2つをお伝えします。
まず、文章にしたときに大切にしてほしいのは漢字とひらがなの大きさです。基本的には漢字は大きく、ひらがな・カタカナは小さめに書きましょう。それだけで整って見えます。
そして、2つ目のポイントは行の中心をそろえることです。文字の上下をぴったり揃えるのではなく、中心に揃えることで綺麗にみえてきます。
なるべく漢字は漢字と、ひらがなはひらがなと大きさを揃えると良いです。罫線のある紙に書く場合は、その罫線に下揃えで書いても構いません。中心で合わせるか下揃えにすることで整然とした文字列になっていきます。
ポイントを意識して、常に書き続けることが美文字への第1歩
ここまで3つのポイントを紹介してきましたが、いかがでしょうか。
これまでの人生で自分が培ってきたものが文字に表れます。日常生活で必要な筆記スピードで美しい文字を書くためには、それなりの練習量が必要になってきます。今回紹介した3つのポイントを意識して、常に書き続けましょう。日々の意識から美文字力を鍛えましょう!
