皆さんは「戦略」と聞くとどう思われますか? 仕事や企画を立てる際に必要な「計画」を、いかに正確に行動するかはこの戦略に関わってきます。今回はそんな戦略を学べる映画を15選紹介します!
Contents
☆先人に学ぶ戦略の数々
紀元前のカルタゴの英雄ハンニバル・バルカが大胆に行ったアルプス山脈を越えた奇襲攻撃はいつの時代も語られる戦略として歴史に残っています。まずは、かつて歴史を築いてきた英雄から戦略を学びましょう。
1.『レッドクリフ』

三国志でも最大のハイライトとなる「赤壁の戦い」を舞台としたこちらの作品は、当時では珍しい前後編に分かれた大作となりました。武力ではなく知略によって動かす戦略のキーとなったものは……なんと主人公・諸葛亮孔明の「勘」でした。
表向きには風向きを変えたと言われていますが、実は孔明は事前に風の向きを読み、あたかも自身の力によって風向きを変えたように思わせた千両役者でした。戦局を大きく分けたこの戦略は1800年以上たった現在でも語り草となるほどです。
2.『のぼうの城』

歴史ものをもう一つ。時は群雄割拠の戦国時代、天下人・豊臣秀吉は天下統一を目前とし、関東最大の勢力北条氏の小田原城を攻略していました。
時を同じくして、のぼう様(でくのぼう)と呼ばれ民衆より親われていた成田家当主・成田長親が収める上州忍城にも秀吉の命によって動いた石田三成が忍城の攻略に走っていました。
ところが、勝てるわけのない戦に成田家は宣戦布告、だが彼の圧倒的な民からの人気による士気の高さ、彼を支える参謀による地の利を活かした戦術により、成田家の大勝に終わります。
少し抜けていても憎めない人っていますよね。のぼう様こそ人柄で勝つ、という考えには及ばない戦略を教えてくれます。
☆第二次世界大戦から戦略を学ぶ
我々人類最大の戦争となった第二次世界大戦は数々の戦略によって大きく戦局を左右しました。そんな大戦から生まれた4つの映画から戦略を学びましょう。
3.『史上最大の作戦』

歴史上最大規模と呼ばれる「ノルマンディー上陸作戦」を舞台としたこちらの作品は戦争映画の名作中の名作です。
本編では上陸作戦が実施される前日から時間単位で描かれ、いかにして歴史的な白兵戦が行われたかが緊迫感のあふれる描写によって表現されています。
「上陸する最初の24時間が極めて重要で、その時は連合軍にとっても我々にとっても一番長い日となるだろう」と語られていた通り、第二次世界大戦でも大きなハイライトとなった「史上最大の作戦」を丁寧に時間単位で刻まれるストーリー展開は手に汗握ります。
4.『トラ・トラ・トラ!』

こちらも第二次世界大戦のハイライトの一つ、真珠湾攻撃にいたるまでの工程を日米両国の目線で描かれています。歴史に残る奇襲攻撃となった「リメンバー・パールハーバー」が如何にして発生したのか、その裏には智略に基づいた綿密な戦略が練られていました。
日本側の視点も交え丁寧に描かれています。「時に何かを行う際は相手の意表をつく大胆な行動も必要」ということを身をもって体感できる緊迫した内容となっています。日本でのシーケンス監督にはあの深作欣二の名もクレジットされている名作です。
ちなみにタイトルの『トラ・トラ・トラ!』日本軍の真珠湾攻撃が奇襲により開始される ことを伝えた電信の暗号略号となります。
5.『硫黄島からの手紙』

「ノルマンディー上陸作戦」、「真珠湾攻撃」と紹介させていただきましたが、こちらの舞台は「硫黄島の戦い」です。太平洋戦争の戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、小笠原方面最高指揮官・栗林忠道陸軍中小が硫黄島に降り立ちます。米海兵隊8万に対し、日本軍はわずか2万。
最後の砦となった硫黄島で数週間に渡り激戦が繰り広げられました。戦力や補給物資のない孤島で、圧倒的に劣勢の中、少ない戦力で地下壕を構築し、徹底的に死守した栗林忠道陸軍中将による戦術は必見です。追いつめられた時にこそ必要な智略の必要性を学びましょう。
6.『大脱走』

数ある戦争映画の中でも戦闘シーンのない戦争映画として有名な作品です。また、あまりにも有名なテーマ曲と共に、映画史に残る不朽の名作といえるでしょう。時は第二次世界大戦下のドイツ。
囚われの身となった連合軍の捕虜たちによる、絶対に不可能と言われた収容所からの脱走を成功させた「ビッグX」計画を舞台としています。その計画とは、3つのトンネルをつかって250名の捕虜を脱出させるというもの。最終的に76名の捕虜が脱出を成功させます。
たまたまその場に集まった出身国も違う捕虜たちは、果たしてどのようにトンネルを掘り、脱走を成功させたのでしょうか。それは本編を見てのお楽しみとしましょう。もともと面識のない集団が、力をあわせて一つの計画を成功させる過程は注目です。
☆クライムムービーから戦略を学ぶ
当たり前の話ですが、犯罪を犯すことは絶対にしてはいけません。しかし、映画の中にいたっては、「クライムムービー」として智略をいかした多くのクライムヒーローを生んできました。世界を相手に大金を得た主人公たちの戦略を学びましょう。
7.『オーシャンズ11』

豪華キャストが彩る名作のクライムムービーです。ラスベガスの3大カジノ「ベラージオ」・「ミラージュ」・「MGMグランド」の金が集まる地下巨大金庫の現金強奪計画、というスケールの大きな犯罪計画がテーマとなります。
詐欺、スリ、メカ・爆発物の取り扱い、イカサマ賭博、潜入、11人のプロの能力をフルに活かした大胆、かつ緻密な計画が立てられています。能力や長所を適材適所に集結させ、一つのプロジェクトを成功させるオーシャンの計画は、我々の日々の戦略にも活かせるのではないでしょうか。
8.『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

実話に基づいたクライムムービーです。航空機パイロット、医師、連邦刑務局職員、弁護士など少なくとも8回にわたる身分詐称と小切手詐欺を繰り返し、天才詐欺師と呼ばれた実在の人物、フランク・W・アバグネイル・Jrが主人公となっています。
「できるものなら捕まえてみろ」と言い放つ若干21歳の天才が考える智略に長けた華麗なる行動は我々を魅了すること間違いなしです。
9.『ミニミニ大作戦』

50億ドルに及ぶ金塊の強奪をテーマにしたクライムムービーです。仲間の裏切りにあい一度は失敗に終わりますが、再奪取を目指し、再び計画を立てます。
その計画の肝となるのは、タイトルにある「ミニ」、「ミニ・クーパー」なのです。機転を利かした主人公の華麗なる犯罪は秀逸そのもの。誰もがなるほど、と納得する緻密な計画は必見です。
☆スポーツ映画から戦略を学ぶ
野球やサッカーなどさまざまなスポーツがありますが、どのスポーツをとっても戦略なしに語ることはできません。スポーツ戦術を学びましょう。
10.『インビクタス 負けざる者たち』

ネルソン・マンデラが黒人初の大統領となった南アフリカ共和国。アパルトヘイトの余波が強く残る南アフリカのラグビーチーム「スプリングボクス」は黒人と白人の和解と団結の象徴として、混合チームを結成します。
国内では不人気のスポーツだったラグビーが徐々に人気を博し、そしてワールドカップではまさかの快進撃を見せます。そしてついにオールブラックスと呼ばれる強豪ニュージランド代表とのワールドカップ決勝を迎えます。
人気も実力もチームワークすらなかったチームがいかにして強豪になったか、差別の残る国でのネルソン・マンデラの手腕、そしてチームの戦術は世界中で通用するのではないでしょうか。
11.『エニイ・ギブン・サンデー』

アメリカンフットボールに全精力を注ぐ鬼コーチと選手たちとのドラマを中心に描かれたこちらの作品は、スポーツ映画の代表の一つとして大ヒットしました。
低迷するフットボールチーム「マイアミ・シャークス」の快進撃を中心に、若き女性オーナーのクリスティーナ、鬼ヘッド・コーチのトニー、代理のキャプテンとなったウィリー・ビーン、フロントから現場の選手までを丁寧に描かれています。
組織はスタンドプレーでは成り立たず、現場の人間もフロントも1人ひとりが重要な役割を果たします。その全てがそろった時「チームワーク」という結束が生まれ、結果が伴うものです。アメリカ4大スポーツの中でも最も人気のあるアメリカンフットボールから、組織を動かす戦術を学びましょう。
12.『完全なるチェックメイト』

頭脳をつかったスポーツと呼ばれるチェスを題材とした作品です。舞台は冷戦下、1972年にアイスランドで行われたチェス世界選手権で、アメリカ人の挑戦者ボビー・フィッシャーがソ連のチャンピオン、ボリス・スパスキーに挑みます。
この試合は東西冷戦の代理戦争と呼べる歴史的一戦となりました。先の先の先まで読み、智略の限りを尽くすチェスの緊迫した狂気の頭脳戦はもはやスポーツ映画と言えるでしょう。
「全ては理論と記憶」と言う若き天才が繰り広げるゲーム展開は、我々一般人には理解することは難しいかもしれませんが、天才の考える戦術を参考にされてみてはいかがでしょうか。
13.『マネーボール』

データ野球と聞くと皆さんは「少しつまらなそう」と思うかもしれません。確かに野球は人がやるもの、データが全てではないです。こちらの作品の主人公は選手ではなく、ゼネラル・マネージャー(GM)が主人公の珍しいスポーツ映画となります。
彼の考案した「マネーボール」というデータに基づいた理論は100年以上の伝統を誇るメジャー・リーグ・ベースボール界に革命を起こします。
野球というスポーツを舞台に「完全データ主義」という新たな戦略を立てたビリー・ビーンの智略、そして時に冷酷に選手を切る決断力は大いに学ぶことができます。
☆軍隊とスパイから戦略を学ぶ
命がけで組織と闘う軍隊、イギリスのスパイ組織、どちらも祖国へ尽力をする任務を請け負っています。果たして彼らの考える戦略とは……?
14.『ネイビーシールズ』

アメリカ海軍特殊部隊・ネイビーシールズをテーマとして扱ったアクション映画です。麻薬カルテルとテロリストの熾烈を極める闘いを描いています。世界でも有数の特殊部隊の戦略は緻密そのもの。
命がけでテロリストを相手に戦う彼らの姿は憧れる人もきっと多いでしょう。大きな計画に挑むには、作戦、戦略なしにプロジェクトを行うことはできない、ということを充分に読み取ることが出来ます。
15.『裏切りのサーカス』
最後にスパイ映画から戦略を学びましょう。時は冷戦下のイギリス、サーカスと呼ばれるイギリス秘密情報部が舞台となります。サーカスを引退した元スパイ、スマイリーにくだされた新たな司令はサーカスの中枢に20年以上潜り込んでいる2重スパイの捜索でした。
秘密情報部での2重スパイの捜索という難しいテーマですが、主人公スマイリーとサーカス上層部との人間模様や、一筋縄ではいかない人間たちから引き出す情報収集など、作品全体には1人の男の考える緻密な戦略を体感できる濃厚な一作となっています。
いかがでしたでしょうか、それぞれの作品には綿密に練られた「戦略」を読み取ることが出来ます。何か企画や計画を立てるときに映画を見て、参考にされてみてはいかがでしょうか。何かヒントを得ることができるかもしれませんよ。
