200人以上とサシ飲みした男が教える、楽しく会話をする方法

人と楽しく話をするために重要なこと

ビジネスやプライベートの様々な場面で、誰かと二人きりになることはよくあります。商談や面接、打ち合わせ、喫煙所、そしてもちろん飲み会の席やランチ…。

そのようなシーンにおいて、ただなんとなしの雑談に終始してしまうのではなく、相手に「この人といると楽しい」と思ってもらい、関係性をより深めていくコミュニケーションができれば、あなたの人生はずいぶんと違ったものになってくるでしょう。

以下では、著者が200人以上の人と「さし飲み」※をしてきた中で気づいた、「人と楽しく話をする方法」をご紹介します。

※二人でお酒を飲んで話をすること。

コミュニケーションの大原則

コミュニケーションは、「相手の話を聴く」「質問する」「自分の話をする」の3つのフェーズから成り立っています。そのすべてのフェーズを貫く、コミュニケーションの大原則があります。それは、「楽しいコミュニケーションは、感情の交換である」ということです。

自分がどこの会社に勤めているのか、何の勉強をしているのか、どこに住んでいるのか、趣味は何か…。そうした情報に、あまり意味はありません。

コミュニケーションで語られるべきことは、自分の仕事の何が楽しく、何が辛いか、その勉強のどういうところが面白いのか、どうしてその街に住もうと思ったのか、そうした「感情」に焦点を当てた話題なのです。

「楽しいコミュニケーションは感情の交換である」という原則を念頭に置きながら、「相手の話を聴く」「質問する」「自分の話をする」という3つのフェーズについて考えていきましょう。

【相手の話を聴く】


話を聴くというのは、相手と楽しいコミュニケーションをするための材料集めをするフェーズです。冒頭でも触れましたが、話を聴く際に注目すべきは、「嬉しい」「悔しい」「腹が立つ」などの「感情表現」に関するフレーズです。

例えば、相手が好きな映画について話していている時、「何の映画が好きか」という「情報」はそれほど大切なことではありません。本当に耳を澄ませるべきなのは、「その映画を観るとどんな気持ちになるのか」という「感情」の話なのです。

ですので、相手の話の中に感情表現に関するフレーズが出てきたら、しっかりと覚えておくようにしましょう。これ以降の「質問をする」「自分の話をする」の項目でも説明しますが、感情をさらに深掘りするような質問をしたり、「私も実は同じ気持ちになったことがあります」というように自分の話をしたりすると、コミュニケーションはより深まっていくのです。

【質問をする】


質問をするというのは、「情報」の段階にとどまっていた話を「感情」の段階にまで深めたり、「話を聴く」フェーズで集めた「感情」をさらに深掘りしたりするフェーズです。

教育学者の齋藤孝さんによる著書『質問力』には、「良い質問とは、本質的かつ具体的な質問である」とあります。この「本質的な質問」という言葉を「楽しいコミュニケーション」の文脈で言い換えると、「感情を露出させる質問」というものになるかと思います。

例えば、相手が「休みの日はラグビーをしています」という話をしたとしましょう。ここでの最終的な目標は、「ポジションはどこなんですか」「昔からやっているんですか」などとさらなる「情報」を得ることではなく、相手の「感情」を露出させることです。したがって、下記のような例が「良い質問」です。

「休みの日はラグビーをしています」

「ラグビーをやっていてどんな時が楽しいですか?タックルで相手を吹っ飛ばした時、みんなでパスを繋いでトライした時…いろいろあると思うんですが」

「やっぱり、タックルが決まった時ですね」

「なるほど。私は野球をやっていて、ホームランは打てないのですが、ヒットを打つことは誰にも負けたくないという気持ちがあります。タックルが決まった時の嬉しさの裏に、そういった負けず嫌いな気持ちはあったりしますか」

「ありますね。私は背が大きくないので、背の高い人には負けたくないです。タックルで自分より大きい人に勝てると嬉しいですね」

上の会話の流れでは、「情報」(休日はラグビーをしている)→「感情」(タックルが決まった時が嬉しい、背の高い人に負けたくない)という流れで話が深まっているのがわかるでしょう。

【自分の話をする】


自分の話をするというのは、相手が「もっと話したい!」と思えるような雰囲気をつくるフェーズです。「自分の話をしているのに、相手が話したいと思うって、どういうこと?」と思われた方もいるかもしれません。

しかし、人間は、正体がわからない人には、自分の話をしようとは思わないものです。逆に言えば、自分から話をしていけば、「ここまで話してもらったんだから」と、相手も自分の話をしてくれるようになります。いわゆる「返報性の原理」ですね。

つまり、真に相手の話を聴きだせる人、本当の聴き上手は、自分の話ができる人なのです。「相手の話を聴く」「質問をする」というフェーズでイマイチ相手の「感情」が出てこないようであれば、自分から積極的に「感情」についての話をしていきましょう。

ポジティブな感情について話すのもよいですが、効果抜群なのはネガティブな感情についての話です。私はよく「高校時代はクラスの人気者になれず辛かった」「大学の頃は自分が将来何をやりたいのかわからずしんどかった」という話をします。

こうした話をすると、相手は「自分もネガティブな話をしていいんだ」と思えるので、「感情」を含んだ本音の話がより出てきやすくなります。

サシ飲みにいってみよう

「楽しいコミュニケーションは感情の交換である」ということを前提に、「相手の話を聴く」「質問をする」「自分の話をする」の3フェーズにおけるコミュニケーションの方法を考えてみました。

この記事を読まれたあなたのコミュニケーションが、あなたのよりよい未来に繋がりますように。

Career Supli
すぐにまねできる方法なので、会話が苦手な人は是非試してみてください!
[文]クヌルプ [編集] サムライト編集部