アマネム、翠嵐、天空の森、最新高級旅館に垣間見る「おもてなし」の原点

東京オリンピックに向けて

現在、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、ホテル業界が注目されています。期待されるのは、国際オリンピック総会で話題となった、日本の「おもてなし」。訪れた人を心から慈しみ、お迎えするというおもてなしの心は、ホテル業界でどのように広まっているのでしょうか。

今回は、オリンピックを見据えたホテル業界の「おもてなし」に迫ります。

日本の茶道の心「おもてなし」

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おもてなしの原点は、茶道の匠・千利休の教えにあります。

1. 茶は服の良きように点て
2. 炭は湯の沸くように置き
3. 花は野にあるように
4. 夏は涼しく冬暖かに
5. 刻限は早めに
6. 降らずとも傘の用意
7. 相客に心せよ

「おもてなし」とは、古くから日本に伝わるお客様をお迎えする時の歓待の精神です。これは、接客に対して対価が支払われる「サービス」とは全く異なったもので、英語圏の「ホスピタリティ」に近いものがあります。

日本のおもてなしの最大の魅力は、その「もてなしの心」にあります。「もてなし」とは「持って、成す」つまり、ものを持って成し遂げるということ。相手を慈しみ歓迎の心を持って、自ら奉仕の心で示す、私心の無い純粋な行動のことを指すのです。そこに無理や見栄があってはいけません。

「今だけ・ここだけ・あなただけの」。これがおもてなしの価値観です。

贅沢なホテルには贅沢なサービス、そしておもてなしの心

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近頃、普段はできないような特別な体験をすることができる、新しいタイプの旅館が増えてきています。

大都会のビルの最上階を貸し切った、小規模で美しい高級ホテルから、神聖な森の中に建築され、全ての部屋に温泉が付いているものまで様々。

高級ホテルは、今やただ泊まって体を休めるだけのものではなくなり、大都会の喧騒にあっても安らぎを感じられる新鮮さや、古くからの日本の文化を感じられるものなど、訪れる人に少しでも喜んでいただけるように、日々おもてなしの知恵が絞られています。

今回は、その一部をご紹介したいと思います。

英虞湾を臨める大自然の高級旅館「アマネム」

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画像出典:https://www.aman.com/

東南アジアを中心に、小規模でも贅沢なリゾートホテルを展開しているアマンリゾート。2016年春には、日本で二軒目のアマン「アマネム」を開業します。

「アムネム」という名前は、サンスクリット語で「平和なる」を意味する「アム」と、合歓の木(ねむのき)などで使われている日本語の「歓び」を意味する「ネム」から命名されました。英虞湾の美しい海岸線沿いを臨みながら、ゆったりとした時間が過ごせそうです。

山の幸や海の幸が豊富で、貴重な伝統文化を持つ伊勢志摩国立公園内に設立されるアマネムは、24室のスイートルームと4室のベッドルーム・ヴィラを有しており、全室に温泉風呂を完備しています。

レストランは、古くから海産物・穀類などを朝廷や神宮に献上していた「御食国(みけつくに)」という伝統を踏襲。日本料理を提供し、豊かな食遺産を受け継いでいくというこだわりが表れています。

伊勢神宮へのアクセスもしやすく、豊かな自然と神聖な空気の中で思う存分リフレッシュすることができそうですね。

純和風!京都の文化を五感で感じる「翠嵐」

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画像出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000006521.html

今年の春、森トラストグループは、スターウッドホテル&リゾートの高級ホテルブランド「翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル・京都」を開業。京都の嵐山に位置し、純和風、侘び寂びのテイストを含んだ、美しい旅館となっています。

ここでは、エメラルドグリーンの川のほとりという絶好のロケーションで、様々なイベントを体験することができます。

翠嵐は、世界遺産の寺院などと提携。普段は拝観不可能な建物や、所蔵物を見ることができる特別なツアーを計画するなど、現地観光のエキスパートとしての資格を持ったコンシェルジュが、ほかの土地では体験できないような、特別な観光プランを提供します。

また、川沿いの日本庭園や茶寮での月見会、著名な茶道家を招いての屋外茶会、ヨガなど、ここでしか味わえないプログラムを準備しているとのこと。季節ごとに違ったプログラムが用意されるのも、魅力のひとつです。

広大な自然と海外のような開放感「天空の森」

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画像出典:http://tenkunomori.net/img/special/image.jpg

鹿児島県霧島市にある「天空の森」は、一泊12万円からとかなりの高級宿。豪華列車「ななつ星」のDXスイートにも含まれており、その美しい自然と贅沢なヴィラは、一度訪れた人の心を次々と掴んでゆきます。

全てのヴィラ3棟は、それぞれ丘の上に別荘のように点在しており、誰とも会わずにプライベートを重視した宿泊を楽しむことができます。なんと、全ての部屋にベッドルームとリビングルーム、露天風呂が付き。開放感あふれる空間で、ゆったりと過ごすことができます。

実は、「天空の森」の食事で使用されている野菜の90%は自給自足。オーガニックにこだわり、敷地内の自家菜園で作られています。

まるで日本ではないような広大な自然に囲まれ、ゆっくりと温泉に浸かり、体に優しい美味しいご飯を食べる。それができるのは、「天空の森」だけです。

仕事に疲れてる貴方に「おもてなし」

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高級ホテルこだわりの「おもてなし」は、訪れる多くの人の心を掴んで離しません。観光客増加に向け、ホテル業界のさらなる「おもてなし」に期待が高まりますね。

あなたも、たまには仕事の疲れをリフレッシュし、日本のおもてなしの原点を垣間見てみてはいかがでしょうか。

[文・編集] サムライト編集部