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「引き寄せの法則」で幸せになれない人のために
恋や仕事、お金などあらゆることに効果があるという引き寄せの法則。自分も気になって毎晩理想の自分像を思い描いて眠ったり、ネガティブな感情を持ったり言葉を使わないように気を使っているのに、なぜかいつまでたっても幸せを引寄せられない……。そんな人には決定的な思い違いがあります。ここではクスドフトシ著『引き出しの法則』を参考に、思い描く自分になるための考え方を提案します。
あなたはなぜ引き寄せられないのか?
引き寄せの法則を簡単に説明すると「嬉しい・楽しいといった気持ちやそれを表現する言葉を使ったり、行動に移していると、自然に嬉しい・楽しい出来事が引き寄せられてくる法則」です。これはネガティブな感情や言葉にも当てはまるのでそうした気持ちを持ったり、言葉を使うと、ネガティブな出来事が引き寄せられてしまいます。
だから毎晩寝る前に理想の自分を思い描いて無意識に働きかけ、ハッピーな自分になろうとしたりするわけです。
この引き寄せの法則には1つ大きな落とし穴があります。それは外から引き寄せようとするあまり、「自分が変わる」という視点が不足しがちという点です。もちろん引き寄せの法則が「自分は変わらなくてもいい」と言っているわけではありません。むしろ「ハッピーな自分になれば、ハッピーなものが寄ってくる」という法則なので、自分が変わらなければ意味がないのです。
しかし「引き寄せの法則は効かない」という言っている人に限って、この法則をあたかも魔法か何かのように自分を幸せにしてくれるものだと思い込みがちです。そういう人には外から引き寄せる法則ではなく、自分の内側から「引き出す」法則が必要なのです。以下ではこの「引き出しの法則」の具体的な考え方について見てきましょう。
「分からない」を止める

引き出しの法則で重要なのは、引き寄せの法則同様「無意識」です。この無意識をいかに「引き出す」モードにするかが引き出しの法則で幸せになれるかどうかを決めます。その第一段階として実践するべきは「言葉を変えること」。とりわけ「分からない」と言ったり、思ったりするのを止めることです。
「これからどうすればいいか、分からない」
「自分がどうしてこんなにダメなのか、分からない」
「なぜ引き寄せの法則の法則で幸せになれないのか、分からない」
「分からない」という言葉は思考停止を生みます。もうこれ以上考えたくない、と言っているのと同じなのです。これを何度も何度も口にしたり、思ったりしていると無意識は「なるほど、自分は考えたくないんだな」と認識し、本来は答えがあるはずの問題に対しても答えを探さない癖がついてしまいます。まずは「分からない」を止めましょう。
「思い出す」を始める

「分からない」を止めたら、その代わりに「思い出す」を始めましょう。
「自分は何事もやり遂げることができない」
「自分には何もない」
ついついそう言ったり、思ったりしてしまう人は自分が何かをやり遂げたという過去や、自分には何かがあった過去をいつの間にか忘れてしまっているのです。就学前の時代から、現在に至るまでの自分の過去を事細かに思い出してみてください。きっとその中でたくさんの「やり遂げたこと」「自分に何かがあったこと」を思い出せるはずです。自分にその力があったことを思い出せば、「ひょっとすると今の自分にもやれるかもしれない」という気持ちが湧いてきます。そこまで来たら、あとは行動に移すだけです。
無意味な関連付けはネガティブを生む

「その頃の自分にはできたかもしれないけど、今の自分は○○だからできない」と言いたくなるかもしれません。しかしその「○○」と「できない」の関連付けは本当に意味があるものでしょうか。
転職できないのは……
・お金がないから。
・キャリアがないから。
・能力がないから。
・魅力的な企業がないから。
これらは一見どれも意味のある関連付けに見えますが、実際はお金がなくても、キャリアがなくても、能力がなくても、魅力的な企業がなくても、転職することはできます。無意味な関連付けを行うと自分の行動を狭め、知らない間に自分の無意識に「何もできない自分」を植え付けてしまいます。
この例の場合、そうした無意味な関連付けを取り払った先にあるのは「本気で転職する気がないから」という本当の理由です。本気でやる気がないなら、別にその願いは達成できなくても問題ありません。自分の中の「本気の願い」を引き出すためにも、無意味な関連付けは止めるべきなのです。
「自分がなんとかできる」という期待を持つ
引き寄せの法則に魔法のような効果を期待してしまう人は、「引き寄せの法則なら自分を変えてくれる!」という期待に溢れています。あるいは「上司なら部下が大変なことくらいわかれよ!」と思っている人も「上司ならきっと自分が大変なことを理解してくれる」という期待に溢れていますし、「これだけ頑張ったんだから、取引先も評価してくれるはず」というのも同じです。そしてその期待が裏切られるたびに憤るのです。
しかしこうやって他人のせいばかりにしている人に限って、「自分ならなんとかできる」という自分への期待を持っていません。つまり他人への期待を中心に生きているということは「自分ではどうにもならない」という無力感の中で生きていることとイコールなのです。
当然無意識は「自分でどうにかしようという気はないんだな」と考えて、そう行動するように私たちを仕向けます。結果他人のせいばかりにして自分が変わろうとしない人間の感性です。
これを防ぐには「自分がなんとかできる」という期待を持つ必要があります。小さなことからでも構いません。
「今日は嫌いな同僚に笑顔で挨拶ができた」
「前回の筋トレでは挙げられなかった重さが挙げられた」
「先週末は我慢できなかったビールを、今日は我慢できた」
そうしたことの積み重ねが自分への期待につながり、毎日の幸せにつながっていくのです。
幸せの入り口は自分の中にある
引き出しの法則も引き寄せの法則同様、魔法のように自分の人生を好転させてくれるものではありません。しかし少なくとも「自分の中に幸せの入り口があるんだ」と気がつかせてくれます。そしてそれに気がつけば、少しずつ「自分が変われば、人生をなんとかできる」という考え方を身につけることができるはず。まずはここで提案したいくつかの方法を1つずつ試してみてください。