コミュニケーション能力とは?鍛える方法や高い人の特徴を解説

「ビジネスの現場においてコミュニケーション能力を高めて業務に生かしたい」といった悩みを抱えていませんか。

この記事では、コミュニケーション能力の概要を解説し、コミュニケーション能力が高い人の特長やコミュニケーションを構成する要素、鍛える方法などを紹介します。

コミュニケーション能力とは?

コミュニケーションは一人で行うものではなく、双方向のやりとりによって成立するものです。

言葉のキャッチボールを上手に行う能力は、一般的に「コミュニケーション能力」と呼ばれています。コミュニケーション能力は、外向的または内向的な性格によって左右されるとは限りません。

コミュニケーション能力は「双方向」で成り立つもの

コミュニケーションは双方向のやりとりであるということを意識することが大切です。

「自分がどのように話せば相手に伝わるのか」といったことばかりに意識が集中しがちですが、相手からの返答をどのように受け取るのかといった点にも注目する必要があります。

コミュニケーションを双方向性のあるものにするためには、相手に感想を求めたり、疑問がないかを確認したりと、相手が積極的に会話へ参加しやすくなるようにすることが重要です。

外向的な人がコミュニケーション能力が高いとは限らない

外向的な性格の方が必ずしもコミュニケーション能力が高いわけではありません。コミュニケーションは双方向のやりとりがあって成立するものです。

外向的な方は他者と積極的に関わろうとしますが、話が一方通行であればコミュニケーションが取れているとはいえません。内向的な性格であっても、相手から話題を引き出したり、適切に返答したりすることで、うまくコミュニケーションをとることも可能です。

このように、外向的か内向的かの違いでコミュニケーション能力の優劣がわかれているわけではなく、あくまでも双方向の対話を円滑に行えるかが重要なのです。

コミュニケーション能力が高い人の特徴

コミュニケーション能力が高い方の特長として、主に「相手の話を最後まで聴く」「適切なタイミングで相づちが打てる」「自己開示を忘れない」といったポイントが挙げられます。

これらに共通しているのが、相手が気持ちよく話せるように配慮できているかどうか、という点です。

相手の話を最後まで聴く

コミュニケーション能力が高い方は、相手の話を最後まで聴くという姿勢で相手に接しています。

相手は話を最後まで聴いてもらえると、自分のことを認めてもらえた気持ちになったり、尊重してもらえていると感じたりするものです。

相手の話を最後まで聴かずに会話を進めると、相手の伝えたい意図を読み違えてしまいます。最後まで聴くことで、相手が伝えたいことを正しく読み取ることができ、適切な質問や意見へとつなげられます。

相手の話を途中で遮ってしまったり、自分の話にすり替えて話しはじめたり、頭ごなしに否定したりすると、相手に「話を聴いてもらえなかった」「自分の意見は尊重されていないのではないか」といったネガティブな感情を持たせてしまうのです。

適切なタイミングで相づちが打てる

コミュニケーション能力が高い方は、適切なタイミングで相づちを打ちながら相手の会話を聴いています。

話している相手からの相づちがない場合、聴いてもらえているのかがわからず不安になったり、興味を持たれていないと感じて話すのが嫌になったりしてしまいます。

話を聴く際は、相手の方を向いてうなずくなど、相づちを打つことが大切です。相づちは一辺倒ではなく、いくつかのバリエーションを持たせることで、相手に気持ちよく話してもらいやすくなります。

また、表情による気持ちの表現も加えることで、より相手に話を聴いてもらえているという実感を与えられます。ただし、過度な相づちや大げさなリアクションは、かえって話を早く切り上げたいのではないか、と思われてしまうため、タイミングの調整が必要です。

自己開示を忘れない

コミュニケーションにおいては、「自己開示」も重要な要素です。自己開示とは、自分の本音を相手に伝えることです。

先にこちらの考えや感情、情報などをオープンにすることで、相手に本音を話しやすい雰囲気を作り、本心を引き出すことにつながります。

自己開示を行う際は、こちらが一方的に伝える側にならないように気をつけなければなりません。自己開示はあくまでコミュニケーションを円滑に進める手段にすぎないため、ある程度こちらが話したら相手に話題を振って、双方向の会話へと発展させる必要があります。

コミュニケーション能力の構成要素

コミュニケーション能力は言葉のキャッチボールを円滑に行うスキルであり、「聴く力」と「伝える力」両方の要素が必要です。

相手が話すことを正しく聴き取り、それに対して自分の意思を正確に伝えることで、コミュニケーションが成立します。

相手が話した事を正しく聴く力

「聴く力」の具体的な要素として、「傾聴する力」と「読み取る力」が挙げられます。傾聴とは、「話を最後まで聴く」「相手の方を向いて話を聴く」「相づちを打つ」「共感する」などの行動を通じて、相手の話に耳を傾ける姿勢のことです。

相手の話を心から聴くようにすることで、自分が話していなくても相手にその気持ちが伝わります。この姿勢によって相手は「自分のことをわかってもらえている」「受け入れてもらえている」と感じ、より心を開いて話してくれるようになります。

本音で話してもらうことで、こちらも相手のことが把握できるようになり、相手の満足度が高くなるという好循環が生まれます。

「読み取る力」は、相手が話す内容や感情、要望などを把握する能力です。

傾聴によって相手の話を聴く姿勢を示せたとしても、肝心の内容を把握できていなければ意味がありません。相手の話す内容をよく把握し、相づちや質問を通してこちらが把握していることを相手に伝える必要があります。

また、会話の内容だけでなく、話すスピードや声のトーン、しぐさ、表情といった非言語領域からも相手の感情を読み取れます。

自分の意思を正確に伝える力

自分の考えを正確にわかりやすく伝える力もコミュニケーションにおいては欠かせません。

正確に伝えることは、誤った情報や誤解、曖昧さなどのないように情報を伝える行為であり、情報を適切に認識する能力が必要です。

わかりやすく伝えることは、相手のレベルに合わせて言葉を選んだり情報を取捨選択したりして、正しい表現で伝える行為です。わかりやすく伝えるためには、自分が頭の中で考えていることを言葉に変換する「言語化」の能力が求められます。

言語化を行うには、語彙力がなければ自分の意思を正確に表す言葉に変換できません。

また、言語化したものを論理的に組み立てて話す「構成力」や、簡潔にまとめて話す「要約力」も重要です。

話が論理的でなければ、何が言いたいのかを相手は把握できません。誤解を招き、ぎくしゃくしたコミュニケーションになってしまいます。そのため、論理的思考によって話を順序立てて構成する必要があるのです。

また、ダラダラと長く話をしても、相手に苦痛を与えてしまう上に、要点が伝わりにくくなります。組み立てた話を要約して簡潔にまとめて話すことが求められるのです。

コミュニケーション能力を鍛える方法

コミュニケーション能力を鍛えるには、いくつかの方法があります。ここでは、「相手の話に耳を傾ける」「結論や目的から伝える」「コミュニケーション能力が高い方の真似をする」の3点をピックアップして解説します。

相手の話にきちんと耳を傾けることを意識する

先述の通り、相手に気持ちよく話をしてもらうには「傾聴する力」が重要です。

話を聴く際は、相手の方を向き、視線を合わせて傾聴する姿勢を整えます。相手が話している時は、相づちを打ったりアイコンタクトをしたりすると、真剣に聴いていることを伝えられます。

また、「読み取る力」を駆使して、相手の会話内容を把握するだけでなく、表情やしぐさ、声色なども観察することが重要です。相手の気持ちを察して寄り添うことで、相手の考えをより把握できるようになるほか、相手からの信頼も得られます。

会話中は相手の表情やしぐさ、話すスピードなどに合わせることで、親近感を持たれやすくなります。ただし、あからさまに真似していると、からかっているように見えて相手を不快にしてしまうおそれがあるため、不自然にならないよう注意が必要です。

相手が話した内容をそのまま返すオウム返しや、言い換えて確認することで、自分が相手の話をしっかりと聴いていることを伝えられます。オウム返しについても、不自然だと不快感を与えてしまうため注意しましょう。確認しながら聴くことで認識のズレを防ぐことも可能です。

何かを伝える際は結論や目的から言う

会話を進める際は、結論や目的から話しはじめることで、論点がぶれることなく相手に伝わりやすくなります。同時に、要点を数点に絞ることで簡潔に説明することが可能です。

また、5W1Hを意識することで、話に具体性を持たせられます。

話の構成を組み立てるには、「PREP法」を用いるのが便利です。

これは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の順に話を構成するフレームワークです。この流れに話題を当てはめることで、簡単にわかりやすい説明を行えるようになります。

コミュニケーション能力が高い人を思い浮かべて真似をする

コミュニケーション能力を鍛える近道として、コミュニケーション能力が高い方の真似をすることが挙げられます。

そのような方が日頃から実践しているコミュニケーションの取り方に注目したり、どのように会話を進めているのかを思い浮かべたりすることで、多くの気付きが得られるはずです。

話の構成や声のトーン、話すスピード、しぐさ、表情といった特長をよく観察して、真似することで、コミュニケーションのコツをつかむきっかけになります。

以上のことを日々繰り返し、自分なりのコミュニケーション方法を確立することが可能です。

まとめ

コミュニケーション能力は、双方向のやりとりを円滑に行うための能力です。コミュニケーション能力が高い方は、コミュニケーション能力の構成要素である聴く力と伝える力を持っています。聴く力には傾聴力と読み取り力があります。

伝える力には、正確かつわかりやすく述べる能力が求められます。これらを鍛えることによって、コミュニケーションが苦手な方でも高いコミュニケーション能力を得ることが可能です。

[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部