ネットで影響力が欲しければコメント力を磨こう

意味のあるコメントしていますか?

あなたはSNSなどのネット上のどれくらい影響力がありますか。あなたのおすすめしたものに反応して、購入や体験する人はいますか。

好むと好まざるとにかかわらず、ネット上でどれくらいの影響力を持てるかは、年々重要になっており、多くのフォロワーを獲得していればなにか新しいビジネスをスタートする際にも、非常にプラスになります。

ホリエモンの新刊書籍では、フォロワーが1,000人以上いる人に限り、無料で原稿データが読めるというキャンペーンが実施されるなど、直接的な恩恵を得られる場面も出てきています。

しかし私たち一般人が普通に投稿していたらフォロワーは増えません。注目されるような適切なコメントをして、意味のあることを発言するアカウントであることを知って貰う必要があります。今回はそんな適切なコメントをするためのポイントについてご紹介します。

膨大な情報の扱い方

面白い情報や気になるニュースがあったら、その情報をどのように貯めていますか。以前の記事でもご紹介しましたが、博報堂ケトルのCEO嶋浩一郎さんは面白い文章があったらモレスキンのノートに上から順番にメモしていくそうです。

整理や分類をしないのがポイントで、美味しいお店の情報から、芸能人の裏話まで一切分類せずに書いていきます。嶋さんいわく情報は整理すると死んでしまうそうです。

ニューズウィーク元編集長の武田圭吾さんはすべてのネット情報を、自分宛てにメールで送付して一元化していたそうです。メールのタイトルにすべて「雑感」といれて、それに加えてあとで検索しやすいキーワードをいくつかいれて、リストアップできるように管理していました。

情報を集めに時間をかけず、1日に情報収集する時間を区切って、このメディアには1日10分だけ時間を使うという形で、時間制限を設けて情報に接していたそうです。

SNSやネットニュースは時間を決めないとついダラダラ見てしまうので、自分の中でルールを決めて情報に接してください。あくまでも情報収集は自分が発信するための素材でしかありません。情報の受け手ではなく、出し手になるという意識を持ちましょう

情報はタテとヨコから考える

Determination of Business People


情報を全体像で見るのに重要なのは、「基本的な数字」について、大まかに把握しておくことです。「基本的な数字」とは、日本や世界の政治、経済の動き、社会や国土の成り立ちに関する数字です。

特に世界各国の人口や、国土関連の数字が基本になります。経済のニュースや政治に関するニュースもこの基本的な数字が入っているかどうかで、理解度がまったく変わってきます。

何かのトピックについて、深く考えていくのに情報をタテ軸とヨコ軸において考えるのが有効です。縦軸は時間軸で、横軸は地理軸です。これが江戸時代だったらどうだったのか、明治時代だったら、もしくは、アメリカの話だったら、東南アジアだったらどうか、そういった視点で考えるとその問題を全体的な視点で見られるようになります。ライフネット生命CEO出口さんも「タテ・ヨコ思考」の重要性について語っていますので、チェックしてください。

ストーリーを意識する

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情報を発信する時は、常にストーリー(物語)を意識しましょう。世界各国に共通するストーリーの型というのは、元をたどれば神話が起源になっています。スターウォーズがそのストーリーに忠実に沿って作られて、大ヒットしたのは有名な話です。

ストーリーには歴史や背景があり、登場人物がいて、それぞれの動機と目的によって何かが起こり、その結果や影響、展望などが情景描写や心理描写交えながら語られます。情報をただの数字や記号として扱うのではなく、物語として扱うことで、反応がまったく変わってきます。

ただ降り続く雨の影響で野菜が不足していると書くよりも、八百屋にいったら野菜が高くて、いつもまるごと買える白菜が半分しか買えず、鍋の予定が八宝菜になったと書いた方が、より具体的で伝わります。

ストーリーとして発信するためには、なるべく抽象的な表現をさけて具体的な表現でディティールを伝えることがポイントです。

自分なりの付加価値の付け方

Cool and funky. Top view of handsome young man in hat and sunglasses gesturing and grimacing while standing against grey background

情報発信に利用できる独自性(オリジナリティ)には次の4つがあります。

1.情報分析の独自性
2.体験の独自性
3.コンテクストの独自性
4.表現の独自性

これらの4つを意識しながら、どのような付加価値をつけることができるのか、考えましょう。独自の分析や表現、コンテクストを持たないのであれば、自らの体験に基づいたことを書くしかありません。

逆に言えば、ふだんからいろんな体験をすることで、自分なりの情報発信ができるようになるということです。アイデアは移動距離に比例する高城剛さんは言いますが、移動することで体験の独自性や、コンテクストの独自性を獲得することができるからです。

情報を発信する前のチェックポイント

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最後に情報を発信する前のチェックポイントについて見ていきましょう。

1.事実関係や表記に間違いはないか
2.他の人と差別化ができているか
3.その投稿は面白いか、新しい発見があるか
4.この内容でだれか傷つく人はいないか
5.必要以上にだれかを持ち上げたり、貶めたりしていないか
6.反論がくるとしたらどんな反論がくるか、それにどう応えるか
7.自分が言ったことや、これから言う可能性があることと整合性がとれているか

基本的にはファクトチェックです。ネット上では気軽に投稿したものがどんどん拡散されていき、思わぬところから反論や非難がくることがあります。

筆者が、俳優の佐藤健さんの演技力や身体能力についてtwitterでつぶやいたところ、それがファンの間でどんどんリツイートされていき、びっくりしたことがありました。この時、悪口を書かなくて本当に良かったと心底ドキッとしました。

コアなファンがいる事柄について発言する時は、慎重に内容を見なおしてから投稿することをお勧めします。

人の同じことを言わない

コメントをする上で重要なのは、人と同じことは絶対に言わないと決めることです。すでに同じようなことを言っている人がいれば、あなたの発言に付加価値は生まれません。イケダハヤトさんの発言力が強いのは、「東京から高知に移り住んで家族で暮らしているブロガー」という独自のコンテクストを持っているからです。

ネットで影響力を持つのに一番の近道は、人と違うことをやることです。人とは違うルールや縛りを自分に課して生きることで、自然と他の人と差別化ができ、そのコメントにもオリジナリティが出てきます。ネットで影響力を持ちたいと考えているあなたは、ぜひ参考にしてください。

参考書籍:コメントする力
Career Supli
漠然と投稿するのではなく、付加価値をだすことを意識して投稿するだけで周りの反応が変わってきます。
[文]頼母木俊輔 [編集] サムライト編集部