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コロナ騒動はキャリアプランを考えるチャンス!
テレワークや外出自粛などで「おうち時間」が増え、今までと生活が大きく変わった人も少なくありません。通勤時間や上司・同僚などとのつきあいの時間がなくなったことで、1日の中で自由な時間が増えた人も多いことでしょう。
この自由な時間を何に使うかが、コロナ騒動が落ち着いたあとのキャリアに大きな差をもたらします。なぜなら出勤や通勤がまた普通の世の中になれば、今手に入っている自由な時間は再び失われ、日々の激務に忙殺されてしまうからです。
ではどうすれば自由な時間を有効活用できるのか。答えはたくさんありますが、そのうちの一つがキャリアについてじっくり考えることです。
ここではそのためのヒントとなる5つの質問を紹介。キャリアについて考えるための視点をご紹介します。
1. 3年後、5年後、どんな仕事をしているのが理想?

キャリア設計の第一歩は、なりたい自分を思い描くこと。10年後、20年後の自分を想像するのが難しければ、3年後、5年後でも構いません。
ポイントはすべての制約を取り払うということ。
・スキルが足りないから無理。
・時間がないから無理。
・上司との相性が悪いから無理。
こうした要素はすべて無視したうえで、「3年後はどんな仕事をしていたいか」「5年後はどんな生活をしていたいか」を想像するのです。
人は得てして、現状を維持したい生き物です。そのため制約がある状態で未来を思い描くと、結局は「実現は難しそうだから現状維持」という結論に至ってしまいます。
これではキャリアについて考える意味がありません。自分を前向きな状態にするためにも、現実的な問題はひとまず全部棚上げしてしまいましょう。
……といわれても、どう自分の理想の3年後、5年後を考えればいいかがわからない人も多いのではないでしょうか。
未来を思い描くためには、自分の仕事観や人生観を明確にする必要があります。そこで以下では、自分の仕事観や人生観の分析に役立つ質問を2つ紹介しています。
2. おうち時間が増えて、楽しくなったこと・楽しくなくなったことは?

新型コロナウイルスの問題が発生してから、みなさんの周りにはどんな変化が起きましたか?
・テレワークになって通勤がなくなり、一日中家で仕事をするようになった。
・休憩時間などでの上司や同僚との会話がなくなり、家族と話したり、一人でいたりする時間が増えた。
・仕事終わりの先輩や同僚との飲み会がなくなり、オンラインで学生時代の友人たちと飲むことが増えた。 など
おうち時間が増え、毎日の仕事や生活にさまざまな変化が生じていることでしょう。
では自分の身のまわりの変化を振り返ったうえで、楽しくなったこと、逆に楽しくなくなったことは何でしょうか?
たとえば「通勤」の有無一つをとってみても、通勤がなくなって毎日のストレスが激減し、仕事そのものを楽しめるようになったという人もいれば、逆に通勤がなくなったことでオンオフの切り替えができなくなり、仕事に身が入らなくなったという人もいるはずです。
飲み相手にしても「やっぱり仕事の話で盛り上がりたい」と感じる人もいれば、「昔の友達と他愛ない話をしている方がリラックスできる」と思う人もいます。
こうした心境の変化を分析すると、徐々に自分の仕事観や人生観が浮き彫りになっていきます。
3. 今まで培ってきた経験・スキルは、テレワークでも役に立っている?

これまで対面コミュニケーションを軸に仕事をしてきた人たちは、テレワークの時間が増えるにつれてやりにくさを感じているのではないでしょうか。
逆にチャットツールやメール、ビデオ会議などを使ったコミュニケーションスキルを磨いてきた人たちは、テレワークの時間が増えてもスムーズに仕事ができているはずです。
どちらが良い・悪いという問題ではありません。大切なのは、どんな働き方をしていきたいかです。もし対面コミュニケーションのスキルをこれからも磨き続けるのであれば、将来的には現場をぐいぐい引っ張っていくスペシャリストを目指すことになります。
一方で、対面以外でのコミュニケーションスキルを磨いていけば、チームの規模の大小にかかわらず意思伝達ができますから、広範な知識と経験をもつゼネラリストを目指すことが可能です。
自分がどちらのコミュニケーション方法に重きを置きたいのかは、そのままどんな働き方をしていきたいのかにつながるのです。
自分の仕事観・人生観が浮き彫りになってきて、未来をぼんやり思い描くことができてきたら、次はその未来に最短で到達するための条件を分析していきましょう。残る二つの質問は、その条件を見つけ出すためのヒントになるはずです。
4. これまでで一番成長を感じられた仕事は?

成長とは、できなかったことができるようになったこと。成長するためには努力が不可欠ですが、努力だけではどうにもならない状況もたくさんあります。
一般的にいえば自分のスキルに対して仕事の難易度が高すぎたり、上司や先輩などの邪魔が入ったりといったことです。
しかし逆にこうした恵まれない状況の方が、「なにくそ!」と奮起してモチベーションが上り成長できる人もいます。
このように成長できる環境は人それぞれ。だから「自分が一番成長できる条件」を知っておかなければ、成長効率が落ちてしまいます。もし自分の理想とする未来を思い描くことができても、到達するまでに必要な時間が延びてしまいます。
だからこれまでのキャリアを振り返ってみて、「あの時の状況が、一番自分にとって成長しやすかった」という仕事を思いつく限り、リストアップしてみるのです。
あとはリストアップした仕事の背景や経緯、進め方などをさらに細かく分析していけば、自分の成長条件を明確化することができます。
5. どんな状況で仕事をすると「楽しい」と感じる?

成功者の多くは「計画段階では慎重に、実行段階では大胆に」といいます。大胆になるためには楽観的になる必要があります。なぜなら人間の脳は「失敗したらどうしよう」と考えると、本能的に保守的になり、積極的な思考や行動が選べなくなるようにできているからです。
こうした仕組みは「楽しい」「楽しくない」の感情でも同じです。前向きな気持ちでいられなければ、人は自分を守るために現状を維持しようとするのです。そのため、思い描いた未来を実現するためには、自分が「楽しい」と思える仕事や職場に身を置く必要があります。
そこで考えるべきなのが、どんな状況で仕事をすると「楽しい」と感じるのか、ということです。条件となるのが仕事内容なのか、人間関係なのか、はたまた両方が重要なのか……。
分析して明らかになった条件が、自分次第で実現できるのなら今の場所で頑張ればいい話です。しかし、もし今の職場で実現できそうにないのであれば、転職を考えるのも一つの選択肢です。また今と違う部署でかなうのなら異動希望を通すための戦略を考える必要があります。
こうして考えてみるとわかるように、「どんな状況で仕事をすると『楽しい』と感じる?」という質問は、効率的にキャリアステップを進んでいくために必要不可欠な問いなのです。
未来を変えられるのは、未来を見据えている人だけ

思い描いた未来を現実にするためには、自分の未来を見据え、その未来に向かって最短距離を突っ走るのがいちばんの方法です。
実際、社会的に成功している人ほど、常に5年先、10年先、20年先を見据えて今の行動を決めています。もちろん行き当たりばったりで成功を掴むことができる人もいます。しかしそれはよほど運が良かったか、才能があったかのいずれかです。
凡人が自分の未来を変えるには、しっかりと先を見据えて、堅実に行動に移すしかありません。完璧に思い描いた未来が実現しなくても、60点でも70点でもいいから未来が変われば、それで十分成功。大切なのは少し立ち止まり、成功体験や楽しいと感じる事柄を棚卸しして自らを掘り下げ、好ましい状況で働ける「ちょっと先の未来の理想」を描くことです。
コロナ騒動により自分の時間が確保できる今だからこそ、自分の未来のキャリアについて考えるチャンスです。ここで紹介した5つの質問をきっかけに、じっくり腰を据えて思いを巡らせてみるのもいいのではないでしょうか。
