ジョギング続いてる?脳科学的にはちょっと散歩をしに行くぐらいがちょうどいいよ

ジョギング続いてますか?

毎日続けている習慣はありますか?日テレの24時間TVで、DAIGOさんが見事100キロのマラソンを完走して、走り終わった後のコメントで、「一緒に練習してくれるスタッフがいなかったら絶対に続けることができなかった」と言ってました。

その通りだろうなと思いましたが、一緒に練習してくれるスタッフがいない僕たちがマラソンに挑戦しようと思ったら、どうすれば良いのでしょうか。脳科学者の茂木健一郎さんがここ数年で苦手意識のあったジョギングを習慣化して、東京マラソンを完走することに成功したそうですが、その成功要因となる脳の使い方を参考に、習慣化のポイントをおさえていきましょう。

なぜ継続するのは難しいのか

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毎日ジョギングを継続した方が健康にも良いし、生活にリズムが出て、より良い生活ができるとわかっているのに、なぜ継続することができないのでしょうか。実はこれには脳の機能が関係していて、ほとんど無意識下で脳の抑制が起こっていて、勝手にやれること、やれないことを判断しているようなのです。この脳の抑制を外すことが、新しい習慣を獲得する時にポイントになります。

そのポイントは「あまり深く考えないことを習慣化する」ことだと茂木さんは言います。「特別なことをやっていると思わない」ことが重要で、「特別なことをやっていると思う」と脳が身構えてしまい、脳の抑制がかかってしまいます。そのため、ちょっと散歩をしにいくぐらいの感じで続けるのが一番いいようです。

頑張るんだと意識すると脳が疲れる

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脳の前頭葉には頑張った時に活性化する、「努力するために使う回路」があるそうなのですが、この回路は、意外なことに何かを習慣化したり継続することに向いてないのです。なぜならこの回路を使うと脳のエネルギーの消耗が大きく、頑張り続けると疲れてしまうそうです。

そのため目の前の努力を「頑張ること」と意識せずに行えるように「習慣化」することが重要なのです。確かにこれは一流のプロスポーツ選手の自主トレ風景を見ていると、感じることがあります。サッカー日本代表の本田圭佑選手の自主トレを見ると、「頑張る」という雰囲気よりも、必要なことを当たり前に淡々とこなしているような印象を受けます。

茂木さんいわく、今の日本人はあまりにも「制約」や「抑圧」が効きすぎている人が多く、それに追われて日々のルーティンワークに埋没してしまうと、脳の中に空き地がなくなってしまい、やる気が育まれないと指摘します。

すぐやる脳をつくるのに茂木さんが実践していることは?

茂木さんが長年の経験から、毎日トップスピードで動くために編み出したという3つの法則をご紹介します。

1. 瞬間トップスピードを習慣化する

リングに上る前に大暴れしていた伝説のプロレスラー、タイガージェット・シンのようにいきなりトップ・ギアを入れて行動するのです。実際にプロフェッショナルの流儀で茂木さんが密着されていた時に寝起きのシーンを見てビックリしたのですが、茂木さんは起きた瞬間に枕元においてあったノートパソコンを取り出して、すごい勢いでタイピングをし始めました。

これが茂木さんの瞬間トップスピードです。普通はとりかかるまでにダラダラすることを、その瞬間にパッと取り組むのです。はじめはできなくても、脳の回路も筋肉と同じで、すぐにやることを繰り返すと強化されてすぐにトップスピードがだせるようになるそうです。

2. 雑談の時間をつくる

無駄な打ち合わせはなるべくせずに、メールで済ませれることはなるべくメールで対応するようにこころがけているそうですがその分、雑談の時間をとても大切にしているそうです。ビジネスの話から、エンタメの話、昔流行ったものなど、どんどん話が展開していく雑談は想像力をとても飛躍させるそうです。

3. ベストエフォート(最善努力)方式

茂木さんが何かに取り組むときは、ベストエフォート方式を採用しているといいます。1日目、2日目、3日目とジョギングを続けて、4日目、5日目と休んでしまったとしても、そこで諦めるよりも、6日目にまた走ったほうがそこで辞めてしまうよりもよいと考えるのが、この考え方です。

実際に茂木さんのtwitterを見ていると、最近は暑すぎて走れないとか、忙しくて走れていないという日がけっこうあります。それでもできる日は継続して走るを続けることで、東京マラソンを完走するまで走れるようになったのです。「やれる範囲でやる」という考え方を徹底することで、自分に対して言い訳する必要がなくなり、やる気を失わずに継続することができるのです。

他人の目を気にしない

やる気を失わずに継続するためには、他人の目を気にせずに、自分の中に評価軸を持つことも重要です。周りにどう思われようとも、自分がやりたいことを自分のペースで自由にやる。そして他人を見ないことです。

いまはSNSによって簡単に他人のことが見えてしまうので、そういったことを意識せずに、自分なりの習慣をつくっていきましょう。もっと詳しく脳のやる気について知りたい人は茂木健一郎さんの著書『「すぐやる脳の」のつくり方』を読んでみてください。

脳科学や行動心理学など、人間の原理原則に関する知識を学ぶのは、とてもコスパの良い投資だと思いますので、常に最新の情報をインプットしていくことをオススメします。

[文・編集] サムライト編集部