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世界第4位のシェアを誇るアシックス
今、スポーツ用品メーカー国内最大手のアシックスが海外で圧倒的に指示されているのをご存知でしょうか。
1位ナイキ(アメリカ)、2位アディダス(ドイツ)にはまだ及びませんが、3位のプーマ(ドイツ)を射程範囲に捕らえたと話題になっています。世界最大のマラソン大会、2011年のニューヨークシティマラソンでは、57%もの参加者がアシックスのシューズを履いてアメリカの広大な土地を走り抜けました。海外のシリアス(熱心な)ランナーから圧倒的に指示されているのです。
この日本のスニーカーがなぜ世界で認められたのか。秘密は、アシックスの元祖である「オニツカタイガー」の復活と、そのブランド力にありました。
オニツカタイガー復活の背景である長期低迷と原点回帰

アシックスのブランドラインである「オニツカタイガー」は、1949年に故・鬼塚喜八郎氏によって誕生し、スポーツ用品メーカー3社が合体して株式会社アシックスができる1977年まで製造されていました。
かつて、1964年に開催された東京オリンピックでは、多くの海外選手にシューズを提供。オニツカタイガーを履いた選手が金銀銅合わせ47個ものメダルを獲得したと話題になりました。アシックス誕生と同時にオニツカタイガーは世を去りました。しかし、15年前から売り上げはほとんど赤字。
その後、売り上げが低迷していたアシックスをなんとか再発進させるため、25年の時を経て欧州でオニツカタイガーが復活しました。当時、欧州ではレトロなデザインが大流行しており、デザインや色合いがシンプルで、底の浅いオニツカタイガーはその流行もってこいです。社長・尾山氏の英断でした。現在は売り上げの7割を海外で稼いでいます。
原点回帰したアシックスは、欧州で新たなスタートを切ったのです。
海外で大人気!オニツカタイガーの魅力

シリアスランナーに指示される高級品
「オニツカタイガー」のブランドラインは、「アシックス」のものに比べ価格帯も上で、海外では高いブランドイメージを持っています。2003年公開のハリウッド映画「キル・ビル」では、主役のユマ・サーマンが黄色いオニツカタイガーを履いてアクションシーンを演じ、海外にオニツカのファッショナブルなイメージを与えました。
また、オニツカタイガーは、日本の職人が、一足一足手洗いし、機械には表現できないような微妙な一手間や味を加え、独特の風合いが生み出されています。
皮の部分はタンニンなめし加工の天然皮革を使用し、洗い加工が見せるそれぞれ違った表情が魅力的で、ジャパニーズクオリティだからこそ生み出すことができるこだわりが詰まった一品に仕上がっています。
尾山氏は、かつての流行り物というイメージから一新し、高級ブティックでしか売っていないシューズにしようと考えました。日本のものづくりの良さが表現されたオニツカタイガーは、その繊細な作りこそが誇りとなって、良いブランドイメージを作り上げているのです。
今流行りのレトロデザイン
60〜70年代に流行ったオニツカタイガーは、そのレトロデザインが今の流行にぴったりだと話題になっています。
スリムなシルエットに薄いソール、シンプルな色合いで、一目見てオニツカタイガーのシューズだと分かる人がほとんどでしょう。当時のアスリートにとっての機能性も考えられているので、その機能美はファッションにこだわる若者の心をくすぐります。
過去には「蜷川実花」や「Harrods」などとコラボしており、デザイン面での追求はとどまる所を知りません。あの独特なスタイルを持つシューズが、今後どのようなデザインで展開されていくのか、気になる所でもあります。
高品質、でも意外とリーズナブル
その高品質やファッション性から、高いブランド力を持つオニツカタイガーですが、値段は意外とリーズナブル。
一番お手頃で大人気のセラーノは8,640円、シンプルで見た目もおしゃれなLAWNSHIPなども12,960円程度で、日本製にこだわり抜いて作られたものを抜いては、だいたい8,000〜12,000円程度で購入することができます。
ナイキやアディダスなどのメジャーなブランドや、人と被るのは嫌だ!という方にはオニツカタイガーのシューズがオススメです。
世界に駆けるオニツカタイガー

アシックスの長期低迷を救ったのは、カジュアルファッションブランドとしてのオニツカタイガーの復活です。原点回帰し、ファッショナブルなイメージを世界に定着した「オニツカタイガー」を持つアシックスは、海外の舞台で戦える日本有数の企業となりました。
アシックスという名前は、創業者である鬼塚氏がかねてから感銘を受けていたラテン語の「Anima Sana in Corpore Sano(健全な精神は健全な肉体に宿る)」という言葉の頭文字を取って付けられたそうです。
創業者・鬼塚氏の伝統と共に世界に飛び出して行くアシックスは、アスリートたちの体を支え、革新的で、刺激のあるライフスタイルを我々に提供してくれることでしょう。
[文・編集] サムライト編集部