編集者が厳選!天職を「本気」で探す人におすすめの良書10選

今の仕事は「天職」ですか?

今「自分は天職に就いている」と断言できる人はどれくらいいるでしょうか。もしかしたら「天職なんてない。今いる場所で頑張れば、今の仕事が天職になる」と信じて、日々努力を積み重ねている人もいるかもしれません。

しかし天職が「自分の性格や能力に合っている仕事」だとすれば、天職は確かに存在します。ここではそんな自分の天職を本気で探そうと考える人が、ぜひとも読むべき10冊の本を紹介します。

「天職」を見つけたいなら、この10冊!

1.『才能を引き出すエレメントの法則 』

著:ケン・ロビンソン、ルー・アロニカ 監修:金森重樹 訳:秋岡史

著者のケン・ロビンソンはイギリスの能力開発・教育アドバイザーで、TED登壇の経歴も持つ人物です。

タイトルにもある「エレメント」とは、音楽家のポール・マッカートニーや物理学者のリチャード・ファインマン博士など多くの成功者に共通する「情熱と才能が出合う場所」のこと。つまりは天職です。

著者はこのエレメントを見つけ、才能を開花させる法則として以下の7つを挙げ、本書の中で解説しています。

1:能力を限定しない
2:好きになる
3:仲間がいる
4:環境から抜け出す
5:チャンスを逃さない
6:メンターと出会う
7:年齢にとらわれない

本書は自分にとっての「エレメント=天職」とは何かを考える、最良のきっかけになってくれるはずです。

2.『新版ずっとやりたかったことを、やりなさい』

著:ジュリア・キャメロン 訳:菅靖彦

全米で25年間も読まれ続けている、自分の才能や創造力と向き合うためのベストセラー。

本書の目的は自分の内側に秘められている「創造的な子ども」を再発見することです。

そのために本書の読者は、毎朝起きてすぐにノート3ページ分の思いついたことを書き連ねる「モーニングページ」と、自分の中の子どものような楽しみに浸る「アーティスト・デート」という、2つのワークを12週に渡って実践することになります。

その過程で読者は「自分のやりたいこと」「毎日を楽しく過ごすための解決策」を見出すでしょう。それらが見つかれば、やることは一つ。思った通りに行動するだけです。

3.『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』

著:トム・ラス 訳:古屋博子

ベストセラーとなった前作『さあ、才能に目覚めよう』は、米ギャラップ社が開発した「自分の強み発見ツール」であるストレングス・ファインダーをもとに、人間が持つ「34の資質」を明らかにするものでした。

新版となる本書ではそこから一歩進み、発見した資質をどう使えば自分の武器になるのか、その資質を持つ人たちを活用するにはどうすればいいのかという内容にスポットを当てています。

もちろん、ストレングス・ファインダーのテストを受けるためのアクセスコード付きです。

天職を見つけるためには、そもそも自分が何が得意なのか、どんな場所で活躍できるのかを知っておく必要があります。本書はそうした自分の資質を知るためのガイドになってくれるでしょう。

4.『君も年収1億円プレーヤーになれる』

著:苫米地英人

コーチングのエキスパートであり、同時に認知科学者でもある著者が、「年収1億円」の人たちを脳科学的見地から分析した本です。分析の対象としたのは以下の3点。

・バランス感覚:価値観や価値基準など
・仕事哲学:考え方や判断基準など
・ライフスタイル:お金や時間の使い方など

「この本を読んで年収1億円プレーヤーを目指せ」というわけではありません。しかしこの本を読めば、年収1億円プレーヤーの頭の中を覗くことができます。

それができれば「自分は年収をどれだけ増やしたいのか」「その年収を実現するためには、自分の性格や能力をどう活かせばいいのか」と考えるきっかけになります。

お金の問題は、天職を探すうえでも重要な問題です。本書はその問題を解決するためのヒントのひとつになるでしょう。

5.『言葉があなたの人生を決める』

著:苫米地英人 監:マーク・シューベルト

全世界60カ国以上、23言語、6,500万人以上が受講した「TPIE」と呼ばれるコーチング・プログラムを開発したルー・タイス氏。

コーチングの元祖とも言われる同氏が体系化した自己啓発メソッドに「アファメーション」というものがあります。

これは「あるルールにもとづいてつくった言葉を自らに語りかける」というシンプルなメソッドですが、人生のゴール達成に強力な効果があり、全世界3,300万人の受講実績もある目標達成方法とされています。

本書はタイス氏とともにTPIEを開発した苫米地英人氏が著し、水泳のマイケル・フェリプス選手の育て親であるマーク・シューベルト氏が監修した一冊で、非常にわかりやすく手軽にアファメーションを学べる本となっています。

本書で基本を理解したら、実践編である『「言葉」があなたの人生を決める【実践ワークブック】』もおすすめです。

6.『自分の仕事をつくる』

著:西村佳哲

2003年に単行本として刊行され、2009年に文庫化された「働き方」論のベストセラー。

著者の西村佳哲氏はデザイナーや大学講師、働き方研究家などの肩書きを持つ人物で、本書以外にも多くの働き方についての本を執筆しています。

本書では日本を代表するインダストリアルデザイナー柳宗理氏やテキスタイルデザイナーのヨーガン・レール氏などすでに亡くなっているプロフェッショナルや、アメリカのアウトドアウェアメーカーのパタゴニア社、日本の建築家集団である象設計集団など、「いい仕事」をする人たちを訪ね、様々な働き方をレポートしています。

そこから見えてくる共通点の一つが「全てを自分の仕事として行動する」という姿です。

大切なのはそこで「今の仕事を自分ごととして見られるようになろう」と考えるのではなく、「自分にとって、常に自分ごととして行動できる仕事はどんな仕事だろう?」と問うことです。

それは天職探しにとって、このうえなく価値のある問いになるはずです。

7.『週4時間だけ働く。』

著:ティモシー・フェリス 訳:田中じゅん

タイトルにある「週4時間だけ働く」というワークスタイルを、「定義→捨てる→自動化→解放」という4つの概念を通じて、丁寧に解説した一冊。

もちろん机上の空論などではなく、著者のティモシー・フェリス氏が「安月給の週40時間労働」「起業家としての週80時間労働」という環境から脱出し、実践してきた経験に基づいたワークスタイルです。

もちろん週4時間労働が絶対的に正しい働き方ではありません。毎日きっちり8時間働いている方が、心も体も充実するという人もいるからです。

大切なのは「こういう働き方がある」と知ること、そして「自分にとって適した働き方はどんなものか?」と自問すること。

なぜならその答えを持っていなければ、天職に出会っても気づけない可能性があるからです。本書はその答えを得るきっかけになってくれるはずです。

8.『ドロップアウトの偉い人』

著:森永博志

今自分が知っている職業や知っている働き方の中に、自分にとっての天職があるとは限りません。そのため本気で天職を探そうと思えば、今自分が知らない職業や働き方を知る必要があります。

そのためのガイドブックになってくれるのが、創刊当時の『POPEYE』や『月刊PLAYBOY』『BRUTUS』の特集記事を担当していた名編集者である森永博志氏が著した本書です。

本書は1980年代に『週刊プレイボーイ』で連載していた記事を編集したもので、ギタリストのChar氏やファッションブランド「ハリウッドランチマーケット」の創業者ゲン垂水氏など、そうそうたるメンバーの物語を読むことができます。

続編となる『続 ドロップアウトの偉い人』『ドロップアウトのえらいひと~島に渡る~』もおすすめです。

9.『生きる技法』

著:安富歩

東京大学東洋文化研究所に教授として所属する経済学者である著者が、自身の生々しい人生体験に基づいて著した人生論。

そこで展開されるのは「自立は、金では買えない」「嫌われるのを恐ると、誰からも愛されない」「あなたの人生の目的は、ほかの誰とも違っている」など、他の本ではなかなか目にしない考え方と、ストレートな言葉遣いです。

そのため本書のページをめくるたびに、読み手は新しい考え方や生き方に触れることになります。そうして読み終わった頃には、世界が大きく違って見えるでしょう。

今までの人生で天職が見つからなかったのなら、そのまま同じ生き方をしていると一生見つからない可能性が高いでしょう。

しかし本書を読んで、今まではとは違う生き方を知れば、きっと今までの人生で見ようとしなかったもの、考えようとしなかったものが目や頭に入ってきます。そうすれば天職が見つかる可能性も高くなるはずです。

10.『自分の中に毒を持て<新装版>』

著:岡本太郎

万博記念公園(大阪)の「太陽の塔」、渋谷駅の「明日の神話」などで知られる芸術家岡本太郎氏の著書。

「過激な言動をする人」というイメージが強い岡本氏ですが、本書でもその鋭さ、激しさは文章からあふれ出ています。

しかしその一方で、「自分のやりたいこととは何なのか」「自分はいったい何者なのか」という漠然とした不安に対して、素朴で丁寧な答えを示してくれており、真面目で誠実な本にもなっています。

また、本書は岡本氏の人生に沿って構成されているため、岡本氏がどんなときにどんなふうに物事を考えているのかを追体験することもできます。

天職を探すうえで最も根源的な問いとその答えの一つを知りたいという人は、まず本書から手にとってみてもいいかもしれません。

「自分に最も適した仕事」を見つけよう

自分の性格や能力に適した仕事に就けば、結果も出やすくなり、成長もしやすくなります。

人工知能などによる機械化が進む現代において、今後も生き残っていくためには、自分が最も高いパフォーマンスを発揮できる天職に就き、そこでスキルを磨いていくほかありません。ここで紹介した10冊の本をきっかけに、本気で天職探しを始めてみてはいかがでしょうか。

Career Supli
どれも名著ばかりです。ぜひ読んでみてください!