面接における質問とは?
「面接の質問タイムでは、どんな質問をすればいいの?」と思ったことのある人は、多いのではないかと思います。
実際、インターネットで「面接 質問」「逆質問」と検索してみると、多くの記事が出てきますね。
今日の記事では、就職活動の面接が三度の飯より好きで、質問タイムにどれだけ密度の高い逆質問をぶちこめるかに執念を燃やしていた筆者が、「面接の質問タイムですべき逆質問の内容」について述べていきたいと思います。
質問とは自分自身を晒してしまう行為
まず述べておきたいことは、「質問というのは、自身についての情報を相手に渡してしまう行為である」ということです。自分の話をするのと同じか、もしかするとそれ以上に、自分のことを相手に知らせてしまうコミュニケーション、それが質問なのです。
このことについて、多くの人は無自覚であるように思います。なぜなら、「面接 質問」「逆質問」と検索して出てくる記事の内容は「どんな質問をすればよいのか」ということに終始しており、「質問そのものの持つ意味」について触れていないためです。
逆質問することで相手にバレてしまう自分の情報は、2つあります。
1つは、相手についての理解力です。
質問というのは、基本的には相手に関する情報の上に積み重ねられるべきものです。その情報とは、面接中に面接官が語った「うちでは今営業が足りてなくて…」という話かもしれませんし、面接以前の企業研究でわかった、その会社が採用において営業を増やしているという事実かもしれません。
そうした情報に対して「現在営業を増員していると思いますが、御社の求める営業はどんな人でしょうか」と問いを重ねるのが、正しい逆質問のあり方です。
しかし、相手についての理解力が無ければ、まるでとんちんかんな質問をしてしまいかねません。既に相手が話したことをもう一度聞いたり、話したことと全然別のことを前提にして質問したりしてしまうと、「こいつ理解力ねーな」と思われてしまいます。
相手が話したことをもう一度聞くなんてあるわけねーだろ、と思う方もいるかもしれませんが、現に私はビジネスの会議などで、相手が懇切丁寧に話してくれた内容をもう一度聞いてしまっている場面を目にしたことが何度かあります。
質問というのは、自分の無能さを晒してしまう可能性のある、リスクの高い行為なのです。
質問と面接は地続き
質問することで相手にバレてしまうもう1つは、自分の興味や関心です。
逆質問は、原則的には自分の興味のある事柄について行うものです。給与などの待遇面について質問する人は「自分が稼ぐこと」について興味があるのでしょうし、勤務地について質問する人は働く場所について興味があるでしょう。
何を当たり前のことを…と思われるかもしれませんが、ここには重大な落とし穴があります。
質問タイムというのは、面接タイム(質問タイムの前の面接本編のこと)と地続きになっているものです。決して、面接タイムと質問タイムがスパッと切り分けられているわけではありません。
つまり、面接タイムで相手に見せてきた「自分自身の像」は、質問タイムにおいても一貫している必要があるのです。
面接タイムで「予期せぬ出来事にも対応していける力があります」と言い切っていた人が、面接タイムで「意に沿わない異動などは多いのでしょうか」と聞いてしまうと、「さっきアピールしていたことは一体なんだったんだ」となりますよね。
自分が相手に聞く番だから、自分についての見え方は変わらないだろう…と軽い気持ちで質問すると、大きなしっぺ返しを食らうことがあるかもしれません。
どんな逆質問をするべきか
以上、「質問することによって相手に晒してしまう自分の情報」について述べてきました。質問がリスクのある行為だということは、わかっていただけたかと思います。
一方で、「質問はありませんか?」と言われて「何もありません」と答えてしまうのは、いかにも心証が悪いです。何らかの質問はしておきたいですね。
もちろん、理想的な形は、面接タイムの間に得られた情報をもとに、「理解力を見せられて」「面接タイムでのコミュニケーションと一貫性のある、自分のアピールに繋がる」質問をすることです。
しかし、世の中には相手からの一方的な質問のみで面接タイムが終わる、尋問にも近いような面接が存在します。現実的には、面接タイムで情報が得られないこともあると考えておくべきです。
そんな時のために、最低一つは質問を事前に用意しておくことをおススメします。
筆者には、就職活動をしていた頃、どこの企業の面接でも使うことのできる、「鉄板の逆質問」がありました。
それは、「御社が今直面している課題と、○○さん(面接官の名前)がご自身の強みを活かしてその課題をどのように解決していこうとお考えであるか、お聞きしたいです」というものです。
ポイントは2つあります。
まず1つは、「面接タイムでの情報」を必要としない質問である、ということ。
上述したように、面接タイムには対話形式で進むものと、尋問のような一方向的なものがあります。そのような中にあって、もし面接タイムが尋問形式で進むものであった場合、そこからの情報の取得は望めません。
どこの企業でも、何らかの課題に直面しているものなので、この質問は踏み台となる情報を必要としない、非常に汎用性の高い質問であったと考えられます。
そしてもう1つは、自己アピールに対して一貫性のある質問である、ということ。
筆者は、面接ではいつも「人の価値観を聞き出す力」を自らのアピールポイントとして挙げていました。相手が自分自身の強みをどう捉えているのか、それをどう活かそうとしているのか、それを聞き出す質問をすることで、自分のアピールが一貫していることを示せるわけです。
もちろん、かなりナマイキな質問であるがために、「なんだこいつ」と思われることもあったでしょうけれども、多くの場合「鋭い質問だね」「なかなか良いところを突きますね」「あなたらしいね」というプラスのフィードバックが返ってきました。
今でも、筆者の人となりを上手く反映できる、必殺の質問の一つだったと自負しています。
質問はカウンターパンチ
質問というのは、ボクシングで言うところのカウンターパンチだと筆者は思っています。それまでの面接タイムで防戦一方だったこちら側に、唯一反撃のチャンスを与えられる時間、それが質問タイムなのです。
カウンターは、相手のパンチの軌道を読み切り、しっかり踏み込んで打たないと、決まりません。
質問も同じです。相手のことをきちんと理解し、自分の打ち込みたいポイントに的確に質問していく。
この記事が、あなたにとっての面接におけるカウンターパンチを授ける一つのヒントになれば、幸いです。
