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「シンプルに生きる」って何だ?
複雑に考えすぎて大切なことを見失っていませんか?実は私たちの人生はとってもシンプルにできています。ここでは「モノ」「思考」「ワークスタイル」の3つの視点から、人生のシンプルな生き方について考えます。「自分は複雑に考えすぎてなんかないよ」という人でも、ひょっとすると知らぬ間に複雑さのワナにはまっているかも。ここで一緒に「人生のシンプルさ」とは何かについて、考えてみませんか?
今時の若者は「ミニマリスト」で「ノームコア」

自分に必要な最低限のモノしか持たない「ミニマリスト」、どこにでも馴染む個性を取り除いたファッション「ノームコア」。2015年8月31日号の『AERA』によれば今時の若者のライフスタイルはこの2つのキーワードで語ることができます。
宇都宮大学農学部2年生のある青年の家の中にはテーブルと椅子、扇風機しかなく、外出用の服は機能性重視のアウトドアブランドものを10着程度持っているだけ。これで1年間を着まわすというのだから驚きです。この青年はさらなるミニマリズムを身につけるためにインドへの旅を計画中なのだとか。
「他人と違うこと」に個性を見出すようなファッションではなく、「他人と同じであること」を重視するファッションがノームコアです。このファッション哲学を取り入れる若者たちは「個性は自分の中にあるから、外面的な個性は切り捨てる」と言います。
「ときめき」というたった1つの片付け術

『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)の著者であり、米『TIME』誌の「世界でもっとも影響力のある100人」にも選ばれた片付けコンサルタント・近藤麻理恵さん。彼女は片付けを「モノを捨てるかどうか見極める」「残すと決めたモノの定位置を決める」という2つのステップに集約し、かつ捨てる基準に「ときめき」というたった1つの基準を定めています。
私たちはモノを捨てようとするとき、「いつか使うかもしれないから」「この服にはこんな思い出があるから」と色々な言い訳をしてモノを残そうとします。しかし近藤麻理恵さんの片付け術にかかれば、「ときめかない」と判断すればそういった細々とした言い訳は全て切り捨てられるのです。
彼女のシンプルな哲学はモノに対する見方だけでなく、生き方すらも変えさせる力を持っているようで、彼女のコンサルを受けたクライアントたちは恋人と別れたり(人間関係の片付け)、ダイエットに成功したり(脂肪の片付け)しているのだとか。
ヨガで考える「死と生」の在り方
中谷美紀さんや篠原涼子さん、菅野美穂さんなど名だたる女優さんたちも夢中になっているヨガ。一般人の間でもヨガや瞑想は今日本で1つのムーブメントになっています。
成瀬ヨーガグループを主宰する成瀬雅春さんによると、このヨガの基本には「常に死を意識する」という考え方があるのだそうです。これは「いつ死ぬかわからない」と毎日をビクビクして過ごすということではなく、「いつ死ぬかわからない」からこそ今この瞬間を面白く、楽しく生きるためにどうすればいいのかを考えようというマインドです。
「自分は将来結婚できるのか」「将来のために貯金をしなきゃ」などの心配事はヨガの基本に従えば全く意味がありません。シンプルに「今」を生きる。複雑なだけで無意味な心配事を切り捨てて、シンプルな生き方を心と体の両方で理解しているからこそ、女優さんたちは美しいのかもしれません。
自由に生きるためにアドラーが教えてくれたこと
ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)の主人公とも言える心理学者アルフレッド・アドラー。本書によれば彼は「自由とは、他者から嫌われることである」としました。私たちは「自由に生きたい」と言いながら、「でも人に嫌われるのは嫌だし」「あの人には自分を好きでいてほしいから」とどんどん自分を不自由にしてしまいます。しかしアドラーはこのような生き方を真っ向から否定します。
相手が自分を好きになったり、嫌ったりするのはあくまでも「他者の課題」であり「自分の課題」ではない。だからそこに介入するのは間違っていると言うのです。
人間関係でがんじがらめになってしまっている人は、自分と他者の課題が複雑に絡んでしまっているのかもしれません。まず自分の課題と他者の課題を整理し、「課題の分離」をしてみましょう。自由への道がきっと見えてくるはずです。
都会と田舎、「時間に追われる」の違い
東京の大手IT企業を辞め、徳島県神山町で専業農家としてリスタートを切った加藤宏行さん。神山町は多くのIT企業がサテライトオフィスを設けるほどインターネット環境が整った場所で、加藤さんも新しい商売を始めるならインターネット環境が必要と、神山町をリスタートの舞台に選んだのだと言います。
加藤さん曰く「時間に追われているのは東京の頃と一緒」なのだとか。しかしそこには違いがあって、東京の頃は自分を自分で励ましながら身を削って働いていたのに対し、今は「本当に自分がやりたいことだけをやっているので生きている実感がある」。
「やりたいこと」に特化した加藤さんの生き方もまた、「シンプルな生き方」の1つと言えます。情報量にせよ、人間関係にせよ、都会の生活は複雑すぎることが多いものです。
「まだ東京で消耗してるの?」
プロブロガー・イケダハヤトさんも現代人の生活の無駄の多さを指摘している1人です。「まだ東京で消耗してるの?」の2015年10月11日のエントリーではイケダさんが実際に家族で住んでいる小さな家(42平方メートル)の紹介をしながら、「掃除の楽さ」や「モノが厳選される」というメリットについて語っています。
その翌日10月12日のエントリーでは「今の仕事に違和感は感じるが、楽しさもあるし、やり甲斐もある」と言って自分を無理に納得させて働いている相談者に対して「自分で判断することからの逃げだ」と指摘。違和感なく働ける環境を自分で見つけ出す勇気を持とうとアドバイスしています。
大切なことはいつだってシンプルだ
私たちは「言い訳」や「逃げ」「常識」などで物事を複雑にし、結局最も大切でシンプルなことを見失ってしまいがちです。でもそれではいつまで経っても自由にはなれません。
ここで見たような「モノ」「思考」「ワークスタイル」の3つの視点で、もう一度自分の生き方を見直し、より自由に生きるためにシンプルな生き方を身につけてみませんか?きっとそこにはあなたの知らない「幸せ」が待っているはずです。
