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バブル到来か!?
新年度がはじまり初々しい新社会人を目にしますね。先日行われた2015年の春闘で、7497円(平均2.4%)の賃上げが発表されました。この数字は2000年以降では最も高い水準の給与アップとのこと。
「会社の給与アップのニュースを見て今から楽しみ」という方も、「私には関係ない」と肩を落としている人もいると思いますが、今回は「給料」の高い企業の特徴をご紹介していきます。
給料が高い理由その1.
法律で守られている

免許などによって新規の参入ができない業界は、給与の高い企業が多いです。
例えば電波法、放送法に守られているテレビ局もその1つ。
テレビを放送するための免許制度やNHKの受信料支払いを義務付けているこれらの法律によって、テレビ局は利益率の高いビジネスを生み出すことができます。
例えば、1時間番組にクライアントが1億円のスポンサーを払って、テレビ番組を作成した場合を想定してみましょう。
大手の広告代理店が取る手数料は、全体の15%にあたる1500万円。スタジオ経費が2300万円、番組制作会社への外注費が900万円です。テレビ局は5300万円を手にすることが出来ます。
もちろん番組内容によっても異なり、ここから放送設備の維持費や減価償却費などが発生しますが、基本的に利益率は高いです。
このビジネスモデルは盤石に見えますが、今秋に動画配信サービスに旋風を巻き起こしている、ネットフリックスが上陸します。そうなるとTV局も変わらざるを得なくなるでしょう。5年後も、高給を維持できているか、気になるところです。
給料が高い理由その2.
参入障壁が高い

参入障壁が高い業界は、給与の高い企業が多いです。その代表が製薬会社です。
アメリカに次いで、世界第2位の9.4兆円(2013年)の売り上げがある日本の製薬業界ですが、景気に左右されにくく、新薬の場合には特許による価格の上積みも期待できることから、収益を生みやすいビジネスモデルです。
ただし新薬の開発には、膨大な費用と時間がかかります。開発から商品化されるまでに20年かかる場合もあるため、新規での参入が非常に難しいのです。また、製薬会社は利益率がすごく高いのも特徴です。
給料が高い理由その3.
ブランドが確立されている

「どうしても欲しい」と思わせてしまう、ブランドが確立されている企業は給与の高いところが多いです。ブランド商売として代表的なものが化粧品ですね。
数万円単位の高級な商品も多くありますが、原材料の大半は水と油。原価価格にして30円程度です。
「コエン◯イム」など、セールスポイントになっている魅力的な物質も、入っている割合は全体の1%程度。高級感あふれるパッケージやブランディングが価格を大きく押し上げて、利益率の高いビジネスを実現させています。
給料が高い理由その4.
営業利益率が高い

営業利益率が高い企業は、高い給与をもらいやすい傾向にあります。営業利益率とは、企業の売上高に対する営業利益の割合のことで、収益性を判断する指標ととして使われています。
上場企業の営業利益率の平均は4.6%(2011年4~12月)ですが、この数字を大きく上回る50%の企業があります。
自動車などの製造設備などを販売しているキーエンスです。2000年以降、常に営業利益率40%を超えてきたキーエンス。
2014年10月15日付の「東洋経済オンライン」に掲載された「40歳年収が高い会社」にも
年収1662万円で堂々1位にランクインしています。
1位、キーエンス、1662万円
2位、日本M&Aセンター、1602万円
3位、野村ホールディングス、1452万円
(出典:14年10月15日付東洋経済オンライン)
従業員の平均年間給与は1440万円。キーエンスが日本一給料の高い企業に君臨しつづけている理由は主に2つあります。
まずは自社で工場を持たず、外部に生産を委託する「ファブレス」という形をとっていること、次に「世界初」、「業界初」など、付加価値の高い独自性のある商品を販売していることです。今後は海外展開にも力を入れていくようで、さらなる成長が期待できそうです。
給料が高い理由その5.
ビッグデータを持っている

顧客情報などのビッグデータを持っている企業も、給与が高い傾向があります。土地などの場所を必要としないばかりか、ビジネスに直接結びつくことが多いビッグデータは、利益率の高いビジネスモデルをつくりやすいと言えるでしょう。
身近な例だと料理レシピの検索サイトを運営する「クックパッド」です。クックパッドの主な収益は月額280円の会費と、サイト内広告です。登録されたレシピは4万8000件、有料会員150万人超えるサイトに成長したクックパッドの2014年12月期の売上高は67億円。
有料会員限定で使える「人気レシピをいち早く見つける検索機能」や、レシピの感想を書きこむ「つくれぽ」が、支持されている主な理由です。
4月1日には、生活雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)の編集長だった松浦弥太郎氏の入社が発表されました。
編集者として最前線で活躍されてきた松浦弥太郎さんが、ビックデータをどのように料理するのか、今後の展開が楽しみです。
給与が高い業界には明確な理由がある
「給与をあげるにはどうしたらいいんだろう?」とだれしも一度は悩んだことがあると思います。
個人の努力も必要ですが、給与が高い業界には、明確な理由があります。今回ご紹介した例を参考に、可能性のある企業を探してみてください。
[文・編集] サムライト編集部