せっかく転職しても入社後すぐに「やっぱり違ったかも…」と後悔する人は少なくありません。本記事では転職を検討中の方に向けて、転職を後悔してしまう理由をはじめ、後悔しない転職先の探し方や失敗しないための転職準備の仕方、さらに入社後すぐに転職したいと思ったときの対処法などについて紹介します。
Contents
転職を後悔してしまう4つの理由
転職活動がうまくいき、せっかく希望の企業に就職できても転職を後悔する人はいます。なぜ自分で決断したことにもかかわらず、転職を後悔してしまうのでしょうか。
待遇に関する後悔
まず、転職先の待遇に関する後悔が挙げられます。前職よりも給与や労働時間などの待遇の改善を目的として転職する人はとても多いです。しかし、転職後に思っていた待遇と違うことで悩む人は少なからずいます。
その原因は「待遇に対してきちんと確認しなかった場合」と「聞いていた待遇と実際の待遇が違う場合」の2つがあります。
入社後に聞いていた待遇と実際の待遇が違う場合回避は難しいですが、自分の確認不足による転職後の待遇のギャップは、転職時にある程度防げます。たとえば、求人票を確認するとき、面接のとき、内定承諾書をもらったときなどに待遇の詳細についてきちんと把握し、不明な点があれば企業に確認しましょう。
さらに休暇制度や残業時間の扱い、休日出勤の頻度、研修制度などあらゆる点で確認することも重要です。なぜなら、給与が上がっても休日出勤が多くて仕事量が大幅に増加するようならば、それは「待遇が悪い」可能性があるからです。
そのため「求人情報に記載されている給与に残業代は含まれているのか」、「残業時間はシーズンによりどれほど増減するのか」など、転職の際はさまざまな角度から待遇に対して確認するようにしましょう。
職場環境に関する後悔
職場の雰囲気や同じ職場で働く上司や同僚といった人間関係で後悔する人も少なくありません。上司や同僚については相性もあるうえ、かかわっていく中で「やはりこの人と合わない…」とわかることもあります。
ですので、事前に把握しておくことは難しいですが、面接時の担当官や働く人の様子などを観察し、どのような雰囲気の環境なのかを可能な限り確認しましょう。
仕事内容に関する後悔
仕事内容について後悔する人はとても多いです。転職し、任された仕事をする段階になってから「思っていた仕事と違う…」ということはよくあります。これは求人票や面接時の内容と実際に任された仕事にギャップがあるほど、失望や後悔が大きいと言えるでしょう。
また、自分が本当にしたい仕事をすることが転職理由だった場合や、昇進やキャリアアップにつながりにくい仕事を任された場合なども仕事に対するモチベーションを維持することが難しくなるため、大きな後悔につながりやすいです。
社風に関する後悔
社風は企業ごとに異なり、人によっては社風が合わないと強いストレスを感じることがあります。
たとえば、「企業独自の行事やルールがある」「上下関係が厳しい」「イベントや飲み会への参加を強要される」「内部の雰囲気になじめない」「働き方が自分に合わない」など、社風に関する後悔はさまざまです。
とくに仕事内容や待遇ばかりを優先して転職すると「仕事内容や待遇は問題ないのに、どうしても社風になじめない…」と強いストレスに悩まされる可能性があります。このような事態を招かないためにも企業の情報収集を徹底し、面接時には自分に合う社風かどうかを確認しつつ進めましょう。
後悔しない転職先を探すためのポイント
後悔したからといって、前の職場に出戻りで再就職するのはほぼ不可能です。では、後悔しない転職先を探すにはどうすればよいのでしょうか。押さえるべきは以下の3つのポイントです。
転職の軸を決める
今の会社に不満があるからと安易に転職すると「こんなはずではなかった…」と後悔しやすいです。そこで転職すると決めたら「これだけは譲れない」という転職目的の軸を決めましょう。
転職において給与や仕事内容、職場環境などすべてが希望通りになることはめったにありません。多くの場合、どこかを妥協することになります。
このようなときに何を優先するべきか迷わないためにも「転職する最も重要な目的」すなわち「譲れない条件」を明確にしておくことが重要です。
企業研究・情報収集を行う
転職を後悔する原因として、転職時の企業情報収集不足や企業研究不足が挙げられます。転職の軸や希望する企業が定まったら、その企業について徹底的に情報を収集し、自分の希望にそった企業であるかを見極めることが大切です。
情報の取得方法は、企業のホームページやパンフレットをはじめ、企業情報をまとめたサイトや口コミを参考にする方法などがあります。また、その企業で働いている人に話を伺う(OB訪問)のもひとつの手段です。
そして企業については企業の立ち位置や方向性など客観的な視点からも検討することが大切です。さらに自分が気になること、社風や人間関係といった入社後でなければわかりにくいことはできるだけ面接時に質問をして解消しましょう。
なお、情報収集時には安易にネットの情報を信用することはおすすめしません。正しい情報を精査し、自分にとって必要な情報だけを集めるようにしましょう。企業をよく知ることは転職の失敗が防げるだけでなく、志望動機を書くときや転職を決める際にも役立ちます。
待遇面の交渉も行ってみる
転職活動は新卒の就職活動とは異なり、これまでのキャリアで培ったスキルやノウハウを企業にアピールし、企業にとって有用な人材と見なされれば、待遇面の交渉に応じてもらえる可能性があります。
交渉はメールや電話ではなく、面接時に行うのが理想です。そして交渉内容は大幅な待遇の改善や過剰な要求は避け、給与であれば相場を理解したうえで前職よりもやや高い希望額を提示しましょう。
または交渉に自信があるなら、はじめに高めの希望額を提示し、相手の反応を見ながら金額を調整するのもよいでしょう。
ただし、一方的に企業に要求するのは自分の印象を悪くするだけです。自分が企業にどのような貢献ができるかを前職での評価や持っているスキルなどを話題に取り上げ、希望額を支払うだけの価値があることをアピールして交渉を進めましょう。
転職の失敗談 3つ
転職で失敗しないためには、さまざまな失敗例を知ることも大事です。ここでは転職においてよくある失敗談について紹介します。
自己分析不足の転職
転職活動は基本的に「自己分析」「情報収集」「応募」「面接」の順番に進めます。
しかし、今の職場に不満があるからと、自己分析や情報収集といった転職準備を省いて勢いで企業に応募してしまうと、まったく採用がもらえなかったり、焦って間違った選択をしてしまったりと転職に失敗してしまいます。
とくに自己分析を怠ると、転職で実現したいことや自分のアピールポイントが明確でないため、転職活動がうまく進まず、仮にどこかの企業に転職できても入社後に企業とのミスマッチを感じて後悔する可能性があります。つまり、希望の転職ができるかは「自己分析」「情報収集」といった転職準備で決まると言っても過言ではないのです。
自己分析をする際は、自分が抱えている不満や問題を書き出し、転職で実現したいことを明確にし、今まで培ったキャリアやスキルを振り返りましょう。
十分な自己分析をすることで自分が本当に活躍できる企業が見つかりやすくなり、自分の長所や得意なことが整理できるため、応募書類や面接時のアピールポイントになって後悔しない転職につながります。
比較検討不足の転職
転職する際は、複数の企業の内定時期をそろえて比較検討できる状態にするのが理想です。内定時期を考えずに無計画で転職を進めると、より自分の希望に合った企業があった場合、転職を悔やんでしまいます。
また、転職後に「もっといい条件の企業があったのでは…」と後悔するきっかけにもなります。
とくに30歳や40歳、入社後10年目など大きな節目が迫っていると、これからの働き方を見つめ直すことが多くなり、焦って転職しようとしがちです。しかし、いざ転職したあとに「本当に転職する必要があったのか…」と後悔することもあるため、前職も含め複数の企業を比較検討して転職しましょう。
労働条件が確認不足の転職
内定時に提示される労働条件をしっかり確認せずに承諾し、入社後に「話が違う」ということは転職の失敗としてよくあることです。
たとえば、「お店の準備や後片付けはサービス残業だった」「労働時間が不規則だった」など、労働条件をあまり確認せずに承諾すると入社後トラブルに発展するおそれがあります。
ただし、どんなに書面を確認しても「残業が常習化している」「達成ノルマが厳しすぎる」といった入社後ではないとわからないこともあります。
このような事態をできるだけ回避するためには、提示された書面だけでなく、自分で事前に調べたり面接の際に質問したりして労働条件をきちんと理解することが大切です。
入社してすぐ転職したいと思ったときの対処方法
入社後すぐに転職したいと思ったら、どうすればよいのでしょうか。まずは以下の点について振り返ってみましょう。
転職する目的は明確になっているか?
何のために転職するのか、目的は明らかになっているでしょうか。漠然と現状を変えたいだけでは転職はうまくいきません。「知人が転職したから」「早く今の会社を辞めたいから」といったあいまいな動機も失敗を招きます。
転職する意思があるのならば、転職して何をしたいのか、しっかりとしたビジョンを持つことが大事です。そのためにはまず自分がなぜ転職したいのか、その目的を明確にするべく自分に問いかけてみましょう。
自身のやりたいことを優先しすぎていないか?
入社してすぐに任される仕事は基本的に重要なものはほとんどなく、ありきたりな雑務をこなします。しかしこういった仕事を「自分がしたかった仕事ではない!」とすぐに決めつけるのは間違いです。
企業を知るうえで雑務はとても大切な仕事であり、任された仕事を丁寧に行うことで事態がよい方向に進み、やりたい仕事やスキルも増えていくものです。
ですので、経験や実績が少ないうちは「やりたいこと」を仕事にすることはとても難しいことと理解し、転職を検討する前に今の会社で納得できる仕事が今後できるかどうかを考えてみましょう。
満足できないのを環境や他人のせいにしていないか?
自分が抱えている仕事の不満を職場環境や周囲のせいにしていませんか。「周りが悪いから仕事がうまくいかない」、「環境を変えれば、仕事がうまくいく」という考えでは、転職先でも同じことを繰り返す可能性が大いにあります。
「転職をすればすべて解決する」という考えは捨て、まずは自分の意識を変えましょう。そして人間関係に悩んでいるならば、上司に相談したり異動届を出したりと自分で考え行動することで解決を目指してみましょう。
失敗しない転職準備
前述したように転職を成功させるためには、念入りな転職準備が不可欠です。では、どのような準備をすればよいでしょうか。
転職理由を深掘りし、自分の目指す将来を考える
転職の一歩を踏み出すときは、自分がなぜ転職をしたいのかを深く掘り下げて自分の目指す将来について考えましょう。これは数年先ではなく数十年先を見据えてビジョンを明確にすることが重要です。それから転職したいと考えた根本の原因をはっきりとさせましょう。
スキルアップやキャリアアップなどの明確な指標や目標がある場合には、現在の職場で実現可能なのかを想像し、難しそうならばどのような職場に転職したら達成できるのかを考えてみましょう。
就業条件を事前に確認する
転職後に後悔する理由で多いのが、就業条件のマッチングミスです。これを防ぐためにも業務内容や範囲、残業の扱いといった就業にかかわる条件についてきちんと確認することが大切です。
とくに給与は、求人票などには額面しか記載されていないことが多いため、時間外手当や休日出勤手当、通勤手当なども含めて確認しましょう。
また、自分の将来を見据えて資格手当があったり、育児や介護の制度が充実していたりなど働きやすい環境が整っているかどうかもチェックしましょう。
まとめ
転職して本当に自分が希望する仕事ができれば、これほどよいことはありません。しかし、転職する目的が明確でなかったり、自己分析や企業情報収集が不十分だったりすると、転職後に後悔する可能性が大いにあるため、転職活動ではこのような事前準備を入念に行うことが求められます。
転職を決意しても入念な事前準備ができるか不安という方は、転職エージェントの活用をオススメします。転職エージェントに相談すればキャリア相談や企業情報が入手でき、転職経験がない方や忙しい方でも安心して効率よく転職活動が行えます。
[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部