人気業界での転職を有利にする資格
転職をする際ライバルとの差別化に役立つ「資格」。これまでキャリアサプリでも、資格に関するハウツー情報をご紹介してきました。
『転職でコミュニケーション能力を実証するために取るべき資格』
今回は、4つの人気業界での転職を有利にする資格保有のポイントをお届けしていきます。転職や資格取得を目指しているかたはぜひ参考にしてみてくださいね。
IT系で重視される資格保有のポイント

まず、IT企業が評価対象とする資格保有の3つのポイントについて見ていきましょう。
自身のキャリアプランと結びついていること
プロジェクトマネージャー、セキュリティー系資格は特に高評価
将来を見据えたビジネス系資格も武器になりやすい
IT分野の資格には「基本情報技術者」や「応用情報技術者」などの国家資格と、「オラクルマスター」や「シスコ技術者認定」といったベンダー資格があります。これらの資格は実際の業務で必要な技能と密接に結びついているケースが多く、資格の有無によって採用サイドは人材のレベルを判別しやすくなります。
このように、保有する資格によって直接評価につながりやすいのがIT業界の特徴のひとつです。特にSI(システムインテグレーション)事業者のようなメーカー系の企業や、通信会社や商社のようなユーザー系の企業では資格が重視されやすい傾向にあります。
近年では不正アクセスへの対策や個人情報や機密情報漏洩防止などの重要性も高まってきていて、「情報セキュリティスペシャリスト」や「ネットワーク情報セキュリティマネージャー」などのセキュリティー系資格も注目度が高いようです。
また「プロジェクトマネージャー」や「システム監査技術者」も合格率10%ほどという難関資格ではあるものの、月収3〜5万円アップが見込めるキャリアアップに役立つ資格です。さらに、将来見据えてビジネス系の資格を持てれば、まさに”鬼に金棒”ですよ。
金融系で重視される資格保有のポイント

金融業界で評価対象となる資格保有のポイントは次の3つです。
「証券アナリスト」レベルの資格は業界未経験の場合でも高評価
語学力アピールは年収アップにつながりやすい
実績と希望をしっかり分けてPRすることが大切
「ファイナンシャルプランナー」や「銀行業務検定」など、金融業界には業務と密接に結びついた資格が多く存在しますが、転職にあたり評価される資格は限られてきます。
キャリアアップのために未経験の職種を目指す場合、資格が重要なアピール材料となってきます。必要な知識やスキルをあらかじめ取得しておくことで、その仕事への強い意欲や本気度が示すことができるのです。ただしこの場合は「証券アナリスト」や「USCPA(米国公認会計士)」レベルの資格が目安となってきます。
また金融業界でも語学力のニーズは高く、同じ業務内容でもTOEIC900点以上であれば、1.2〜1.5倍の年収アップが見込めるでしょう。転職時のアピールの際には「できること(実績)」と「やりたいこと(希望)」をしっかり分けてPRすることで、担当者に好印象を与えやすくなります。
※転職面接で使える資格のアピールの仕方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
『転職面接で資格をアピールする際に押さえておくべき6つの鉄板テクニック』
事務・管理系で重視される資格保有のポイント

事務・管理系で評価対象となる資格保有のポイントは次の3つです。
資格保有は正確な知識習得の証明となる
公認会計士はニーズ大、法務系は企業内弁護士などが狙い目
簿記2級以上はマスト、英語力も優位に
法務や経理といった事務・管理部門は特に正確な実務知識を要求される職種です。一時は合格者数が減らされ、監査法人での採用も激減した「公認会計士」も、現在は需給が逆転しており、監査法人、企業ともにニーズが高まっている状況です。また、「税理士」の登録者は60代以上が多く、若手には特に狙い目と言えるでしょう。
一方、制度改変の影響で有資格者が増え、求人の低迷が続く弁護士資格保有者の新たなキャリアとしておすすめなのが「企業内弁護士」という選択肢です。最初から企業内でスキルをスキルを生かすことを目標に資格取得するのも良いでしょう。
また会計系の仕事において、日商簿記検定は2級以上からが評価対象となります。学歴に差があったとしても、簿記1級を保有していれば経理に詳しいと評価され、即戦力として期待されやすくなります。
さらに管理部門においては、英語力(特に読み書きの能力)をアピールすることで優遇されるケースも少なくありません。TOEIC600点もあれば、十分な評価対象となるでしょう。
外資系で重視される資格保有のポイント

外資系で評価対象となる資格保有のポイントは次の3つです。
実力主義傾向が強く、資格はあくまでも補完的なもの
TOEIC760点がボーダーラインとしてあるが、点数よりも会話力が重視されやすい
日系企業よりもコミュニケーション能力が重視される
外資系企業における転職では「SPCA(米国公認会計士)」や「外務員」、製造業のエンジニア関連ではシックスシグマ系の「ブラックベルト」や「CATIA認定技術者」、IT関連では「CISSP認定」や「コンピューターサイエンスの学位」などが役立ちます。
ただし外資系企業では、これまでの実績が主な評価対象とされるケースが多く、資格保有だけでは評価されにくいので、あくまでも補完的なものとして捉えておいたほうが良いでしょう。
特に重要視されるのは英語力で、TOEIC760点以上がひとつの目安となります。700点以下である場合は履歴書には記載せず、面接で実際の英会話力をアピールしたほうが無難です。
外資系では面接官が外国人のことも多く、彼らが重視する要素のひとつがコミュニケーション能力です。面接は質問を待つのではなく、自分から質問を投げかけるなど、会話を積極的に楽しむことが成功への近道となるはずです。
