突然ヘッドハンティングの電話が来て、返事に困っていませんか?この記事では、ヘッドハンティングに関する基礎知識や電話への対応方法について解説します。これからヘッドハンティングに対して最適な対応が取れるように、知識を身につけましょう。
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ヘッドハンティングとは
ヘッドハンティングとは、英語で直訳すると「首狩り」という怖い意味ですが、ビジネスの世界では別の企業で活躍しているとくに優秀な人材を、自社にスカウトして引き抜こうとする人材採用形態のことです。日本国憲法第二十二条一項で国民には「職業選択の自由」が認められているので、違法行為ではありません。
企業にとっては、新たに求職者を募って、応募者の中からよい人材を探すよりも、スキルがある人材をスカウトするほうが有能な人材を確実に獲得できます。かつてヘッドハンティングを採用している企業の多くは外資系企業でしたが、最近は日本企業の導入も増えてきました。
ヘッドハンティングには細かく分けるとさまざまな種類があり、中には転職を希望していなくてもスカウトの電話が来るパターンもあります。はじめて電話を受けたときは驚くかもしれませんが、今やヘッドハンティングの連絡が来ることは珍しくはありません。
【参照】:日本国憲法
ヘッドハンティングの電話はどんな会社がかけている?
ヘッドハンティングの電話は、必ずしもその企業の関係者が直接かけているわけではありません。どんな人がかけてくるのか、大きく3つのパターンに分けて解説します。
一般企業
人材をスカウトしたいと考えている企業が、ダイレクトに電話をかけてくるケースです。この場合に多いのが、①企業同士で昔から長い付き合いがある、②仕事を発注していた側の企業が、受注側の企業の担当社員を引き抜きたいと考える2つのパターンです。
いずれにしてもその社員のスキルや働きぶりを近い場所で見ているため、即戦力になることを期待して電話をかけてきたと考えられます。スカウトされた側から見ても、その企業の社風や働き方、これから同僚になりうる社員たちの雰囲気などを十分理解している上での連絡であるため、マッチングの失敗が起きにくいケースといえるでしょう。電話での連絡以外にも、Facebookや各種SNSなどを利用してコンタクトを取ることもあるようです。
ヘッドハンティング会社
今、最も一般的な手法になっているのが、ヘッドハンティング会社を経由して電話がかかってくるケースです。これはいわゆる「非登録型」「スカウト型」「サーチ型」などと呼ばれるヘッドハンティング方法で、企業から依頼を受けたヘッドハンティング会社が人材発掘および連絡作業を代行します。
ヘッドハンティング会社は人材発掘を専門とする会社なので、独自の情報源やネットワークを通じて希望条件に沿った人材を探し出します。そのため、電話口の相手がその企業の人間ではなく、ヘッドハンティング会社の社員であっても、まったく問題はないということです。
もしも電話を受けた後にもっと詳しい話を希望するなら、その企業の担当者とヘHッドハンティング会社の社員を交えて面談を行います。双方の希望が一致したら、入社の手続きに進んでいきます。
転職エージェント
中には、転職エージェントがヘッドハンティングの電話をかけてくるケースもあります。これは「登録型」と呼ばれる手法です。前もって求職者が登録フォームに必要事項やPRポイント、希望条件などを記入しておき、その内容にマッチした企業の求人があれば転職エージェントが電話をかけてくれます。
つまり、プラットフォーム上で本人の希望条件に合う企業が見つかったため連絡をしてきたということです。登録作業を行わないと電話は来ません。そのため、転職希望者でない人はこのケースには当てはまらないでしょう。
この場合は企業から直接スカウトされているわけではないので、もし入社希望の意向を伝えても、あくまで次の選考段階に進むというだけに過ぎません。電話が来たとしても、内定が確定しているわけではないため、勘違いしないようにしましょう。
ヘッドハンティングで転職するメリット
ここからは、ヘッドハンティングを利用して転職した際のメリットについて解説します。自分にとって有益かどうか、よく考えてみましょう。
給与が上がる可能性が高い
ヘッドハンティングは一般的な採用方法とは異なり、転職意欲がない人に対してもオファーを出すことがあります。現在の労働条件や仕事内容に満足している人を引き抜くためには、より魅力的な条件を提示しなければなりません。
そのため、現在に比べて給料アップする可能性が高いといえます。給料だけではなく、労働時間や年間休日の日数なども好条件を提示してくるかもしれません。給料をアップすればするほど企業側は大きな出費が求められますが、そこまでして獲得したいほど、ヘッドハンティングで声がかかる人は有能な人材だということです。
重要なポストにつける可能性が高い
ヘッドハンティングで確保しようとしている人材は、一般的に中堅層〜役員を見越したハイクラスポジションを想定しています。そのため、入社後は重要なポストを任せられることが期待できます。かなり高いコストをかけたとしても、将来的に企業のためになる人材だと判断されているといえるでしょう。
このような環境で働くと、自分の仕事が正当に評価してもらえます。結果を残した分だけ高評価が得られ、長期的な視点で大事に育成してもらえるでしょう。その意味で、無駄なストレスを感じずに済みます。このような理由から、できる限り上位のポジションまで出世したいというキャリアプランを描いている人に、ヘッドハンティングは適しているといえます。
ヘッドハンティングの電話を受けたときの注意点
いざヘッドハンティングされたときは、いくつかの注意点を頭に入れておく必要があります。どうやって対応すればよいのか、1つずつ確認していきましょう。今回は、とくに注意すべき3点を解説します。
信頼できる会社かを確認する
場合によっては、悪質な詐欺電話であることも考えられます。入社をちらつかせながら高額なセミナー参加料を求めてきたり、保証金の振込を依頼してきたりするかもしれません。中には、有能な社員を退職させて企業力を減退させるために、競合企業が社名を偽って嘘のヘッドハンティング電話をかけてくることもあります。
こういったトラブルを防ぐためには、電話を受けた際に必ず企業や電話口の相手自身の素性を確認しなければなりません。名前や所属先を聞き出した後は、厚生労働省の認可を受けているかどうかなど、本当にその情報が正しいのか正誤確認まで行いましょう。もしも金銭の振込を依頼してきたら、その時点で詐欺だと判断して連絡を止めるようにしてください。
転職条件をしっかりと確認する
給与や雇用形態、詳しい業務内容などの転職条件は、紙媒体の資料やデータなど、形に残るものを用意してもらうことが重要です。電話や面談の案内だけだと明確な証拠にならないからです。役員での採用だと聞かされていたのに、いざ入社してみると、一般の社員と同格の立場である、名ばかり役員だったということも考えられます。
任期満了後は役員から退かなければならないケースもあるので、転職条件の詳細情報を取得する際は慎重に行いましょう。具体的な入社後のビジョンを浮かべられるようにするためにも、必要な手順の1つです。
自分のキャリアプランを確認する
ヘッドハンティングの連絡が来たときは、自分の仕事が正当に評価されたと感じて嬉しく思うことでしょう。
しかし、1番大切なのはあくまでも、自分のキャリアプランに沿った判断ができるかどうかです。好条件を提示されたからといって即断即決するのは、非常に危険な行為です。たとえ給与や雇用形態が魅力的だったとしても、自分が希望する働き方にそぐわない企業なら、入社しないほうがよいかもしれません。
よく考えた上で、現職の方がキャリアプランに合った働き方ができると判断したなら、ヘッドハンティングはきちんと断りましょう。断り方に配慮すれば、大きなトラブルに発展することはないので安心してください。
ヘッドハンティングと転職エージェントの違い
ヘッドハンティング会社と転職エージェントの大きな違いは、そのビジネスモデルのあり方です。
転職エージェントは、転職を希望している人それぞれに担当者が配置され、転職活動そのものをサポートしてくれるサービスです。ときには悩み相談もでき、1から親身になって転職活動を支えてくれます。これに対してヘッドハンティング会社は、あくまでも条件に合致した人材を探し出し、企業とのパイプ役を担っているに過ぎません。
ヘッドハンティングが来たからといって安易にその条件を受け入れるのではなく、能動的に転職エージェントを活用し、自身のキャリアプランと向き合って、担当者と相談しながら転職活動をしたほうが、理想的な働き方に近づけるでしょう。ヘッドハンティングされるにはどうすればよいのかを考えるよりも、自分から積極的に転職エージェントを利用したほうが、自分の希望や条件に合った企業が見つけやすく効果的だということです。
ヘッドハンティングは、企業が有能な人材を探してコンタクトをしてくることです。魅力的な条件で重要なポストを任され、活躍できることもあります。いっぽう、転職エージェントは自分の希望条件に合致した企業が見つけられる可能性があり、自身の描く理想のキャリアプラン実現に効果的です。
まとめ
ヘッドハンティングは、外部の優秀な人材を企業が直接スカウトする採用方法です。大幅な報酬アップや重要ポストへの出世など、多くのメリットが期待できます。ヘッドハンティングの電話がかかってきたときは、企業名や電話口の相手の素性を確認したり、契約条件の内容をきちんと把握したりするようにしましょう。
しかし、転職について明確なビジョンを持って活動している場合は、必ずしもヘッドハンティングを受けることが正解とは限りません。転職エージェントに相談して、自分のキャリアプランに沿った働き方を模索するほうが、よい結果が得られるかもしれないからです。理想の働き方を見つけるために、転職エージェントの積極的な活用を検討しましょう。
[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部