ラクに楽しく働こう!「自分のフィールド」を見つけるための逃げ腰戦略

勝てるフィールドなら、仕事は楽しくなる

「仕事なんて面白くなくて当たり前」

そんなふうに諦めて、毎日の仕事をこなしてはいないでしょうか。確かに仕事は楽しいことばかりではありません。ビジネスパーソンとして成長するためには、試練を乗り越える経験も必要です。

しかし世界最大級のビジネス特化型SNS「Linkedin」が行った「タレントトレンドレポート」によれば、日本人のビジネスパーソンの仕事に対する満足度は65%(非常に満足17%、まあまあ満足48%)となっており、仕事が楽しいと思っている人が半数以上を占めていることがわかっています。

つまり仕事を楽しめる人が比較的に多い一方で、楽しめていない人も相当数いるんです。

では仕事を楽しめない人は、なぜ楽しめないのでしょうか。能力がない?それともやる気がない?それも原因かもしれませんが、もっと大きな原因が「勝てるフィールドで戦っていないこと」です。

勝てるフィールドで戦ってさえいれば、能力ややる気がなくても、何なら逃げ腰でも、仕事をラクに楽しむことができます。

ここでは仕事を楽しむことの重要性を指摘するとともに、フリーライター歴6年の筆者の実体験を踏まえつつ、勝てるフィールドを見つけるための「逃げ腰戦略」について解説します。

日本人は「世界で一番」仕事にやりがいを感じていない

前述したように、Linkedinの調査によれば日本人のビジネスパーソンの仕事に対する満足度は65%となっています。これだけをみると、仕事に対してやりがいを感じている人が多いように思うかもしれません。

しかしLinkedinは、日本人の仕事への満足度が世界平均である72%を下回っている点、「非常に満足」と答えた人の割合が世界平均の27%を10%下回る17%であった点を指摘し、「改善する余地がある」としています。

同様の分析は世界中の求人情報を掲載している「indeed」の調査でも行われています。同社の調査によれば、日本人の仕事への満足度は、アメリカやイギリス、香港、ノルウェイやスウェーデンなど世界35カ国のうち最下位。

このレポートのなかでは、日本のワークライフバランスの悪さが指摘されているほか、「Indeed Company Pagesのすべてのランキング測定において、報酬以外の分野で世界で最も満足度の低い国としてランクされている」とまで書かれています。

実は2008年の労働経済白書のなかで、1978年〜2005年の間に仕事の満足度が大きく低下していることが、すでに問題視されていました。しかしその問題は、2010年代に入っても改善されていないことがわかります。

「仕事が楽しくない」はみんなが損!

法政大学キャリアデザイン学部の八幡成美教授は、「日本型成果主義で、何が変わったか−企業業績を上げるのは個々人の『仕事のやりがい』」のなかで、やりがいを感じられる仕事の存在と、企業の業績の強い関連性を指摘しています。

また、東海大学の研究チームによる「企業従業員の職務満足感・職務不満感が精神健康度に及ぼす影響」では、仕事への不満だけでなく、仕事への満足感がない場合にも、精神に支障をきたす可能性が指摘されています。

つまり「仕事が楽しい」と感じられていない状態で仕事を続けると、組織にとっても本人にとっても損だということです。なんとなくはわかっていたことかもしれませんが、研究レベルで立証されているとなると、いよいよ仕事を楽しくないまま続けていく理由はありません。

「自分『でも』勝てるフィールド」で戦おう

「仕事を楽しんでいる人=仕事がデキる人」というイメージをもっている人からすると、「でも自分なんかじゃ……」と諦めたくなるかもしれません。

けれどそんな心配は無用です。なぜなら、戦略さえ間違っていなければ、能力ややる気がなくても十分仕事を楽しむことができます。

以下で紹介する3つの条件を満たす「自分『でも』勝てるフィールド」を見つけ出し、ラクに楽しく働くキャリアをスタートさせましょう。

●「すごい人」がやりたがらないくらい地味なフィールド

どんな業界にも花形と呼ばれるフィールドがあります。しかしそうしたフィールドには、必ずと言っていいほど「天才」とか「逸材」とか呼ばれるすごい人たちが集まってきます。

そんなところに突っ込んでいけば、よほどの自信や実績がない人でない限り、精神も肉体も追い詰められることになり、仕事を楽しむどころではなくなるでしょう。

だからまずは、誰もが「うわあ……なにその日の当たらない分野……」と言うくらい地味なフィールドを探すのです。

たとえばIT業界なら「情報セキュリティ対策コンサルティング(プライバシーマークなどの取得サポートが主な仕事)」、筆者のようなフリーのライターで言えば「リユース・リサイクル業関連法のライティング」などでしょうか。

すごい人たちは、そうした地味なフィールドにわざわざ参入してきたりはしません。だから比較対象が存在せず、才能や実力がなくてもまずはなんとかやっていけるのです。

●自分の「得意」が生かせるフィールド

地味なフィールドを見つけただけでは仕事は楽しくありません。そのフィールドで自分の「得意」が生かせるかどうかが重要です。

たとえば筆者がライターを始めた6年ほど前、Webライティングというフィールドはまだまだ生まれたばかりで、ライターの質はまさに玉石混交という状態。

「メールのレスポンスが極端に遅い」「突然音信不通になる」といったライターも少なくありませんでした。

そのため仕事を依頼するクライアントは「文章が書けるかどうか」よりも「まともにコミュニケーションがとれるかどうか」を重視していました。

筆者は自分で言うのもなんですが、几帳面な性格なので、「文章はともかく、コミュニケーションならきちんと取れるぞ」と思い、コミュニケーションのスピードと質を徹底的に意識しました。

その結果、多種多様な仕事を依頼してもらえるようになり、実績を積んでいくことができたのです。

筆者の場合は性格が「得意」につながったわけですが、「樹脂・ブラスチック業界の営業歴10年」といった経歴でも構いません。

見つけた地味なフィールドが、自分の何かを生かせる場所なのかどうかをチェックしましょう。

●自分の「どうしても嫌い」が少ないフィールド

地味なフィールドで自分の得意を生かせれば、それだけでも仕事は楽しくなります。でも自分の「どうしても嫌い」が少ないフィールドなら、さらに楽しくなるはずです。

たとえば「ノルマに追われて営業をするのはどうしても無理」という人は、スーパーの肉や魚の重さを測る計量器や、スクラップなどの重さを測るトラックスケールといった、取引や証明に使う計量器(特定計量器)の業界が向いているかもしれません。

この業界はほぼ寡占状態にあって、必死に営業活動をしなくても仕事があるため、営業のノルマなどはそこまで厳しくない会社が多いからです。

「上司からあれこれ指示を出されるのがどうしても嫌」という人は、筆者のようなフリーランスが向いている可能性があります。

もちろん自分のミスはすべて自分の責任になるため、ただラクで楽しいわけではありません。しかし最終的な裁量権は全部自分にあるので、誰かのいいなりになる必要がありません。

何年か社会で働いていれば、自分がどうしても我慢できないこともある程度わかってきているのではないでしょうか。それがないフィールドなら、あるフィールドよりもずっと楽しく仕事ができるはずです。

キャリアプランは戦略的に

「仕事のやりがい」とか「仕事を楽しむ」と言うと、いかにもポジティブでバイタリティにあふれた話に思えるかもしれません。

しかし仕事のやりがいや楽しみを見つけるために、特別ポジティブでバイタリティにあふれている必要はありません。

別に「すごい人たち」と張り合わなくてもいいし、得意なことだけやって、どうしても嫌なことは避ければいい。逃げ腰になってもいいんです。

それは「負け組になる」とか、「こらえ性がない」とは違います。身を守るための知恵なんです。

ただ1つ、忘れてはいけないのは戦略的であること。戦略的に自分が勝てるフィールドを見つけ、そこでキャリアを積むことができれば、仕事はずっと楽しく、充実したものになります。

「仕事なんて楽しくなるわけがない」なんて言わずに、今一度戦略的にキャリアプランを考え直してみてはいかがでしょうか。

Career Supli
自分の得意なフィールドを意識しましょう。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部