エンジニア専門の転職コンサルに聞いた!「自分の強みがわからない人」のための失敗しない転職術

転職サイトなどでエンジニアの求人を調べると、選びきれないほどの数がヒットします。一見求人が多いのは良いことのように思いますが、いざ転職先を選ぶとなると、どれが自分に合った求人なのかを判断するのは至難の技です。

Spring転職エージェントの宮下義隆(みやした・よしたか)さんは、メーカーでの営業職を8年間経験したあと、アデコ株式会社に入社。

現在にいたるまでエンジニアに特化した転職コンサルとして若手からベテランまで幅広い年齢層の転職をサポートしてきました。

今回はそんな宮下さんに、エンジニアが自分に合った会社と出会う方法や、転職を考えているエンジニアに知っておいてほしいこと、転職コンサルとして意識していることや、実際のマッチング成功例についてお聞きしました。

求人が溢れるエンジニア転職市場の現状

―ここ最近のエンジニア転職市場は、どのような状況でしょうか?

宮下義隆さん(以下、宮下):ここ数年の求人倍率は、高水準で推移しています。とくに自動車業界の自動運転に関連するソフトウェアエンジニアの求人は増えています。

新型コロナウイルスの影響が続いており、大手メーカーの求人は減少傾向にありますが、中小メーカーでは引き続き求人を出しているところが多いです。

むしろ中小メーカーのなかには「大手メーカーが採用を活発に行っていない今がチャンス」と考えて、積極的に管理職クラスの人材の採用に動いているところもあるくらいです。

―企業が募集しているエンジニアの年齢層は、やはり20代後半から30代が多いのでしょうか?

宮下:転職サイトの求人の場合は20代後半から30代といった若手が多い傾向にありますが、40代、50代、場合によっては60代以上の方でも採用が決まるケースはあります。

確かに40代以上の求人は1社につき1人しか募集を行っていないなど、求人数が多いわけではありません。しかしそうした求人はスキルや実績、人柄も含めて具体的な条件が決まっているので、市場変動の影響を受けにくく、かつマッチング後の満足度も高い傾向にあります。

失敗しない転職エージェントの選び方

―そうした求人は、やはり転職エージェントを利用した方が見つかりやすいのでしょうか。

宮下:そうですね。ただ転職エージェントならどこでもいいというわけではありません。

専門性が高く、かつ求職者様に親身になって相談に応じてくれる転職コンサルが在籍しているエージェントを選ぶことをおすすめします。なぜなら、専門性と親身な姿勢がなければ、マッチングの成功率が下がるからです。

エンジニア特化の転職コンサルではない場合、たとえば「機械設計ができる人材が欲しい」と言われると、単純に「機械設計」のカテゴリで人を探してしまいます。

しかしエンジニアの仕事というのは、職種以外に業界や担当製品、レイヤーなどでもスキルや適性が分かれています。そのためエンジニアという仕事について深く理解していなければ、ピントのずれたマッチングをしてしまうおそれがあるのです。

また転職先で長く働くためには、求人企業様と求職者様が同じ方向を向いて仕事ができる必要があります。「こんな人材がいます」「こんな求人があります」と、転職コンサルが一方的に提案をしているだけでは、両者の向いている方向を把握することはできません。そのため、両者への深いヒヤリングがとても大切です。

求人企業様と求職者様、いずれに対しても同じ目線と考え方で「合う人材」「合う企業」を探さなければ、マッチングは成功しないのです。

だから私は、専門性と親身な姿勢の両方を備えた転職コンサルが在籍しているエージェントを選んだほうがいいと思います。

「自分の強みがわからない人」のためのひと工夫

―どんな人が転職しやすい、どんな人が転職しにくいといった特徴はありますか?

宮下:転職しやすい人というのは、エンジニアの理想像に近い人です。設計者の場合でいえば、エンジニアとして腕が立つだけでなく、お客様やサプライヤー、機械・電気・ソフトウェア領域のエンジニア、生産技術、製造部門、品質部門、営業部門など関係者全員をうまく巻き込みながら設計を進められる人です。

一方で職種を転々としている人や、いわれたことを淡々とこなすだけという人は、ひと工夫が必要です。

―ひと工夫というのは、どんなものですか?

宮下:自分のキャリアを棚卸ししたうえで、自分のスキルや経験が、今いる業界だけでなく、どのような業界や職種で通用するものなのかを分析することです。

実はエンジニアの方々には、自分の価値に気づけていない人が少なくありません。私のところに相談しにいらっしゃる方でも「自分でも転職できるのでしょうか」「自分の売りがわからなくて……」という人がたくさんいます。

しかしそうした人たちのキャリアについて、関わった製品やその時のポジション、クライアントや仕入先など多角的に掘り下げていくと、「そんなスキルや経験があるなら、○○業界で○○のポジションで活躍できますよ」というケースがしばしばあるのです。

自分では当たり前のようにやっている仕事や、気づかない間に身についたスキルが、客観的に見れば大きな価値になる場合があるわけです。

実際、自動車業界のメーカーで長年管理職をしていた59歳の求職者様が、まったく別業界のメーカーに工場管理職として入社されたこともあります。

もともとこの方は、転職も自動車業界に絞って考えていました。しかし人柄や生産効率改善の実績を見て、工場の生産性に問題を抱えている中小メーカーを紹介。すると社長と意気投合し、そのまま入社が決まったのです。

ご本人は「60歳近くになるまでずっと同じ業界でやってきたが、まさか自分のノウハウがほかの業界で通用するとは思わなかった」とおっしゃっていました。

ただし、こうした隠れた魅力を発掘するためには、前述した転職コンサルの親身な姿勢、すなわち求職者様の気持ちになって一緒に考える姿勢が必要不可欠です。

そのため、私は求職者様と面談をする際は、じっくり時間をかけて細かいところまでヒアリングし、求職者様と同じ目線や考え方になれるよう意識しています。

最適なマッチングのためなら、時間と手間をたっぷりかける

―ヒアリング以外に、転職コンサルとして心がけていることはありますか?

宮下:求職者様のキャリアにとってプラスになるかどうか、を常に考えて行動するようにしています。Spring転職エージェントではこれを「キャリア開発」と呼んでいますが、要は求職者様が思い描く転職のゴールに沿った求人紹介をするということです。

転職のゴールは人それぞれです。年収はわかりやすい例ですが、年収が下がっても裁量が広がることをゴールだと考える人もいます。そのような人にとっては、大手メーカーから中小メーカーに転職することがキャリアアップになる可能性もあります。

私たち転職コンサルが転職活動に介在する価値は、こうしたゴールをヒアリングのなかで発掘するお手伝いをしたり、ゴールに沿った求人を探してきたり、希望に見合った働き方ができるのかどうかを事前に求人企業様から聞き出しておいたり……といったところにあると考えています。

もちろん手間も時間もかかりますが、最適なマッチングには必要不可欠な労力だと思っています。

―求人企業に対して心がけていることはありますか?

宮下: マッチングを成功させるためには、求人企業様にもしっかりとヒアリングをする必要があります。そのため求人者様との関係と同じくらい、手間暇を惜しまずコミュニケーションをはかります。

目指しているのは、メーカーの経営課題を解決するための人材提案です。たとえば、最初は工場の間接部門の求人であっても、ヒアリングをしていくうちに「お話を聞いていると、必要なのは工場の効率化ができる人材ではないでしょうか」という形で提案するのです。

提案型の人材紹介ができると、ふたつのメリットがあります。ひとつは求人企業様との信頼関係ができること、もうひとつは独占状態で求人募集をいただけることです。
そうすることで数多くの候補者に埋もれることなく弊社から紹介する方をじっくりと求人企業様に検討してもらうことができるのです。

こうした提案はメーカーの仕事を熟知していなければ難しいので、私のようにエンジニアに特化したコンサルの強みと言えます。

―今回のコロナ不況のように、景気が悪化すると転職は見送ったほうがいいと考える人も多いと思います。最後に、そういった方に向けて転職コンサルの立場からアドバイスをお願いします。

宮下:不況であるかどうかにかかわらず、転職サイトや、エージェントを使った転職のための情報収集は、常にしておくべきだと思います。

なぜなら、企業の人材ニーズは出たり消えたりするものだからです。常にアンテナを張っておかなければ、自分が求めていた求人が出ていても見過ごしてしまいます。

―ということは、求める求人に出会えないケースもあるのでしょうか?

宮下:もちろんです。しかし出会えないからと言って、慌てる必要はありません。長い期間我慢をしたからこそ、理想的な求人に出会える可能性もあるからです。

事実、私がお手伝いした求職者様の中にも1年半越しで理想的な求人が見つかり、マッチングに成功した方もいらっしゃいます。また私自身も転職活動を1年ほど続け、最後の最後に今の仕事を見つけたという人間です。

ただしここで気を付けなくてはいけないポイントがあります。それは、求人は常に出たり消えたりするということです。折角興味を持った求人にも関わらず応募を躊躇っているうちに求人がなくなってしまうようでは機会損失となってしまいます。

エンジニアの仕事は常に求人が溢れています。しかし求人数が多いからと言って、ご自身にマッチした求人やポジションが必ずあるわけではありません。

ぜひ自分自身のスキルを棚卸しし、じっくり腰を据えて考えつつも気になる求人があれば、その求人がなくなる前に積極的にチャレンジをするというまさに「緩急のある転職活動」が大切です。

あなたと企業のベストマッチを実現させますので、お気軽にご相談ください。

―本日はありがとうございました。

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[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部