法人営業ってどんな仕事?
「法人営業ってどんな仕事?」と聞かれて、「こんなもんだよ」と一言で答えられるでしょうか。普通は難しいと思います。というのは業界、業種、その企業の営業スタンスなどによって「営業」の定義が変わってくるからなのです。
ここでは法人営業って、結局どんな仕事なの?と思っている人、または最近営業のやり方に迷いが出ている現役営業職の人のために、いろいろな角度から「営業」を考えてみます。
新規の開拓 or 既存顧客?

求人票などを見ていると「新規開拓営業=きつい」「既存顧客営業=比較的らく」といったイメージがつきがちです。しかし、これはあまりにも大雑把な見解。
確かに前者は一から自分のことや自社を知ってもらう必要があり、後者は少なくとも自社については既に知ってもらっているので、その意味では楽かもしれません。
ところが、どちらにしてもたった一つの極意を覚えておくだけで、ずいぶん営業は楽になります。それは「きく」ということです。
つまり顧客の話を聴き、疑問があれば訊くと、次第に顧客にとって「気が利く」営業になれます。すると顧客のトラブルシューティングに「効く」提案ができるようになる、という流れです。
特に新規顧客の場合犯しがちな失敗が「自分を知ってもらおうとして話しすぎるパターン」です。確かに知ってもらうのも大切ですが、まずは知ることが重要です。そのためにもまずは「聴く」からはじめましょう。
誰にどんな営業をかけるのか?

法人営業の売り込み先は医療機関であったり、総務部であったり、開発部であったりと、実に様々です。
売り込みをかける先によっては、アポイントを取ることが一番難しい、接待をする必要がある、稟議をもらうために膨大な資料作成を必要とする・・・など、売り込み先によって営業が使う労力がまったく違います。
どんな営業先のどんな窓口に、どのようなスタイルで営業をするのかを、営業の責任者や営業担当者に超具体的にヒアリングをして、そのやり方が自分にフィットしそうか、よくシュミレーションしてください。
チームで売るのか、単独で売るのか?

チームで営業をしていた人が、単独で営業するようになると途端に成績が出せなくなる時があります。あるいはその逆も然り。これはどうしてなのでしょうか?
成績が出せなくなる人は「チーム」とは何かという点を理解できていないからです。チームは複数の人間が集まってはいますが、限りなく「一つの人間」であるべきなのです。脳、手、足、心臓、骨、筋肉などが双方向的に絶えず繋がって、結果として一つのアクションを達成する。それはチームそのものです。
今の時代にはSNSや各社のチャットツールなどで非常にスムーズに情報共有が可能になっています。これらをフル活用して情報共有の精度をガシガシあげていきましょう。
また、チームから単独に営業スタンスを変えた時に起きる成績不振は、チームの中で「誰がどんな役割を果たしてくれていたのか」を理解していなかったからこそ起きます。単独でやるのであれば、その全てを自分一人で賄う必要があります。
何をどこまでコミットするのか?

個人の売上、チーム全体のクライアント数、あるいは利益率……コミットするというとこれらの「数字」が頭に浮かぶのではないでしょうか?あらためて「コミット」とは何かを考えてみましょう。
コミットとは「約束する」「関わる」といった意味の英単語ですが、日本のビジネスシーンでは「必ずやると決める」といった意味で使われることが多くなっています。期限を決め、期限までの達成プランを立て、それを実行し、必要があれば修正する。このように確実に仕事を成功へと導くための確約をコミットと呼びます。
その企業の営業担当者がどんなことをコミットしていて、それがどれくらいの難易度で、実際の達成率と、その内訳はどうなっているのかをヒアリングしてください。
達成できている人がほとんどいないようであれば、現実的でないコミットをさせられる企業の可能性が高く、長続きしないでしょう。
最も自由度の高い仕事

扱っている商品や営業先、営業の仕方などで法人営業に求められるスキルは違いますが、どんな法人営業でも売上に直結する一番重要なキモとなる部分があります。
そこを押さえるとレバレッジ(てこの作用)が効いて、一気に結果につながるというポイントがあり、法人営業はこのポイントをいち早く見つけるゲームといっても過言ではありません。
そうして結果がでるようになれば、自分でスケジュールを組んで自由に動けるようになるのが営業の醍醐味です。会社に縛られるのが苦手と考えている人ほど、法人営業が向いているかもしれません。ぜひ検討してみてください。
[文・編集] サムライト編集部