Uターンして地元で働きたいですか?
今は都内などで働いているけど、地元に帰って働くのもわるくないよな。そんなことを考える時はありませんか。
筆者はお祭りなどで帰省すると毎回考えます。「私の地元は仕事がないよ」という方もいるかもしれませんが本当にそうでしょうか。仕事というのは自分たちでつくろうと思えば、新たに生みだせるものではないでしょうか?
今回はそんな新たな雇用をつくり、地域の活性化にチャレンジしている、わずか人口500人ちょっとのある村のついてご紹介します。
その村とは、鹿児島県の離島・三島村です・・・まあ、ほとんどの人が分からないですよね。三島村は薩摩半島南端の南の方にある竹島・硫黄島、黒島の三島から成り立っています。

海がきれいで自然豊かな素晴らしい環境ですが、平成18年4月時の65歳以上の人口の占める割合は、約35%で高齢化が進んでいます。そんな三島村は島の特産品「大名筍」が全国放送で紹介されるなど、注目度が高まっています。
三島村の産業活性化
その三島村を盛り上げようと奮闘している、地域リーダーの山崎晋作さんたちが主催する「離島ブランディング会議」に参加してきました。山崎さんは、2014年に鹿児島県三島村にUターンし、現在妻と1歳になる息子と暮らしています。島の情報発信や産業活性化に取り組んでいます。
三島村がいま一番力をいれている事業は、特産品である大名筍をリブランディングし、村の認知度を高め、地域の仕事作りを行うことです。三島村を構成する1つである竹島は、島のほとんどが竹でたくさんの筍が生えているそうです。


しかし人手不足のため竹林の整備不足して、生産量が減少して売上が減少、それにより整備費が削減される、というデフレ・スパイラルに陥っていたといいます。
そこから筍を「三島村産 大名たけのこ」というブランド名で新たに打ち出し、販路開拓やプロモーション、PR活動などを行い、注目を集めるようになってきました。都内の料亭や有名レストランでは高級食材として取り扱いお店も増えているといいます。またクラウドファンディングを活用した先行販売などにも積極的にチャレンジしています。

大名筍を試食!
このイベントでは、三島村の取り組みを聞くだけでなく、その場で大名筍を調理して参加者が試食を行いました。キセキのタケノコこと大名筍は、「刺し身で食べても美味しい」という特徴があり、タケノコ本来の美味しさが味わえます。



試食した参加者からは、「繊細で上品な味」と大好評でした。参加者も調理を手伝い、非常にアットホームな会場の雰囲気でした。大名筍が美味しすぎて、お酒が飲みたいという声も多く聞こえてきました。
話をするだけでなく、その場でしっかりと食べて体験してもらうことで、このイベントに参加した人たちがファンになり、大名筍を好きな人の輪が広がっていきます。
TVでの露出やデジタルプロモーションももちろん重要ですが、こういったリアルな場所で体験してもらい、この商品のストーリーに耳を傾けてもらい、共感してもらう。こういった地道な取り組みの重要性をあらためて感じることができました。
地方創生のポイント
試食の後は、 大名筍のブランディングを担当した地域プロデューサーの齋藤潤一さんが登壇して、大名筍をリブランディングしていった時の経緯や、地方創生のポイントについて解説しました。地方創生のポイントを一言で表すなら、「発見・磨く・発信」だと言います。

その地域にある宝物を見つけて、それをより魅力的に見えるような形に磨き、多くの人に発信する。このどれが欠けたり、不十分だったりすると地方創生は失敗すると言います。
大名筍の場合は、齋藤さんたちが、三島村のプロモーションビデオの撮影で村に滞在した際、何度食べても美味しくて飽きない大名筍に興味を惹かれ、これは売れるのではないかという話になったそうです。
地元に住んでいる人たちはそれが存在するのが当たり前すぎて、逆にその良さに気づくのが難しいので、その地域の良さは部外者の方が気づきやすいようです。そういった意味では一度地元を離れて都会で働く人たちは、地元の良さを発見するのに適した人物と言っても良いかもしれません。
ただ、三島村の場合たまたま大名筍という商品になるものがあったから良いものの、地域によっては、これといって何もないという場合も考えられます。そのあたりが地方創生の難しさであり、限界なのかもしれません。
齋藤さんによれば「宝物は足元にある」そうなので、地元にあるものをもう一度棚卸しして、フレッシュな目で見てみることが大事だと思います。また、こういった具体的な事例にたくさん触れることで、自分の地元にも当てはまる知恵を得ることができると思いますので、地元で仕事ができないか考えている人はチェックしてみてください。
【関連情報】
キセキのタケノコについて
http://takenoko.link/
三島村について。毎日ブログ更新
http://mishima.link/
