ビジネススクールとは?ランキング上位の国内MBAも紹介

ビジネススキルを高めるための勉強方法のひとつに、ビジネススクールに通ってMBAを取得する方法があります。MBAを取得すると、ビジネスのプロフェッショナルとして、実務で活かせるスキルを有していると認められます。MBAを取得できるビジネススクールの概要やメリット、評価の高い国内MBAを解説します。

ビジネススクールとは? 何を学ぶ?

ビジネススクールとは、経営学・会計学・マネジメントなど、ビジネスのスキルを高めるために必要な知識を習得できる教育機関を指します。

知識に加えて事例研究やディスカッションを活発に行い、プレゼンテーション、思考力などのスキル習得も可能です。ビジネススクールへの入学者数は年々増加の一途をたどっています。

ビジネススクール受講生の大きな特徴は、仕事をしながらスキルを高めてキャリアアップしたい方が受講されている点です。

近年ではビジネススクールのカリキュラムが充実しており、その種類も増えています。受講形態や取得できる学位、資格などはスクールによって特色があるため、自分が学びたい内容に合ったスクール選びが重要です。

国内と国外におけるビジネススクールの違い

ビジネススクールは、国内と海外で異なる意味を持っています。それぞれの内容を解説します。

海外では、MBA(経営学修士:Master of Business Administration)を取得するための教育機関をビジネススクールと呼んでいます。とくに欧米では100年以上の歴史を持っており、経営学および関連する科目を学ぶ大学院がビジネススクールに該当します。

教育機関には、大学院に加えて4年制大学・2年制大学が含まれるほか、ノンディグリープログラムで講義を受けられる場合もあります。

日本におけるビジネススクールとは、MBAの取得だけでなく、ビジネスや経営に関連した知識やスキルを身に付けられるスクール全般を指しています。MBAを取得できる大学院のほかに、経営の知識を身につけるためのセミナーもビジネススクールのひとつです。

基本的には2年制ですが、1年の短期や3年以上の長期で修得するコースもあります。通学には社会人が通いやすいように、夜間や週末などを中心に開校しているところも多く、駅周辺にサテライトキャンパスを設けているスクールもあります。

ビジネススクールごとにカリキュラムがまったく異なるため、選ぶ際には開講形式・日程・修得可能なスキルなどをきちんと確認しておく必要があります。

ビジネススクールと大学院の違い

ビジネススクールと大学院の大きな違いに挙げられるのは、学ぶ内容です。

ビジネススクールは、大学院と比べて実務的かつ本格的な知識を学べます。ビジネスの専門知識以外にも、リーダーシップや論理的思考力を養う授業も重要な位置を占めています。

大学院では必須である研究指導や論文などはビジネススクールでは必須とされておらず、深い学識の習得と卓越した能力の育成が目的です。

実務家教員の配置数もおおむね3割以上が5年以上の実務能力を有するとの規定があり、高度な知識や経験を持った人物の育成に貢献しています。

社会人がビジネススクールに通うメリット

仕事に忙しい社会人がビジネススクールに通うのは、多くのメリットが得られるためです。具体的に得られるメリットを解説します。

独学よりも効率よく学べる

独学で学ぼうとすると、方向性が正しいのかがわからなくなったり質問できる相手がいなかったりするため、どうしても効率が悪く、得られるスキルも限られたものになってしまいます。

ビジネススクールでは、独学よりも効率良くたくさんのことを得られます。体系立てられたカリキュラムに沿って講師から直接講義を受けられるため、正しい知識が習得可能です。

わからない点があればすぐに質問でき、独学よりも実践的な勉強ができます。お金を払ってスクールに通っているので、挫折も少なくなります。

同じ志をもった仲間ができる

ビジネススクールには起業を目指している方も多くいます。起業する場合は会社に入社するときのように同期や同僚はおらず、孤独を感じるときもあります。

ビジネススクールに通うと、起業を目指すという、同じ目標や志を持った仲間に出会える点が大きなメリットです。お互いに励ましあいながら学ぶことで、モチベーションアップにもつながります。

起業後も、情報交換をしたり異業種の人脈を築いたりと、スクールで出会った幅広い立場や年齢層の仲間からよい刺激を受けられます。

MBAを取得できる

大学が運営しているビジネススクールの大半で、MBAの取得が可能です。MBAは、仕事をするための特定の資格ではありませんが、取得により評価や信頼・実績などの証明にでき、ビジネスチャンスにつなげられる可能性があります。

具体的に取得できるのは、論理的思考力・意思決定能力・人的ネットワークの構築スキルなど多岐にわたります。仕事の効率も上がり、給与アップや昇給の可能性も高まるスキルです。

ビジネススクールを修了することで得られる学位

ビジネススクールを修了すると、以下に挙げる学位が得られます。それぞれの学位の詳細とあわせて解説します。

MBA(Master of Business Administration)とは、経営学修士号もしくは経営管理修士号と呼ばれ、経営学の大学院修士課程を修了した方に授与される学位です。MBAは経営についての高い知識や能力を身につけているとされます。

企業経営のプロフェッショナルの称号とも言われており、実務で活躍できるリーダーであることが証明されます。

ミドル層を対象にしたEMBA

EMBA(Executive MBA)とは、1943年にシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスが世界で初めて導入したプログラムです。

社会人経験の有無や年齢の違いにより、MBAとどちらを受けるかが変わります。実務経験を重ねている30代から50代のミドル層を対象としている点が、経験の少ない20代を対象とするMBAと大きく異なります。

欧米では、MBAとEMBAは明確に区別されており、ランキングも別々です。双方のカリキュラムも異なり、ディスカッションを行う視点もEMBAは経営者に近い議論が求められます。

特定の分野に突出したMSc

MSc(Master of Science)とは、理学修士もしくは理系修士と呼ばれ、特定分野のプロフェッショナル育成を目的としています。MBAに比べて学術寄りであることから、理論研究を中心として学ぶのが特徴です。

出願にあたって職歴は問われないため、多くの方は大学を卒業してからすぐに進学します。

MScの後には、「MSc in Management」「MSc in Finance」などのように、分野を意味する称号が続きます。

国際的な評価が高いランキング上位の国内MBA

国内には、国際的に高い評価を受けているMBAが数多く存在します。その中でも上位にランキングされているMBAを3つ紹介します。

慶應義塾大学ビジネス・スクール(KBS)

慶應義塾大学ビジネス・スクール(KBS)は、フランスの企業が作成する大学ランキング「Eduniversal」のランキングで1位を獲得しており、最高評価を受けているMBAです。

1962年に設立され、日本で最も歴史が長いビジネススクールとして知られています。世界三大認証機関であるAACSBとEFMDの認証を受けていることからも、評価の高さがわかります。

KBSの特徴は、ケースメソッド方式の実践的授業を中心にしている点です。経営管理能力の基本となる、以下の8領域を徹底的に学びます。

  • 会計管理
  • 経営科学
  • 組織マネジメント
  • マーケティング
  • 経済・社会・企業
  • 財務管理
  • 生産政策
  • 総合経営

活発な討論によりコミュニケーション能力を高め、能動的な姿勢で学べます。学んだ内容を経営現場で活かせるよう、国内企業の経営者および社員と直接交流する機会も設けられています。

早稲田大学 大学院経営管理研究科(WBS)

早稲田大学 大学院経営管理研究科(WBS)は、日本国内でも屈指の人気を誇るMBAです。KBSと同じくAACSBとEFMDの認証を受けています。また、イギリスの大学評価機関であるQuacquarelli Symonds(クアクアレリ・シモンズ)が調査および発表を行っているランキング「QS Global MBA Rankings」において、2021年ランキングで151位から200位までにランクインしています。

コースの種類は、以下の7つが用意されており、多種多様です。

  • 全日制グローバル
  • 1年制総合(全日制)
  • 夜間主総合
  • 夜間主プロフェッショナル(マネジメント専修)
  • 夜間主プロフェッショナル(ファイナンス専修)
  • MSc in Finance
  • 早稲田-ナンヤンダブルMBAプログラム

人気が高いため入試の倍率も高く、学生と教員、どちらもハイレベルです。慶應義塾大学同様、実践に活かせるスキルや知識をバランス良く身につけられます。

名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)

名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)は、AACSB・EQUIS・AMBAの三大国際認証を国内で唯一取得している教育課程です。2021年のQS Global MBA Rankingsにおいてアジアで17位、世界では141位にランクインしています。

海外からの評価も高いスクールであり、イギリスの経済誌であるフィナンシャル・タイムズのランキングにおいて、アジア太平洋エリアで初のランクインを果たしました。

NUCBでは、すべての授業にケースメソッドを導入し、経営者の視点から議論を展開します。予習・グループ討議・クラス討議を繰り返し、意思決定の疑似体験をとおして、実践で活かせるマネジメント力を高められます。

ビジネススクールとは経営学・会計学・マネジメントなど、ビジネスの高度な知識とスキルを習得できる教育機関です。

忙しいビジネスマンが通うのは、独学よりも効率よく学べ、MBAという学位が取得でき、同じ志を持つ仲間も増えてモチベーションが高まる、などの大きなメリットがあるからです。

まとめ

ビジネススクールは、カリキュラムや特色がスクールごとに大きく異なり、国内と海外でも定義が変わります。

得られる学位もさまざまなので、目指す将来性に合わせた選択が必要です。スクールへ通うことで知識が身に付くだけでなく、人脈も広げられるようになり、ビジネス成功へのきっかけにもできます。

自分が身につけたい知識やスキルを学べるスクールを選ぶには、事前にカリキュラムをしっかり調べるとミスマッチを防げます。自分に合った大学院探しには以下の関連記事も参考になります。

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[文]CareerSupli編集部 [編集]CareerSupli編集部