人と深い話ができる話題とは?コミュニケーションの5つのC

人と話す時に、どうしても表面的な話題に終始してしまうな……。そう感じたことはありませんか?天気の話、仕事や職場の話、テレビの話など、誰とでも楽しめる話題というのは便利な反面、そこから人となりを深掘りし、相手と仲良くなっていくことが難しい話題でもあります。

今日の記事では、私がたくさんの人と話すなかで見つけた「5つのC」について書こうと思います。

Cの文字から始まるこれら5つのテーマにちなんだ会話のなかでは相手の価値観が露出しやすく、深い話になりやすいことが経験的にわかっています。

コミュニケーションの5つのC

1つ目のC:Change(変化)

自分のなかの価値観が変わる時は、たいてい物理的な環境が変化した時です。大学に入って一人暮らしを始めた、転職してまったく違う業界で働きはじめた、そうした物理的な変化が精神的な変化を呼ぶのです。

そうした変化は、地殻変動によって崖に現れた地層のように、相手の価値観を教えてくれます。

私の友人で、大学に入って初めてギターを習いだし、その面白さに目覚めた人がいます。高校まで、彼はずっとテレビゲーム以外に趣味のない人間だったそうです。

彼は常々、激務高給の企業ではなく、ギターを弾く時間の取れるまったりした会社に入りたいと言っていました。

成功を求めるのではなく好きなことをのんびりと追求していきたい、そうした彼の価値観が、このエピソードからは立ち現れてくるように思います。

相手が何か「変化したこと」について語りはじめたら、その前後でどんな気持ちになったか、何か考えに変化はあったかを聞いてみると、深い話に繋がるかもしれません。

2つ目のC:Character(キャラ、人格)

相手のキャラクターについて、実際のところあなたはどうなの?と問うてみるのも、相手の価値観を露出させる良いやり方です。

以前、とてもかわいらしくて男性からモテる友人に、「みんなからかわいいって言われるのはどんな気持ちなの?」と聞いたことがあります。そうすると、「かわいいキャラ」として見られるのは嫌だけれども、仕事のうえではどうしても通りが良いので使い分けることもある。

本当は自分の中身を面白いと思ってもらいたいが、かわいいと言われるたびに中身に価値が無いのかと落ち込んでしまう、という話をしてくれました。

一人でいる時とみんなでいる時とで人格の変わらない人もいますが、大きなギャップがありそうだと感じる人に対しては、そのギャップについて聞いてみると良いでしょう。

3つ目のC:Choice of words(言葉の選び方)

相手が繰り返し使う言葉、それも、一般的な意味合いではなく、その人固有の意味合いが色づけされた言葉には、その人らしさが込められていることが多いです。

私の友人に、東京大学を卒業し証券会社に入った人がいました。彼とはベンチャー企業の入社試験で出会ったのですが、選考の後で飲みに行った時に「俺は俗物だから」という言葉を繰り返し語っていました。

彼に言わせれば、結局のところ自分という人間は与えられた基準のなかで最もランクの高い場所を目指す「俗物」でしかない、ということでした。彼が最終的に選んだキャリアパスも、それを象徴しているようです。

その人にしかないユニークな言葉のチョイスには、その人自身の価値観が深く刻まれているはずです。あれ、面白い言葉を使うな、と思ったら、ぜひ「どうしてその言葉を用いるのか」を聞いてみましょう。

4つ目のC:Community(人間関係)

どんな人と交わっているのかは、その人の人となりを雄弁に示すものです。交友関係そのものだけでなく、「その友達にどんな気持ちを抱いているのか」まで聞き出せると、その人自身の価値観に深く根差した話になります。

最近、会社の同僚と飲む機会があり、彼女が親しくしている人を何人か挙げてその人についての話をしていました。彼女が言うには、彼らは決して誰かの目の前でその人が傷つくようなことを言わない、だから好きなのだ、ということでした。

そこから、彼女自身にとってそういった行為が何よりも許せないものである、ということがわかり、どうして許せないのかについてさらに話を深掘ってゆくことになりました。

あの人と仲が良いよね、で終わらずに、どういったところが一緒に居て快適なのかについて語ってもらえると、その人自身の価値観が鮮明に表れてきます。

5つ目のC:Complex(コンプレックス、劣等感)

見出すことが少し難しいけれども、話してもらうことに成功すれば確実に深い話に繋がる、それがコンプレックスについての話です。コツとしては、この自己開示の記事でも書きましたが、まず自分のコンプレックスについて語ることです。ネガティブな話題については、まず自分のガードを下げて、それから相手の話を聞くようにします。

どうして文章を書いたり人と話したりするのが好きなのか、と聞かれた時には、私はいつも、高校時代のコンプレックスについて語っています。クラスの人気者たちが笑いを取りながら一対多の円滑なコミュニケーションを実現していたのに対して、私はそういったことが不得手で、苦い思いをしました。

今、言葉を書いたり一対一で話したりして自分のことを理解してもらおうとするのは、昔自分が理解されなかったというコンプレックスの裏返しなのだと、私は考えています。

相手がコンプレックスをさらけだしてくれるのは珍しいことかもしれませんが、そうなった時には、動じることなく淡々と、どうしてそのコンプレックスを抱くようになったのか、それが今の自分にどう影響しているのかについて、聞いてみてください。

コミュニケーションには、深まりやすい話題とそうでない話題があります。誰かと深く仲良くなりたい!と思ったら、この記事に書いたポイントを参考にしてみてください。

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この5つのCをぜひ実践してみてください!
[文]クヌルプ [編集] サムライト編集部