企画立案や課題解決に役立つ「思考法」10選。スキルを学べる人気書籍も紹介

仕事中、やみくもに情報収集をしたり、ふと問題が浮かんだりして、「うーん」と考え込んでしまう場面はありませんか?

そんな方におすすめしたいのが、仕事のスピードも質も上げてくれる「思考法」を鍛えること。本記事では、ビジネスシーンで重要視される基本の「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」から、ユニークな「ゼロ秒思考」「100案思考」まで、バリエーション豊かな「10の思考法」をまとめました。それぞれの思考法を学べる人気の書籍も併せて、ご紹介します。

思考法①【ロジカルシンキング】

ロジカルシンキングとは、日本語で「論理的思考」のこと。物事に対して筋道を立てて、矛盾がないよう判断し、結論へ導くのが基本のステップ。クリティカルシンキングと同様に、主張に対して主観や感情ではなく、客観的な根拠をもつ考え方であり、ビジネスにおける基本の思考法といえます。

<ロジカルシンキングを学べる書籍>
『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』
2015年に刊行され、13万部のロングセラーとなった『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』の新書版

思考法②【クリティカルシンキング】

ビジネスで活用される思考法の代表格ともいえるクリティカルシンキングは、物事を論理的・構造的に判断しようとする思考法です。自身の感情や主観をもち込まず、数字データや科学的な根拠など客観的な視点で、物事を分析。その際、「なぜ、この結論にたどりつくのか」「そもそも前提が正しいのか」といった健全な批判を繰り返し、本質的な結論にたどりつくプロセスが一般的です。

<クリティカルシンキングを学べる書籍>
『改訂3版 グロービスMBAクリティカル・シンキング (グロービスMBAシリーズ)』
豊富な演習と事例を通して、クリティカルシンキングや論理的思考を学べる書籍

『悩む力 天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」』
メンタリストDaiGoさんが、自身の原点となった「究極の思考法」を明かした一冊

思考法③【Why思考】

企画開発や資料作成のほか、ミスの原因究明、改善策立案に役立ちそうなのが、Why思考。物事に対して、「Why(なぜ)」を深堀りして答えを探していく方法で、企画開発等においては「目的」を見つける考え方が有効です(例:なぜ〇〇は若者に売れているのか)。

一方で、ミスの原因究明、改善策立案を模索したい場合は、物事の「背景」「理由」を解き明かそうと考えると良いでしょう(例:なぜ二重請求のミスが起きたのか)。

<Why思考を学べる書籍>
『思考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60』
Why思考を含む60の思考法をまとめた書籍。図解テンプレートつき

思考法④【問題解決思考】

問題解決思考は、現状に何かしらの課題があり、目指すべき姿におよばないギャップのある状態において、効果を発揮する思考法です。最適解を見つけるプロセスでは、「課題」と「あるべき姿」を明確化して、客観的に原因を究明、優先順位を考慮しながらアクションプランを策定すると良いでしょう。

<問題解決思考を学べる書籍>
『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』
累計35万部を突破した問題解決の道筋をわかりやすく解説した書籍。ロジカルシンキングも学べる

思考法⑤【メタ思考】

メタ思考とは、「物事を一つ上の視点から考える」こと。「そもそも、なぜそうなのか」という物事の前提を捉える考え方とイメージすると、わかりやすいかもしれません。例えば、「競合商品の〇〇は、なぜ売れているのか」を分析する場合、「そもそも〇〇というジャンルの商品は、なぜ存在しているのか」と俯瞰して考えるなど。メタ思考を鍛えておくと、さまざまなビジネスシーンで重宝します。

<メタ思考を学べる書籍>
『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』
実践が難しいメタ思考を身につける34問のトレーニング

思考法⑥【デザイン思考】

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを完成させる過程で用いる思考法を指し、イノベーション思考などと言われることも。デザイン思考は、「観察・共感」「定義」「概念化」「試作」「テスト」のプロセスを基本としています。分析によりユーザーの隠れたニーズを探り出し、仮説を立て、それを検証しながら最適解を見つけていく手法です。

<デザイン思考を学べる書籍>
『実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決』
デザイン思考教育の総本山であるスタンフォード大学d.schoolでデザイン思考を学んだ著者による実践に重きを置いた書籍

『まんがでわかるデザイン思考』
マンガで描かれた具体的な事例を通じてデザイン思考を学べる書籍

思考法⑦【仮説思考】

ある問題に対して、状況を観察・分析して、仮説を立て、実行・検証し、修正を行うプロセスの繰り返しによって考えを深めていくのが仮説思考です。この思考法には、ビジネスにおける問題解決をスピーディーにする効果も。素早い変化が求められるスタートアップやさまざまな問題を抱えやすい経営者はもちろん、あらゆる業界のビジネスパーソンに欠かせない思考法と言えます。

<仮説思考を学べる書籍>
『仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法』
20年間のコンサルティング業務により著者が培ってきた「仮説思考」の要諦を解説した書籍

思考法⑧【ゼロ秒思考】

ゼロ秒思考は、マッキンゼーで14年間務めた赤羽雄二氏が「誰もが頭が良くなるトレーニング」として、著書を通じて発表した手法です。そのやりかたは、「とある問い」に対してメモを書くというシンプルなもの。A4の紙を横置きにして、1つの問いに対して1ページを使い、1ページに4~6行、各行20~30字、1ページを1分以内に書く、毎日10ページ書くのが、基本ルールです。思考と感情を言語化するトレーニングを重ねることで、確実に頭が良くなり、心も鍛えられるそう。書籍は累計34万部突破のロングセラーとなっています。

<ゼロ秒思考を学べる書籍>
『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』
著者がマッキンゼー勤務時代に得た確実に頭が良くなる思考法を解説した書籍

思考法⑨【エッセンシャル思考】

全米のベストセラーによって紹介されたエッセンシャル思考は、99%の無駄を捨て1%に集中する方法とされており、本質的に重要なことだけに取り組む考え方です。本書で紹介されているのは、「本当に大事な選択肢を見極める技術」、不要なものをうまく「捨てる技術」、そして、これらの技術を無理なく循環させるための「しくみ化」の方法。エッセンシャル思考の実践により、生産性が上がり、質の高い仕事ができるとのこと。これらの悩みがある人には、価値がある思考法かもしれません。

<エッセンシャル秒思考を学べる書籍>
『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』
不要なものを捨て、大事なことだけに集中して成果をあげる思考法を解説した書籍

思考法⑩【100案思考】

100案思考は、コピーライター/クリエイティブ・ディレクターの橋口幸生氏が提唱するアイデア思考法。サービス・プロダクトや人の心を動かすプレゼンテーション等を制作するにあたり、シンプルに100通りの案を出そう、という考え方です。実際、橋口氏も100以上の案をひねり出した結果、世間から評価される逸脱したコピーが生まれているのだとか。橋口氏の書籍では、100のアイデアを出すためのヒントとして、「自分インタビュー」「ネガティブ発想」など、独自の手法が多く紹介されています。

<100案思考を学べる書籍>
『100案思考 「書けない」「思いつかない」「通らない」がなくなる』
才能、道具、センスを求めず、たくさんのアイデアを出すための思考法を解説した書籍

思考をトレーニングして、仕事の質を高めよう

ご紹介したいくつかの書籍に具体的なトレーニング法が掲載されているように、思考は日々の訓練により鍛えられる性質があるようです。習得するまでに一定の時間は必要ですが、一度手に入れることができれば、長期的に質の良いアウトプットやスピーディーな問題解決ができるはず。まずは、自身の課題に寄り添った思考法から学んでみてください。

[文]小林 香織 [編集]サムライト編集部