靴は見られている
あなたはどんな靴を履いて仕事に行きますか?朝は忙しくてついつい、いつもの靴を引っかけて家を飛び出してしまいますよね。でも、見ている人は足先まで観察しています。
映画「羊たちの沈黙」で刑務所に面会にきた、ジョディ・フォスター扮するFBI捜査官クラリスはハンニバル・レクター博士にこう指摘されます。
この一言だけで彼女は大きく動揺し、レクター博士は檻の中にいながら”利用する側・利用される側”という関係性を逆転させました。
髪型やスーツと違っておろそかになりがちな靴だからこそ、いざ指摘された時に動揺するのでしょう。また、おろそかにしがちだからこそ、その人のありのままが反映されているとも言えます。
では、成功している人はどんな靴を履き、どんな工夫をしているのでしょうか?
靴を育てる

「安い靴は不経済だ」とは元イギリス首相のトニー・ブレアの言葉です。彼は18年間同じ靴を履き続けました。よく靴を履き潰すなんて言いますが、それは安い靴に使われる言葉です。本当に良い靴は「履き潰す」のではなく、「履き古す」事ができます。
ヨーロッパでは良い靴というだけでは最高の評価を得ることができません。良い靴であり、かつ手入れの行き届いた古い靴が最高の評価を受けられるのです。
革製品好きの人は革の手入れをすることを「革を育てる」という言い方をよくします。最高の評価を得られる良い靴とは、長年手をかけて大切に育てられた靴なのです。
たとえ最高の靴でも新しいものを履いている人物は成金の場合があるため、大切に育てられた良い靴こそが階級社会のヨーロッパではステイタスの象徴とされています。
それを履いている人物は長期に渡って裕福な、信頼のおける人物であると判断されます。育てられた良い靴は、最新デザインの新品の靴とは違った信用をあなたに与えてくれます。
パートナーを決める
「良い靴」を選ぶにはブランドやデザインも大切ですが、なにより相性が重要です。成功者は良い靴と巡り会えたと思えば一足ではなく何足も購入しておき、パートナーとします。もちろん履き潰した後に新しいものをおろすためではありません。成功者は同じ靴をローテーションさせます。
靴は1日履くと湿気を吸ってもろくなるなるため、履いた後には休ませることが必要です。何足かでローテーションを組むことで靴は格段に傷みづらくなりますし、相性のいいパートナーを常に足元に伴わせることで安心感と自信を得られます。
「ウォール街」の続編「ウォールストリート」では、マイケル・ダグラス扮するゴードンゲッコーが復活する象徴的な場面で、4足まとめて靴を買うシーンが出てきて、シビれます。一度は真似してみたいです。
靴を磨く

成功者は汚れた靴を履きません。成功者になったから誰かが磨いてくれるようになったというわけではなく、常に靴をピカピカに保てる注意力があったからこそ成功したと言っても過言ではありません。
また、自分の靴をピカピカに保つ努力をしている人は必ず相手の足元もチェックします。しっかりと手入れが行き届いていれば、信用するに足る人物だとみなされますが、そうでなければ、いい加減な人間であると判断されます。そういった目線で見られているということを認識してください。
靴に合わせてその日のスタイルを決める

ファッションの基本は軸にするパーツをどこにするか?です。「オシャレは足元から」なんてよくいわれますが、一体どうしてでしょうか?
「人の足元を見る」「地に足がついた」という言い回しが昔からあるように、足元は人格の見える場所です。もしスーツがそこそこのものであっても、足元で上等な靴が静かに主張していれば、その人物は不思議と風格のある人物に見えるものです。
TPOに合わせて靴を選び、そこから全体のコーディネイトを考えるように心がけてみてください。
マイ靴べらを持つ

普段靴べらを使っていますか? 靴べらの一番の目的は「靴のかかとの型崩れを防ぐ」ことです。靴の状態をチェックする時にはつま先の擦れや汚れなどが目に付きますが、靴の命はかかとだと言われています。
かかとの状態ははき心地に影響し、はき心地は姿勢や歩き方など「所作」に直結します。
また、靴を履く時の動きひとつとっても靴べらを使って履く方がスマートです。この所作こそが風格を作るのです。
それを知っている成功者は、ポケットに入れて携帯できるマイ靴べらを持っています。使い慣れたものを持っていれば、同行者を待たせることなく靴を履くことができます。
たったこれだけであなたの印象はグッと良くなります。
まとめ
初めから最高級の靴を履ける人間は限られています。成功者達も功績を重ねるたびに良い靴に履き替えてきたはずです。しかしどんな靴を履いていても大切に取り扱うことのできる人物が成功者と呼ばれ、前進し続けることができるのでしょう。文字通り、彼らを歩ませてきたのは靴なのですから。
[文・編集] サムライト編集部