知識を蓄えろ!自分のセンスのなさに気づいたとき、まずやるべきこと

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センスは誰でも身につけられる

自分にはセンスがない。あの人のセンスが羨ましい。そう思ったことのある人は多いのではないでしょうか。

誰もが驚くような斬新な企画を提案したり、ヒット商品を次々に開発したりする同僚の姿を見て、ため息をついた経験はありませんか?そんな彼らに追いつくのを、「あいつはセンスがあるから……」と言って諦めてはいませんか?

だとしたら、それは大間違い。グッドデザインカンパニー代表であり、「くまモン」やNTTドコモの「iD」など数々のヒット作を生み出したクリエイティブディレクターの水野学氏は、「“センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。誰もが等しく持っているもの」だと語っています。

今回は、“センス”がスキルとして求められるこれからの時代において、「自分にはセンスがない」と思っている人がいかに“センス”を磨いていくのか、水野氏の著書『センスは知識からはじまる』を参考に解説していきます。

そもそも、センスとは何か

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「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。

水野氏は、私たちがぼんやりと考えがちなセンスについて、このように定義しています。

ここで実例を挙げて「センスがよい」とは何か、考えてみましょう。例えば短期的な業績はイマイチでも、将来を見据えて人材育成に力を入れている社長のことを「経営センスがある」と評したことはないでしょうか。あるいは、会場や周囲の友人に合わせてスマートな着こなしをしている人のことを「ファッションセンスがある」と思ったことはありませんか。

このように、数値で表せないものの良し悪しを、シーンに適切かどうか判断しながら峻別するのが“センス”です。“センス”は状況によって変化し、数値化もできないため、一見すると非常につかみづらい「才能」のように思われるかもしれません。しかし、実は誰でもできるセンスを磨く方法があるのです。その方法については、次章で詳しく見ていきましょう。

センスを磨くには、知識を身につけて「普通」を知る

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センスがよくなりたいのなら、まず「普通を知る」に限る

センスを磨くための方法とは、知識を身につけて「普通を知ること」と水野氏は述べています。どういうことでしょう。

例えば、『世界を股にかける音楽プロデューサー坂本龍一氏と、音楽はビートルズしか聞かない熱狂的なファン、「ビートルズはすごい」と言った時に説得力があるのはどちらか』という問いがあるとします。多くの方が、坂本龍一氏と答えるのではないでしょうか。

なぜなら、世界のあらゆるミュージシャンを知っている坂本氏の「すごい」には、多角的・多面的な分析が含まれているからです。彼の中には、音楽について様々な要素について判断基準が定められています。だからこそ、「普通」の音楽がわかり、それを上回るものは「良いセンス」、下回るものは「悪いセンス」と判断することができるのです。

一方で、熱狂的なビートルズファンの中には、深くはあっても非常にせまい判断基準しかありません。彼らには、ビートルズのセンスの良し悪しを決める材料がほとんどないのです。

知識を身につけることで、私たちは「普通」の基準を自分の中に作り、センスの良し悪しを判断できるようになります。「10代女性の好みそうな商品はどういうものか」「社内で良いチームを構築するためにはどうすればよいか」「これからの時代、転職に有利なスキルとして何を身につけるべきか」といった問いに対して最適解を出す、“センス”を磨くことができるのです。

知識を効率的に増やしていく3つのポイント

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センスとは、知識の集積である。

ここまでで、センスを磨くには、普通を知ること、ひいては知識を蓄えることが重要だとお分かりいただいたかと思います。ではここからは、水野氏が意識している「効率よく知識を増やしていく3つのコツ」を紹介して行きます。

1.王道から解いていく

例えば、「ジーンズならリーバイス501」のように、定番と呼ばれロングセラーとなっているものを見つけること。これらの「王道」ものは、時代の変化の中で製品の持つ「そのものらしさ」が磨かれていると言います。つまり、王道を押さえれば、センスのよさの重要なポイントである「最適化」の基準を身につけることができるというわけなのです。

さらに、王道を押さえるメリットはそれだけではありません。「王道」とは何かと探していくうちに、そのジャンルについての幅広い知識も自然と身についていくのです。なぜなら、選定のプロセスの段階で「何をもってこの製品を王道とするか」という問いを自分に投げかけるためです。

「最適化」の基準を身につけ、広い基礎知識を知ることができる「王道」こそ、私たちがセンスを身につける第一歩として学ぶべきものなのです。

2.今、流行しているものを知る

王道をつかんだら次は、流行しているものの知識を獲得しましょう。流行を追うことで知識の定期的な更新にもつながりますし、王道だけではリーチできなかった範囲を学習することができます。

水野氏が流行の情報源としているのは、月に数十冊読むという雑誌。手軽にインターネットで情報が手に入る時代ですが、きちんと裏取りされた、精度の高い情報に触れることも必要なのです。

3.共通項や一定のルールがないか考えてみる

王道を押さえ流行も把握したら、最後にその知識を分析・解釈して「自分なりの知識」にしていきます

水野氏の場合は、多くの店の共通項を見つけてインテリアショップのデザインを考えたとのこと。そのやり方は、対人スキルや経営スキルでも生かすことができるでしょう。古くから多くのビジネス書に書かれてきた定番のノウハウから、今年に入って急に流行りだした横文字のスキル……。それらの情報を蓄積し、共通項やルールを見出すことができたら、それは「あなただけの知識」となるに違いありません。

センスとはマナー。とにかく知識を身につけよう

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現代社会において、センスとはマナーです。

情報通信や機械の発達により、技術的には誰もが同程度のものを作れるようになった現代。仕事でのアウトプットの多くは、センスに依存する部分が多くなっています。クリエイティブな仕事だけではなく、すべての職種にセンスが求められる時代が来ているのです。

このような時代において、センスとはマナーであり、そして同時に大変重要なスキルと言えます。早々に自分のセンスに見切りをつけるよりも、多くの人や本と出会って知識を身につけてみてはいかがでしょうか。

参考文献:『センスは知識からはじまる』
Career Supli
センスの最大の敵は不勉強です。「一生勉強」という気持ちで、仕事をしていきたいですね。
[文・編集]サムライト編集部

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