一流のビジネスパーソンはなぜ質問するのか?Q思考で美しい答えを生みだそう

iStock_000056893710_Small

なぜ一流のビジネスパーソンは質問するのか?

「そもそもどうしてこのプロジェクトを始めようと思ったのでしょうか?」一流のビジネスパーソンは時にこうした質問をします。人によっては「わけのわかない質問をするやつだ!決まったことに変な口出しをするな」と思うかもしれません。

しかし彼らのこうした質問はしばしば見落としがちな問題を拾い上げ、既成概念を打ち壊し、イノベーションを引き起こします。AmazonのベゾスもAppleのジョブズもみんなこうした「質問魔」として知られていますが、彼らのような「的確な質問」はどうすればできるようになるのでしょうか。ここではそのための方法を紹介します。

質問できなければ生き残れない!

日本だけでなく、世界においても質問ばかりする人には「空気が読めない」「学がない」「自分で考えない」など悪いイメージばかり付きまといます。しかしコンピュータが発達し、AIの開発が進む現代において、空気を読んで答えを出したり、質問に対する回答をすぐに出す能力の価値は急速に低下しています。

なぜならコンピュータは答えを出すスペシャリストだからです。とはいえ質問も同様です。もし自分が検索したいワードの冒頭をGoogleの検索エンジンに入力して、予測検索にそのワードが表示されたら、その質問は意外性のないつまらないものだということになります。

私たちが身につけるべきなのは、コンピュータに勝てそうもない解答力でもなく、コンピュータに予測されてしまうような凡庸な質問力でもありません。既存の価値観や体制をつき崩す「反逆の狼煙」たり得る質問力なのです。このような質問は以下の3つのステップから生まれます。

1.なぜ?
2.もし~だったら?
3.どうすれば?

各ステップについて詳しく見ていきましょう。

全ては「なぜ?」から始めよう

iStock_000081219391_Small 2
核心を突く「なぜ?」に必要なのは子供のような心、あるいは常識や知識に囚われない初心者の目線です。大人や専門家は「そんなものは常識だ」「無理に決まっている」としたり顔で言いがちですが、それではイノベーティブな「なぜ?」は生まれません。しかし30歳になってしまえば、あるいは入社10年目のベテランになってしまえば、イノベーティブな問いはもうできないというわけではありません。

トヨタでは創始者・豊田佐吉の時代から「5なぜの法則」という方法を習慣化してきました。これは問題が発生した場合、それに対して5回なぜを繰り返して深堀りしていく方法です。この方法を使えば、単純な「なぜ?」の繰り返しにより強制的に常識や知識から自分を切り離すことができます。

また自分が思い描く理想と現実との絶望的な差を実感するのも1つの手です。革新的な人工装具メーカー、フィリップス・レスピロニクスの創業者、ヴァン・フィリップスは運動神経抜群だった青年時代に事故で片足を失いますが、その時医者から渡された義足の粗末さに絶望します。宇宙開発が急速化していた1976年のことでした。

そこでフィリプス青年がその絶望的な現実の前に生み出した問いは「人を月に送れるなら、なぜまともな義足くらい作れないんだ?」という「なぜ?」でした。

ビジネスを含むイノベーションは全てこの「なぜ?」から始まります。子供時代に持っていた好奇心を思い出し、まずは「なぜ?」と問うてみましょう。

現実をひっくり返す「もし~だったら?」

iStock_000092715163_Small
「なぜ?」と問い続けていると、ある時点で問いが「もし~だったら?」という形に変わります。ここでは実現可能性やコストなどを考えず、できるだけ現実から逸脱した思考を持つことが重要です。そのためにはいつでも現実から自分を切り離し、「もし~だったら?」と仮定の世界に飛び込むトレーニングを積む必要があります。

そのトレーニング方法の1つが「でたらめに考える」です。例えば「調理できない電子レンジ」「走らない車」「食べられないハンバーガー」といった機能しないものについての新しい使用方法を考えてみる。あるいは辞書であてずっぽうに2つの言葉を調べ、それを使って文章を作ってみる。こうした思考ゲームを繰り返していると、自然と普通は無関係なものをつなげ、突拍子もない発想ができるようになっていきます。

また以前にキャリアサプリで紹介した「柔軟な発想力を手に入れろ!頭のネジを一瞬で外す5つの方法http://careersupli.jp/career/neji/」を実践して、自分の中の常識をぶち壊しておくのも有効な方法でしょう。もちろんこの段階で思いついたことが現実には実現不可能な場合もたくさんあります。しかしそんなことを考えていてはイノベーティブな問いは生まれません。実現可能性やコストに対する答えは後で考えればいいのです。

トライアンドエラーで前進する「どうすれば?」

「どうすれば実現できるだろう?」「どうすれば解決できるだろう?」問いの最後の形はこの「どうすれば?」です。実現可能性を考えないことが大切な「もし〜だったら?」とは違い、ここで重要なのは実際に実現できるかどうかを徹底的に考え、行動に移すことです。ポイントとなるのは「実験」と「問いの共有」です。

「どうすれば?」に対するアイディアが何か浮かんだらとにかく実験して確かめてみなければなりません。もちろん失敗する可能性はあります。しかしだからといっていつまでも行動に移さずにいたらそのアイディアが間違っているかどうかもわからないままで、問いは前進しません。今は幸いにもコンピュータやインターネットの発達により、大小さまざまな実験を低コストで行える時代です。

自分の文章を本にできるかどうかはブログで実験できますし、大きな建物を建てる前にコンピュータで耐震性能のシミュレーションをすることもできます。今後3Dプリンタがさらに発達していけば、モノづくりの面でもあらゆる実験的な試みを行うことができるでしょう。

また周囲の友人などに「どうすればこれが実現できると思う?自分はこう思うんだ」と問いを共有すれば、それを実行せざるを得なくなります。さらにインターネットを通じて各分野の専門家とつながって問いを共有すれば、有益なアドバイスをもらえたり、力を貸してくれる可能性もあります。

「バカにされたらどうしよう?」「アイディアを盗まれたらどうしよう?」と考えて消極的になっていては問いの前進は望めません。確かにこれまでの2つの問いに比べると、「どうすれば?」の答えが見えてくるには時間がかかります。しかしこればかりはトライアンドエラーの中で学び、問いを共有することで一歩一歩進んでいくしかないのです。

問い続けよ、さらば道はひらかれん。

学びを得て、成長するためには問い続けなければなりません。「この問いの答えが見つからなかったら?」「この問いは的確なのか?今問うべきものなのか?」「そもそも問い続けることに意味はあるのか?」という不安は誰もが抱くものです。

しかしそのような不安を抱えていても、それを拭い去るには思考を停止させて日々の仕事に没入するか、今目の前にある「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」という問いを前進させるしかありません。まずは問い始め、そして問い続けることでしか、新しい人生は切り拓けないのです。

参考文献『Q思考 シンプルな問いで本質をつかむ思考法』
Career Supli
確かに仕事ができる人ほど、自分が疑問に思ったことをストレートに聞いてくると感じます。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

iStock_000056893710_Small