突然、あなたが秋元康さんにプロデュースされることになったら…何が学べるか!?

秋元康にプロデュースされる覚悟はあるか?

ロコドル、地下ドル、自ら名乗ればアイドルになれる時代が到来しました。最近ではバイトAKBや大人AKBなんていう企画もありましたね。かつては特別な人間にしかなれなかった存在だったアイドルの概念を変えたのはAKB48のプロデューサーである秋元康さんです。

ありとあらゆるコンセプトのアイドルが出尽くした感があるので、もしいまから秋元さんが新たなプロデュースをするなら、アイドルとは真逆の存在、ふつうのビジネスマンとかをプロデュースするかもしれません。

かつては「野猿」で普通の裏方のスタッフをスターにしたこともありました。もしかしたら、ひょんなことから、アナタに声がかかるかもしれません。

なんですか? 絶対やりたくない?

恥ずかしいですか・・・そうですよね。

でも、日本を代表する天才プロデューサーと一緒に仕事ができたら、あなたのビジネスセンスは飛躍的にあがると思いませんか?

そこで今回は、もし、秋元さんにプロデュースをされることになったら、ビジネスマンとして、どんなスキルを学ぶことができるのか、シュミュレーションしてみたいと思います。

秋元さんから学ぶべきこと1. 
「ひまわりが売れてる時にはたんぽぽの種をまく」

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どうして秋元さんはまだ何者でもない、平凡なビジネスマンのあなたをプロデュースしたいと考えたのでしょうか?突然そんな事態になったらどんな人でも戸惑いますよね。

でも、あなたをプロデュース対象として選んだ意外すぎる決断も秋元さんの、ある基本理念にもとづいてのことです。

「ひまわりが売れてる時にはたんぽぽの種をまく」

これはあるインタビューで秋元さんが言った言葉です。

すでにひまわりが売れている時にひまわりの種を蒔いても遅いのです。みんながひまわりに注目する時は、まだ見向きもされないたんぽぽの種をまくのが秋元流

秋元さんは、会社で怒られても、満員電車でもみくちゃにされても頑張るあなたに、踏まれても元気に咲く春のたんぽぽの花を見出したのです。

秋元さんのビジネスの根幹にはいつもこの考え方があります。実際にAKB48をスタートさせた当時は、“モーニング娘。”が歌やダンスのスキルを重要視し、アーティスト路線でやっていた時代で、会いに行けるような身近なアイドルという発想はありませんでした。

また、秋元さんは花屋で種を買いません。独自のフィールドワークで、まだ誰も注目していない種を探します。篠田麻里子さんはAKB48劇場と同じビルのカフェで働いていたところをスカウトされ、現メンバーの柏木由紀さん、HKT48の田島芽瑠さんは“モーニング娘。”のオーディションで落選したあとに秋元さんに見出され、デビューしました。

あなたは秋元さんから、まだ人の見つけていない商売の種を探し出し、その商売がもっとも活きるタイミングを計って花を咲かせるやり方を、学ぶことができるでしょう。

秋元さんから学ぶべきこと2.
「全員の同意を得られる良い企画などない」

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AKB48を大ヒットさせたあの秋元康が次にプロデュースするのは一体どんなアイドルだろうと、世のアイドルファンは注目しています。

そんなところに、秋元康が新しくプロデュースするのがアイドルではなくビジネスマンで、しかも最近お腹が出てきて、そろそろオジサンにさしかかった年齢のあなただというニュースが飛び込んできたらネットは大荒れでしょう。

アイドルファンが叩かないのは、あなたの彼女いない歴X年という情報だけかもしれません。しかし、秋元さんは著書の中で過去にこんなことをいっています。

「企画を考えるときに、まず全員の同意を得ようというところから入らないほうがいいんです」

秋元さんは、常に批判にさらされながら前にすすんできた人です。期待が大きい分、風当たりの強いこともありますし、そもそも彼は過去に自分のプロデュースしたアイドルと結婚するという御法度を大胆にやっています。

しかしそれで秋元さんが失脚したでしょうか?あなたのプロデューサー、秋元康さんはずっと第一線で活躍されています。

一切叩かれない人物がいないように、初めから全員の同意を得られる良い企画などないのです。もし全員の同意を得られる企画があったら、その企画はその場にいる全員の発想の範疇にある、ありふれた企画なのでしょう。

あなたは秋元さんから、全員の同意を得ない企画をどのように進めて形にしていくのか、その方法論を学ぶことができるでしょう。

秋元さんから学ぶべきこと3.
「一石多鳥」

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あの秋元さんがプロデュースしてくれても、結局頑張るのは自分自身です。今までだって努力してきたのに、そんなに急に何もかも変えるなんてとても難しい事ですよね。

そんな不安を感じた時には素直に秋元さんに相談してみましょう。秋元さんはきっとこんなことを教えてくれるはずです。

「一石多鳥」

これは秋元さんの弟子であった岩崎夏海さんが著書「まずいラーメン屋はどこへ消えた?」の中で、秋元さんの行動を評した言葉です。秋元さんは食事をとるという当たり前の行動においてでさえ、

1. 栄養を補給する
2. おいしいお店で嗜好を満たす
3. 取引相手と同席し仕事をスムーズに運ぶ
4. 取引相手に良いお店を紹介するという事で恩を売る
5. 人においしいお店を紹介するという実績を重ねることで「秋元康=グルメ」のブランドを作り仕事に繋げる

という一石五鳥を成し遂げているといいます。

どんな行動をとるにしても、メインの目的の他に、得られるものがないかを常に考えて効率化をはかっています。

あなたは秋元さんから、一石多鳥の無駄のない仕事のやり方を学べるでしょう。

そして卒業 最強のビジネスパーソンへ

AKB48の黎明期を支えたメンバーたちが次々と卒業していくように、あなたもいつか秋元さんから卒業しなければなりません。たとえまだ卒業したくないと思っていてもです。

そして、最後に秋元さんからこんな言葉をもらうかもしれません。

「企画とは、自分の居場所をつくることです。”この人がいないとダメなんだ”とまわりに認めてもらえる手段でもあるのです」

これは著書「秋元康の仕事学」の中の言葉です。

あなたは秋元さんにプロデュースされることによって、自分の居場所をつくる方法を学びました。

そしてこの頃には秋元さんにプロデュースされるのではなく、自分で自分を最強のビジネスパーソンにプロデュースしていくことができるようになっているでしょう。

もし秋元さんからプロデュースをしたいというオファーがあったら、以上のことを踏まえて、メリット、デメリットを天秤にかけて冷静に決断してください。

[文・編集] サムライト編集部