なぜあなたの話は伝わらないの?話を明確に伝えるための4つのステップ

相手にうまく伝わらない…という悩みがありませんか?

会議やプレゼンのときに、「うまく話せなかった…」と思うこと、ありませんか?
あるいは、メールの内容が伝わっていなかったり、「それで結論は何?」と相手に促されたりしたこと、ありませんか?

それは話す内容が長くなって結論がぼやけてしまったり、結論を言ったつもりでも伝わってなかったりするためです。

今回は、相手に明確に意図を伝える話し方を紹介します。

結論から述べよ! PREP法


話し方の技法には幾つかありますが、今回は、PREP法をメインに紹介します。
PREP法とは、簡潔に言うと、まず話の全体を伝えてから、詳細を説明していく方法です。
最初に全体像を伝えることで、話を聞く人はより理解しやすくなります。

PREP法の構造は以下です。

Point=結論
Reason=理由
Example=具体例
Point(結論)

ポイントは、「最も主張したい事(=結論)を、はじめにもってくる」ことです。
これは、メール、プレゼンテーション、電話、雑談においても当てはまります。
これを意識して話をするだけで、より明確に相手に意図を伝えることができます。

例文を紹介します。

①Point(結論)
私は、A案とB案でいうならば、B案のほうが適切だと考えます。

②Reason(理由)
なぜなら、A案よりもよりターゲットに沿った企画内容だからです。

③Example(事例、具体例)
A案は2002年にも同様の企画が上がっていますが、あまり売上が伸びませんでした。一方でB案は今まで類似するものがなく、伸びシロがあると考えることができます。

④Point(結論)
試算表を見ても、A案B案ともに同じくらいであることを考えると、リスク面でも可能性でもB案が適正だと考えます。

なぜこのような流れが有効なのでしょうか。
例えば、30分のプレゼンテーションが行われたとします。このとき、聞き手の集中力がずっと続くことはありません。最も集中しているのは直後の30秒だけだと言われています。

聞き手が最も耳を傾けている時間に伝えたいことを話すことで、「結論」を強く印象付けることができます。そうすれば、説得力のあるプレゼンテーションを構成できるのです。

また、人は最初に聞いた話を記憶に残しやすいという傾向があります。
心理学の用語で「初頭効果」という言葉がありますが、知識が少ない状態で最初に受けた情報は、頭の中に強く刷り込まれやすいのです。

そのため、プレゼンテーションでは結論を冒頭に話すことで、提案内容をより印象づけることができます。

ビジネスの場以外でも、有効に使おう


次は、「私の趣味」というテーマで作成してみます。
プレゼンなどの結論を述べるもの以外でもPREP法は有効ですが、この場合、PREP法の骨格である、「結論(全体)」をまず述べてから「詳細」を伝える、という流れになります。

①Point(結論)≒Whole(全体像)
私の趣味は、3つあります。
1つ目は、山歩きをすること。2つ目は、スキューバダイビングをすること。3つ目は、料理をすることです。
(ここでは具体的な内容は伝えず、項目だけを伝えることが重要です)

②reason(理由)≒話の各部分
1つ目の山歩きですが、子供の頃から家族に連れられて山歩きをしていたので、社会人になっても自然と山に足が向くようになりました。山で食べるお弁当は格別です。
2つ目のスキューバダイビングですが、2年前に小笠原諸島で初めて体験して以来、ハマってしまい、まだ始めたばかりですが、時間があるときに海に潜るようにしています。
3つ目の料理は、毎日の息抜きとして、楽しんでいることです。仕事が終わって家に帰ってから料理に専念するとストレス発散にもなり、また節約にもなるので、一石二鳥です。

という流れになります。仮に、3つの概要を伝えずに話をしていると聞き手は「一体いつまで続くんだ」と思ってしまいがちです。

しかし、このように、一つ一つを具体的に述べるよりも前に、「3つある」ということを先に相手に伝えておくだけで、相手も全体を把握して聞くことができます。

“報告しにくいこと”は、順番を入れ替えて「ERP」で!


トラブルが発生したときや、何か報告しにくいことを述べなければならない場合、PREPの順番ではなく、順番を入れ替えて「ERP」の順番で話すことで、より明確に伝えることができます。

流れは以下になります。

①Example
今、〜〜という状況です。

②Reason
〜〜になる可能性があります。

③Point
以上のことから、〜〜する対応が必要です。

従来の流れだと「問題が起きた・その原因や理由」が冒頭になるため、そこで上司が質問をしたり、原因を追及したりして話が止まってしまうことが多々あるためです。大切なのは、今後の流れとその対策です。

トラブルの伝え方も、言い方ひとつでだいぶ印象が変わります。

スピーチのテクニックは、主に4つ

プレゼンテーションや話し方のテクニックは、実は様々の方法があります。
主にディスカッションが盛んな海外で研究されているもので、近年日本でも紹介されるようになってきました。

以下に、主なものを紹介します。

①SDS法
(Summary=概要を話す→Details=詳細を話す→Summary=まとめを話す)
ニュース原稿などによく用いられる方法です。

②IREP法
(Issue=論点、Reason=理由、Example=具体例、Point=結論)
結論を最後に述べる方法です。
相手に反対意見を述べる場合など、結論から話し手はいけない状況で役に立ちます。

③DESC法
(Describe=描写する、Explain=説明する、Suggest=提案する、Choose=選択する)
要望の強制ではなく、妥協点の模索として使用することが多いです。
また、問題解決のための思考法としても有効な方法です。

④PREP法
(Point=結論、Reason=理由、Example=具体例、Point(結論)
SDS法をより具体的にした方法で、最も使いやすい方法だと言われています。

今回は④のPREP法をメインにして紹介しました。
ビジネスの場でもプライベートの場でも有効ですので、ぜひ積極的に使ってみてください。

Career Supli
知っているだけではなく、実際にこの方法を試してみてください。
[文]遠野蒼 [編集] サムライト編集部