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年収アップは健康管理から
仕事で高いパフォーマンスを発揮するには常に健康でなくてはなりません。若いうちは健康に気をつけていなくてもバリバリ働けるかもしれませんが、そのツケは必ず近い将来返ってきます。健康管理は仕事の基本。これができていなければ出世や転職による年収アップも望めません。
ここでは「仕事の成果を底上げする健康マネジメント」をテーマにビジネスパーソン向けのセミナーやコンサルティングを手掛ける水野雅浩(みずの・まさひろ)さんの著書『「稼げる男」と「稼げない男」の健康マネジメント』を参考に、仕事のパフォーマンスを上げる食習慣と運動習慣を紹介します。
腸内環境を2種類の食物繊維で整える
「ヨーグルトが良い」「乳製品が良い」腸内環境を整えるというと、漠然とこんな考えをしていないでしょうか。これらに整腸作用があると言われるのは、これらに腸内環境を整えている腸内細菌が含まれており、それらを直接腸内に送り込めるからです。
確かにこれにも一定の効果はありますが、実はヨーグルトに含まれる菌が腸内に定着しない場合も多く、望むような整腸作用が発揮されない可能性が多々あります。
確実に腸内環境を整えるのならば、すでに腸内にいる腸内細菌を2種類の食物繊維=エサで育てる必要があります。1つは海藻、きのこ類、果物などに多く含まれる「水溶性食物繊維」、もう1つは豆類、穀類、根野菜などに多く含まれる「不溶性食物繊維」です。
これらを2:1=水溶性食物繊維:不溶性食物繊維の割合で、合計25g摂取するのが理想とされています。現在の日本人の平均食物繊維摂取量は10g。最初は難しいことを考えず「とにかく食物繊維を摂る」と意識することから始めてみましょう。
間食にはナッツを選ぶ
「甘いものは元気が出る、頭の回転が速くなる」というのは単なる思い込みです。確かに血糖値が一時的に急上昇すると力がみなぎってくる気がしますが、甘いもので上げた血糖値はその後急下降するため、一気にパフォーマンスも低下してしまいます。
しかも体内のたんぱく質と摂取した糖質が体温によって化学反応を起こし、異常たんぱく質に生まれ変わると、体の老化が急速に早まるということもわかっています。仕事のパフォーマンスを上げたいビジネスパーソンにとって、甘いものはむしろ天敵なのです。
そこでオススメの間食がアーモンドやくるみなどの無塩無脂の「ナッツ」です。ナッツに含まれるαリノレン酸という良質の脂は、全身の血管の弾力性を改善させる効果があるとされています。
実際、健康な男性18人が4週間くるみを食べたところ、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールが平均16%も減少したという研究結果もあります。パフォーマンスアップの間食にはナッツ。これが稼ぐ人の鉄則です。
毎日体重の30分の1の「水」を飲む
私たちの体の細胞は、水分量が少なくなるとうまく新陳代謝ができなくなっていきます。これは肌細胞だけでなく脳細胞や内臓細胞も同じです。「新陳代謝ができない=若返りができない」なので、そのままでは老化現象がどんどん進み、パフォーマンスが低下していきます。
そこで必要なのが適切な水分補給です。目安は「体重の30分の1」。体重が60kgの人なら2Lです。運動などをする場合はこれにプラスして水分を補給します。この時注意するべきは次の3点です。
1.量が把握できるように500mlペットボトルなどの一目で量がわかるもので飲む。
2.過剰摂取は腎臓への負担に、一気飲みは血液が薄まる原因になるため、適正量をゆっくりと飲む。
3.清涼飲料水は砂糖が多すぎるため、基本はミネラルウォーターを飲む。
疲れは「動いて」取り除く
人間の筋肉は動くたびにポンプのように体内の血液を循環させ、酸素や栄養を全身に運んでいます。もちろん脳に流れる血液もこれと同じメカニズムでコントロールされています。しかし現代のビジネスパーソンのように座っている時間が長くなると、この筋肉の働きが弱まってしまい、脳を含む体のパフォーマンスが低下してしまいます。
座り仕事で動いてないのに疲れているのではなく、「動いていないから疲れている」のです。動いていないことによるパフォーマンスの低下を防ぐには動くしかありません。とはいえ仕事中にいきなりランニングするわけにはいかないので、できるだけ効率良く疲れを取り除くための運動をする必要があります。この時おすすめなのが次の2つのエクササイズです。
1.ハムストリングス(裏もも)ストレッチ
→座った状態で片足を前に出す。
→出した足のつま先を上げ、30秒ほど自然な呼吸ができる程度に前屈する。
→反対側も同様に行う。
2.ニートゥエルボー(膝と肘をくっつける)
→肩幅に足を広げて立つ。
→右膝を上げて、左肘とくっつける。
→左膝を上げて、右肘とくっつける。
※リズミカルに呼吸しながら左右10回ずつ行う。
下半身の筋肉は全身の筋肉の70%に相当します。この大きな筋肉を動かすことで、より効率的に疲れを取り除くことができます。
大きな筋肉を鍛えて免疫力を強化する

近年の研究により、筋肉量が多いほど、免疫細胞のリンパ球を増やすグルタミンの貯蔵容量が増え、免疫力が高まることがわかっています。したがって筋力増強のための筋トレは、そのまま免疫力強化にもつながるというわけです。
筋トレと聞くと「とりあえず腹筋を」と考える人がいるかもしれませんが、これは大間違い。前述したように人体の筋肉の70%は下半身に集まっているので、下半身トレーニングから始める方がより早く筋トレの効果を実感できます。下半身トレーニングで筋トレの効果を実感し、筋トレが楽しくなってきてから広背筋、大胸筋、腹筋……と大きな筋肉の順にトレーニングを深めていけばいいのです。
下半身トレーニングで圧倒的におすすめなのが誰もが聞いたことがある「スクワット」。ボディビルダーでこの筋トレをしていない人はいないと言っていいほど、オーソドックスかつ効果的なトレーニングです。また腰を落とす深さで強度を簡単に調整できるのも魅力の1つと言えます。基本のやり方は以下の通りです。
1.肩幅に足を広げて立つ(足の幅が広がるほど内ももに効く)。
2.手を頭の後ろで組み、視線は前方に向けたまま、背中を反らせる(骨盤を前傾させる)。
3.太ももに体重を感じながら、ゆっくりと腰を落とす。
4.太ももが床に対して平行になったところで、ゆっくりと元の位置に戻る(深く下ろすほど裏ももに効く)。
5.これを10回×3セット(体力に応じて回数は要調整)。
積み重ねられない人に成功はやってこない
健康管理と習慣作りは常に表裏一体です。習慣を作るためには毎日小さなことから積み重ねなくてはなりません。「習慣作りなんて面倒臭い」と思うのはまさに「稼げない人」の発想です。小さなことを積み重ねられない人に、成功は決してやってきません。まずはここで挙げた合計5つの習慣を1つずつ、自分にとっての「当たり前」にしていくところから始めてみませんか?
参考文献『「稼げる男」と「稼げない男」の健康マネジメント』
