Contents
ノート術がブーム
ノートの取り方一つで仕事が変わる。本屋などに行くと様々なビジネス書がそんなキャッチコピーを掲げて、平積みされています。しかし「あまりにも種類がありすぎてどれを選べばわからない」「新旧が入り混じってどれが本当に使えるのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
ここでは5冊の「ノート術指南書」で紹介されている「使える」ノート術のエッセンスを解説しています。「あ、これ使えそう」と思うものあればぜひ取り入れてみてください。
マッキンゼーのエリートが実践する「グルーピング」
まずは世界的なコンサルティングファームとして知られるマッキンゼーの社員が実践しているノート術を紹介しておきましょう。
彼らのノート術のポイントの一つは「グルーピング」です。例えば何か問題が起きた時に、それに関する情報をノートに羅列します。そのあとそれを「Where(問題はどこか)」「Why(その原因)」「 How(それに対する対策)」に分類します。断片的な情報を整理することで、見逃していた論点や自分の先入観などを取り除くことができるのです。
あるいは「空→雨→傘」のフレームワークもノート上で実践します。これは「空に黒い雲が広がっている(事実)→雨が降りそうだ(解釈)→傘を持って行こう(行動)」という具合に問題解決のために最適な行動を導くためのもので、空・雨・傘にわけて情報を整理することでロジカルに物事を考えられるようになります。
マッキンゼーのノート術には他にもポイントがありますが、共通するのは「ロジカルシンキングを効率的に行うためにノートをとる」という点。ノート×グルーピング×フレームワークでスピーディな問題解決につなげるのです。
☆もっと知りたい人はこちら
マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか

画像出典:Amazon
著者:大嶋 祥誉
価格:1404円
出版年:2015年
出版社:SBクリエイティブ
サイズ:単行本
超一流コンサルタントが提唱する「ミニノート術」
現在株式会社百年経営の代表取締役を務める「日本で最も予約待ちの多いコンサルタント」の一人、山崎城二氏が提唱するのが「1日5分ミニノート術」です。
ミニノートとは普通の大学ノートよりもひと回り小さいB7ノートのこと。これを使って「TO DOリスト」を作っていくのがミニノート術なのです。単純すぎるように見えますが、このリストを作る際に守るべきことが次の9点。
2. 今日終わらせる仕事は目標作業時間を記入する
3. 明日以降に終わらせる仕事は期限(日付)を記入する
4. 取り組む仕事の順番を記入する
5. 新しい仕事が入ったときは追加して書く
6. 仕事が終わるたびに終了マークを書く
7. 終わらなかった仕事は翌日に記入する
8. 仕事終わりに翌日の計画を立てる
9. プチご褒美を用意する
引用[1日5分ミニノート仕事術:仕事のゴチャゴチャが解決するシンプルな仕組み より]
常に優先順位を整理し、かつ終わっている仕事と終わっていない仕事を一目瞭然にすることで仕事に迷いがなくなり、能率が一気に向上するノート術なのです。仕事が山積みになって「どれから手をつければいいんだっけ?」「あ!あの仕事をやるのを忘れてた!」というようなことが多い人にオススメのノート術です。
☆もっと知りたい人はこちら
1日5分ミニノート仕事術:仕事のゴチャゴチャが解決するシンプルな仕組み

画像出典:Amazon
著者:山崎城二
価格:1404円
出版年:2013年
出版社:現代書林
サイズ:単行本
元花王のエースが提唱する「3冊ノート術」
大手化学メーカーの花王でアタックやソフィーナなどを手がけ、現在はコンサルタントとして活動する美崎栄一郎氏が提唱するのは「3冊ノート術」です。
これは「メモノート」「母艦ノート」「スケジュールノート」の3冊を使い分けるノート術です。メモノートとはサイズとしても小さなノートを使い、いつでもどこでもノートをさっと書くためのものです。上司の指示内容や思いついたアイディアなどを書きためるもので、「母艦ノート」作成のための「素材」的な存在です。
そしてこの母艦ノートは自分のアイディアを整理したものや、経験したことなどをデータベース化するために書きます。例えば上司の書いた指示のメモを貼り付けて、仕事の手順をメモしたり、その時感じた疑問や問題点などを追記すればその仕事は自分のものとなり、かつ次の仕事のアクションにもつながります。母艦ノートは財産となるのでケチらずに1トピック見開き1ページを使うのがポイントです。
スケジュールノートでは予定やスケジュール管理を一元化することで漏れ・被りを防止します。このスケジュールノートは母艦ノートの記録を検索する際に役立ちます。この3冊をうまく使いこなせば、「母艦ノート」=「自分の経験」という財産が溜まっていくというノート術です。
☆もっと知りたい人はこちら
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか

画像出典:Amazon
著者:美崎栄一郎
価格:1512円
出版年:2009年
出版社:ナナ・コーポレート・コミュニケーション
サイズ:単行本
プロフェッショナル・マーケティングコーチが薦める「A3ノート術」
上場企業ホールディングスや政府系金融機関、欧州トップ外資系金融企業の幹部社員などを務める「プロフェッショナル・マーケティングコーチ」である横田伊佐男氏が進めるのは「A3ノート術」です。
このノート術はそのままA3ノートを使って思考を整理したり、記録したりするノート術のことです。しかしただ大きな紙に書くというわけではなく、その大きさを利用してA3見開き1ページを「究極の1枚」に仕上げるノート術なのです。
大事な考え方は3つ。1つめは「拡大思考」です。まず日付や場所、議題についてインデックスを書きます。そのあと、「なぜ」「どうして」などの議題についての論点を疑問系で羅列します。そしてこれを元に質より量でどんどんアイディアを出していきます。いわゆるブレストと同じ手順です。
これができたら次は「分割思考」。ここでは拡大思考で出したアイディアを「空→雨→傘」などのフレームワークを使って分類していきます。
そして最後に「俯瞰思考」。ストーリーが目で追いやすいようにZ型に項目を並べ、思考の筋道が終えるような「究極の1枚」を完成させます。一連の流れを一目で追うことができるので、共有もしやすく、問題点や解決策も見つかりやすいというメリットがあります。
☆もっと知りたい人はこちら
一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?:すべてを“紙1枚”にまとめる仕事術

出典: Amazon
著者:横田伊佐男
価格:1512円
出版年:2015年
出版社:学研マーケティング
サイズ:単行本
日本の超一流企業が実践している「フィッシュボーンノート術」
トヨタや日産、コーセーや日立などの企業で使われているのが「フィッシュボーンノート術」です。元来は「品質管理の父」と言われた東大名誉教授石川馨氏が考案したものなのだとか。
フィッシュボーンノートの特徴は自由度です。方法はまず右側を「頭」、左側を「尾」として真ん中に背骨となる太い線を書きます。頭の部分に議題やゴールなどを書き、それに関連する項目を中骨のように書いていきます。そこから派生するものがあればさらに小骨を足して書いていく。これがフィッシュボーンノートの基本です。
すでにある程度固まった考えを整理するためには、頭に近い順に重要度に沿って書いていけば思考の整理ができます。あるいは背骨の上側を頭から尾ひれへメモを取り、そのまま反時計回りに尾ひれから頭へとメモをとれば、一目でストーリーが見渡せるメモにもなります。このように柔軟な使い方ができるのがフィッシュボーンノートの最大の魅力です。
☆もっと知りたい人はこちら。
年収が10倍アップする!フィッシュボーンノート術

画像出典:Amazon
著者:駒井伸俊
価格:1512円
出版年:2009年
出版社:フォレスト出版
サイズ:単行本
ノートは自分の外部脳
いかがでしょうか。ノート術はとどのつまり「自分との相性」です。そのためオススメするのはこの記事の解説の通りに自分で簡単にノートを取ってみて、「あ、使いやすいかも」と思えたら本に当たって方法論を深める、という方法です。仕事の能率を上げるために、ずっと続けられるノート術をぜひ見つけてみてください。
[文・編集] サムライト編集部