自分の身は自分で守れ!マインドコントロールは身近に存在する!

他人ごとではないマインド・コントロール

X JAPANのTOSHIさんを最近テレビで見かける機会が多くなりました。彼は12年間もの長期間、自己啓発セミナーによってマインドコントロールされていたとのこと。

今ではマインドコントロールを自らネタにしていたりと完全に元に戻った状態です。X JAPANの一ファンとしてホッとしたものです。私たち大多数の人間にとっては「私はマインドコントロールされない」と他人事のようでもあります。

しかしTOSHIさんがマインドコントロールされた過程を調べると、置かれた状況次第で私たちもマインドコントロール被害に遭遇しうると感じました。ブラック企業と呼ばれる会社でもこれに近い手法を使っているところも見受けられます。

精神科医岡田尊師氏の「マインド・コントロール(文春新書)」とTOSHIさんがマインドコントロールされていった事例を参考にマインド・コントロールの原理を知り、被害に遭わないよう知識を仕入れましょう。

マインド・コントロールの原理を知ろう

①情報入力を制限する、または過剰にする

オウム真理教はサティアンという宗教施設に信者を隔離していたことで有名です。また、TOSHIさんがマインドコントロールされたケースでも常に監視がついて回り外部からの接触が実質的に遮断されている状態だったようです。

このような隔離措置では情報入力を制限する狙いがあります。そうすることで情報に対する飢餓感を醸成。また、他の情報と比較できないようにし新たな考え方を植え付けやすくします。

情報を過剰にすることもマインドコントロールに有効です。情報を過剰に供給して脳が情報を処理しきれなくなる状態にまで追い込み疲弊させます。そうして、自分で主体的な思考をできない状態にるのです。

カルト教団において信者に説法テープを延々と聞かせるケースが散見されるのはマインドコントロールに効果的だからです。

②自尊心を低下させた後、救済する

私たちの仲間になることで素晴らしい人生を開拓していける、より良い世界を作っていけるのだと救済の言葉をかけます。これは通常、対象者の自尊心を奪ってから実行されるようです。

TOSHIさんがマインドコントロールされたケースでは「出会いの実習」というものがあったそう。それは、他のセミナー参加者から自分に対する初対面の印象をフィードバックされるというものです。

TOSHIさんは全員から「近づきにくい」と言われました。このように対象者の自尊心を低下させます。ただし、この他のセミナー参加者は実はセミナーのスタッフだったとも言われています。

また、TOSHIさんがよりセミナーに深入りするようになってからは頻繁に人間性を否定される言葉を投げかけられていたそうです。これによって自尊心を崩壊させた後に、「お前の戻ってくる故郷はここにある」といった救済の言葉をかけていたようです。

また、セミナーでは「これからは癒しの時代がやって来る。本質的な事をやれば多くの人を感動させることが出来る」と普遍的な価値を帯びたビジョンのようなものをTOSHIさんに示していたようです。

不安な状態にある、自分を信じられない。そんな人にとって普遍的な価値を帯びた言葉は強力な魅力を放っているのでしょう。

宗教を持たない現代の我々は何かしら普遍的な価値を信じたい心理が存在します。その心理をうまく利用するのも悪質なマインドコントロールの特徴です。

③仲間意識を醸成する

人間は誰しも自分のことを受け入れてくれる場所を好むものです。長い時間を過ごせば同じ集団に属する人たちに対して仲間意識も生まれるでしょう。

自分を認めてくれたり承認欲求を満たしてくれる共同体の仲間を裏切って抜け出すことは容易ではないはずです。マインドコントロールではこの仲間意識を醸成する儀式が用いられます。

TOSHIさんのいた自己啓発セミナーにおいては仲間意識を醸成するプロセスがあったそうです。そのプロセスの1つが「シェア」です。セミナー参加者はコンプレックスや子供時代に経験した嫌な体験を他のセミナー参加者とシェアするというものでした。

もう1つのプロセスが「セラピー」です。床に立てたマットレスを嫌な体験の元凶となっている人たちに見立てて殴りつけるというものでした。自分たちの外部に敵を作ることでセミナー内の仲間同士の意識を醸成する狙いがあったのでしょう。

外部に「敵」を作る儀式で仲間意識を醸成するのはカルト教団だけでなく世界中の暴力団、ギャンググループにも見られる傾向です。

一度仲間意識が醸成されると自分を受け入れてくれた仲間に認められるためにも鉄砲玉になることすら厭わない構成員となるのです。

マインドコントロールの背後にある心理学的原理を知る

①情報入力を制限する、または過剰にする
②自尊心を低下させた後、救済する
③仲間意識を醸成する

マインドコントロールというのは私たちの身近にも存在しているものです。仲間意識を醸成するなど一概にすべてのマインドコントロールの要素が悪いというわけでもありません。

そこがマインドコントロールの難しい点なのです。しかし、もしネガティブな方向性でマインドコントロールが使われているのであれば「今マインドコントロールされてるかも」と気を付けたほうが良いでしょう。

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マインドコントロールに引っかからないために手法を理解しましょう。
[文・編集] サムライト編集部

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